頭すけすけデメニギスやエイリアンの幼体めいた魚など光が届かぬ深海には想像をはるかに超える特殊な生物が存在する。今回登場するオニボウズギスも人類の度肝をごっそり抜きまくるクリーチャーの一種といえよう。
この深海魚はゾッとするほど伸び縮みする胃をもち、自分より2倍以上も長い魚や10倍重い魚を丸飲みしてしまう。
魚界きっての大食いキャラ。いかつい顔に驚異的な胃袋で有名なオニボウズギスにズームインだ。
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The Black Swallower | Bizarre Deep Sea Creature That Can Eat Prey Up to 10-Times Its Sizeよく伸びる胃袋で大きな魚を丸飲み!深海魚オニボウズギス オニボウズギス(学名:Chiasmodon niger)はスズキ目クロボウズギス科の深海魚だ。大西洋を中心に世界中の海に分布し、水深700~2,750mほどの暗い海で暮らしている。
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その生態ゆえに生きた個体の映像記録も限られてるが、彼らはとてもよく伸びる胃袋で知られ、体長25cmほどしかない自分の体より大きな魚を飲み込むことができるという。
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この魚は丸飲みで知られるヘビに似た特徴があり、巨大な獲物が飲み込めるよう下顎が伸び、胸を広げてお腹を膨らませることができる。
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また上下の顎に一列ずつ並ぶ非常に鋭い歯も獲物にとって恐ろしい檻になる。口を閉じるとそれぞれの歯が檻のようにぴったり噛み合い、逃れられなくなるからだ。
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貴重な獲物をすぐに丸飲み!10倍以上の魚まで捕食可能 最大の特徴ともいえる胃は驚異的な伸縮性があり、伸びるほどに透けてくる。その限界ははっきりとはわかっていないが、少なくとも自分の10倍以上の重さがある獲物まで捕食できるという。
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これはいわゆる貯食のようなもので、越冬するリスなどの習性と同様のものとみなされている。
光が届かず餌が乏しい深海ではいつ獲物にありつけるかわからない。そこでオニボウズギスは貴重な獲物を見つけるとすぐに丸飲みし、胃で消化しながら生き延びるのだ。大きすぎる獲物で死に至ることも。過食がむしろ命取りに 大容量の胃袋を上手に使うオニボウズギス。ところが皮肉なことにその習性が命取りになるという。あまりに大きな獲物を丸飲みしたせいで死ぬ個体がいるのだ。
伸びすぎて薄くなった胃が裂けてしまう個体や、消化が追いつかず腐敗した獲物から出たガスで膨らんだ個体が海面に浮いてしまい死んだまま漂流する場合もある。
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オニボウズギス発見のきっかけもそうした個体からだった。1860年にカリブ海の北西にあるケイマン諸島で見つかった標本も食べ過ぎが原因で死んだものだったのだ。
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いくら伸縮自在の胃とはいえ、やはり限界があるもよう。てか人間だとそれなりに満腹感とかあるわけだけどオニボウズギスにそういう感覚はないのかね?
飢えないように食べてたら胃袋が裂けちゃったり、はからずも海に浮かんで死んじゃうなんてこわもてのオニボウズギスの魚生もけっこうハードモードだな。
References:boingboing / wikipediaなど /written by D/ edited by parumo
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