
オーストラリアで動物界最多の足を持つヤスデの新種が発見されたそうだ。数えるのも大変だっただろう。
これまでの記録を大きく塗り替えるもので、人間にはどうやってコントロールしているのかもはや想像不能なほどの多さだ。
他にもイギリスで、長さ2.7メートル、体重50キロもの絶滅したヤスデの化石も見つかっており、ヤスデが今最もホットな生物な感じになっている。
1306本の脚を持つ新種のヤスデが発見される 「ユーミリペス・ペルセフォネ(Eumillipes persephone)」と名付けられた新種が8匹は、西オーストラリアにある金鉱地帯ゴールドフィールドの、60メートルの地中から発見された。
ユーミリペスは「真の1000本足」を意味し、ペルセフォネはギリシャ神話に登場する冥界の女神「ペルセポネ」にちなんだものだ。
わざわざ”真の”などと銘打たれているのは、これまで足が最多のヤスデでも750本しかなかったからだ。今回の発見によって、ヤスデは名実ともにヤスデになったことになる。
そのうち4匹の標本が調査され、最大のものは長さ9.5センチ、太さは0.95ミリと小ぶりながら、全身が330の節に分かれ、脚が1306本あったという。
オスのユーミリペス・ペルセフォネはメスより一回り小さく、脚の数は最も多いもので818本だっった。
頭部は円錐形で、アゴはあるが、目がない。外骨格は淡いクリーム色で、こうした特徴から新種と判断された。
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1306本の脚を持つメスのユーミリペス・ペルセフォネ image credit:Marek et al., Scientific Reports, 2021
これまでの足の最多チャンピオンは、米カリフォルニア州で発見された750本の足を持つ「イラクメ・プレニペス(Illacme plenipes)」だった。
E・ペルセフォネはその記録を大きく上回るが、両者は遠縁にあたると考えられている。ムカデの脚が多いのは土の中を掘り進む為 人間的にはそんなに足があっても扱いに困りそうなものだ。だが研究グループによると、このような足が進化したのは、土の中を掘り進むのに有利だったからだそう。
ヤスデが暮らしているのは、地形がまったく予想できない土の中だ。彼らは体の節を伸縮させながら、足の力で小さな隙間を押し広げて移動する。足の数が多ければ、それだけ強力なパワーで土を押しのけることができた。
そんな地下の環境は、数千年で大きく変化する地上と比べて安定しており、今後も新しい生物が見つかる可能性があるとのこと。
こうした地中の生物が織りなす生態系は、地下水のろ過や環境毒の浄化といった大切な役割を果たしているにもかかわらず、ほとんど研究が進んでいない。
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オスのユーミリペス・ペルセフォネはメスより一回り小さく、脚の数は最も多いもので818本だった mage credit:Marek et al, Scientific Reports 2021i
わさっとした足と、じめっとした不気味な外観のせいで、あまり人気があるとは言えないヤスデだが、詳しく知ってみれば畏敬の念が湧いてくる生き物だ。
『Scientific Reports』(21年12月16日付)に掲載された今回の論文によると、ヤスデは大気の酸素を呼吸する動物としては最初期の仲間で、4億年前から生きているのだという。かつては自動車並みの大きさをもつムカデも 2018年1月にイギリス、ノーサンバーランドで偶然発見されたヤスデの化石は、約3億年前の石炭紀に生息した「アースロプレウラ」であることが明らかとなった。
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image credit:Neil Davies
発見された化石は頭部が含まれておらず、その一部分のみだが、実際の体長は約2.7メートル、体重は約50キロもあったというから驚きだ。
いったい何を食べればこんなに大きくなるのか?まだその答えは明らかとなっていないが、今回の調査を率いたケンブリッジ大学のニール・デイビス氏によると、当時豊富だった栄養価の高い種子類を食べていたか、あるいは他の無脊椎動物や小さな脊椎動物を捕食していた可能性もあるという。
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Arthropleura - A Giant Prehistoric Millipede
References:The first true millipede—1306 legs long | Scientific Reports / Millipedes ‘as big as cars’ once roamed Northern England, fossil find reveals / written by hiroching / edited by parumo
追記:(2021/12/23)本文を一部訂正して再送します。
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
長さ9.5センチほどの体には、なんと1306本の脚があったという。
これまでの記録を大きく塗り替えるもので、人間にはどうやってコントロールしているのかもはや想像不能なほどの多さだ。
他にもイギリスで、長さ2.7メートル、体重50キロもの絶滅したヤスデの化石も見つかっており、ヤスデが今最もホットな生物な感じになっている。
1306本の脚を持つ新種のヤスデが発見される 「ユーミリペス・ペルセフォネ(Eumillipes persephone)」と名付けられた新種が8匹は、西オーストラリアにある金鉱地帯ゴールドフィールドの、60メートルの地中から発見された。
ユーミリペスは「真の1000本足」を意味し、ペルセフォネはギリシャ神話に登場する冥界の女神「ペルセポネ」にちなんだものだ。
わざわざ”真の”などと銘打たれているのは、これまで足が最多のヤスデでも750本しかなかったからだ。今回の発見によって、ヤスデは名実ともにヤスデになったことになる。
そのうち4匹の標本が調査され、最大のものは長さ9.5センチ、太さは0.95ミリと小ぶりながら、全身が330の節に分かれ、脚が1306本あったという。
オスのユーミリペス・ペルセフォネはメスより一回り小さく、脚の数は最も多いもので818本だっった。
頭部は円錐形で、アゴはあるが、目がない。外骨格は淡いクリーム色で、こうした特徴から新種と判断された。
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1306本の脚を持つメスのユーミリペス・ペルセフォネ image credit:Marek et al., Scientific Reports, 2021
これまでの足の最多チャンピオンは、米カリフォルニア州で発見された750本の足を持つ「イラクメ・プレニペス(Illacme plenipes)」だった。
E・ペルセフォネはその記録を大きく上回るが、両者は遠縁にあたると考えられている。ムカデの脚が多いのは土の中を掘り進む為 人間的にはそんなに足があっても扱いに困りそうなものだ。だが研究グループによると、このような足が進化したのは、土の中を掘り進むのに有利だったからだそう。
ヤスデが暮らしているのは、地形がまったく予想できない土の中だ。彼らは体の節を伸縮させながら、足の力で小さな隙間を押し広げて移動する。足の数が多ければ、それだけ強力なパワーで土を押しのけることができた。
そんな地下の環境は、数千年で大きく変化する地上と比べて安定しており、今後も新しい生物が見つかる可能性があるとのこと。
こうした地中の生物が織りなす生態系は、地下水のろ過や環境毒の浄化といった大切な役割を果たしているにもかかわらず、ほとんど研究が進んでいない。
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オスのユーミリペス・ペルセフォネはメスより一回り小さく、脚の数は最も多いもので818本だった mage credit:Marek et al, Scientific Reports 2021i
わさっとした足と、じめっとした不気味な外観のせいで、あまり人気があるとは言えないヤスデだが、詳しく知ってみれば畏敬の念が湧いてくる生き物だ。
『Scientific Reports』(21年12月16日付)に掲載された今回の論文によると、ヤスデは大気の酸素を呼吸する動物としては最初期の仲間で、4億年前から生きているのだという。かつては自動車並みの大きさをもつムカデも 2018年1月にイギリス、ノーサンバーランドで偶然発見されたヤスデの化石は、約3億年前の石炭紀に生息した「アースロプレウラ」であることが明らかとなった。
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image credit:Neil Davies
発見された化石は頭部が含まれておらず、その一部分のみだが、実際の体長は約2.7メートル、体重は約50キロもあったというから驚きだ。
いったい何を食べればこんなに大きくなるのか?まだその答えは明らかとなっていないが、今回の調査を率いたケンブリッジ大学のニール・デイビス氏によると、当時豊富だった栄養価の高い種子類を食べていたか、あるいは他の無脊椎動物や小さな脊椎動物を捕食していた可能性もあるという。
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Arthropleura - A Giant Prehistoric Millipede
References:The first true millipede—1306 legs long | Scientific Reports / Millipedes ‘as big as cars’ once roamed Northern England, fossil find reveals / written by hiroching / edited by parumo
追記:(2021/12/23)本文を一部訂正して再送します。
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