悪魔教会がバフォメットの赤ちゃん像を州議会議事堂に展示し物議を醸す
 日本でもクリスマスが当たり前のように祝われているが、本来はイエス・キリストの降誕祭であり、キリスト教信者たちのイベントである。

 教会や公共の場にはイエス・キリスト降誕のオブジェや絵画などが展示されるのが習わしだが、アメリカ・イリノイ州の州議会議事堂では、そうした展示物と並び、悪魔教会のバフォメット(異教の神)の赤ちゃん像が展示され、地元キリスト教信者の間で物議を醸している。

イリノイ州議会議事堂にバフォメットの赤ちゃん像 イリノイ州の悪魔教会は、12月20日の午後1時から州議会議事堂の中に、ソル・インウィクトゥスを祝うため、ミイラのようなバフォメットの赤ちゃん像を展示したことをSNSなどで明かした。  この作品は、ニューメキシコ州アルバカーキのホラーアーティスト、クリス・P・アンドレスさんによるもので、山羊の頭を持った悪魔、バフォメットの赤ちゃんが今まさに誕生したかのようなリアルな出来栄えとなっている。

 悪魔教会(サタニック・テンプル)はサタニズム(悪魔主義)を標榜する宗教団体だが、真の宗教団体というより、むしろ政教分離や女性の生殖権、その他の社会問題を提起する社会活動家組織である。

 組織のウェブサイトによると「迷信に征服されず、知識の共有を追求する上で一貫していることを祝う」ものであり、キリスト教以前のローマのソル・インウィクトゥスへの崇拝に端を欲していると謳っている。  悪魔教会の運営責任者エリン・ヘリアンさんは、メディアへの声明の中で次のように述べている。
今年の伝統は、バフォメットの調和と和解のメッセージの緊急性を示しています。
 しかし、地元のキリスト教信者らはこの展示を快く思っていないようだ。キリスト教指導者との論争の源に クリスマスの時期ゆえ、バフォメットのインスタレーション展示は、地元キリスト教指導者との論争の源になっている。

 州議会議事堂には、キリスト降誕のシーンを示した展示物が教区主催のイベントの一環として、建物内に設置されているからだ。  トーマス・パプロキ司教は、「悪魔教会の展示を建物内やその他の場所に置くべきではない」と発言し、教区のスポークスマン、アンドリュー・ハンセンさんもこのように批判している。
このクリスマスの時期に、悪魔の神バフォメットの赤ん坊と、イエス・キリストを展示することは、イリノイ州の何百万人ものキリスト教徒、更には世界中の何十億人ものキリスト教の信者を嘲っていることになります。

これは、キリスト教信仰の荒らしという以外のなにものでもありません。
今年で3度目となる悪魔教会の展示 悪魔教会は、パプロキ司教への招待を歓迎しているが、同司教は不快さを露わにしており、悪と交流することを拒否し、真の宗教的信仰を持つ全ての人々に悪魔を避ける呼びかけを行っているという。  これを受けた悪魔教会の共同創設者ルシアン・グリーブスさんは、地元メディアで次のように話している。
パプロキ司教の態度は、「統一感」を欠いています。私たちの真のメッセージは、多元主義を再確立することです。それは、反対の視点を持つ人々が対立しなければならないという意味ではありません。
 ちなみに、イリノイ州議会議事堂での悪魔教会の最初の展示は2018年で、2019年と続いて、リンゴを掌にのせたイヴの前腕に蛇が巻き付けられたインスタレーションが「知識は最高の贈り物」と名付けられて展示されていた。

References:The Satanic Temple Unveils New Satanic Artwork in Illinois Capitol Rotunda / written by Scarlet / edited by parumo

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