国際的な研究グループは、ハワイ島ハレアカラ山山頂にあるW・M・ケック天文台から、赤色超巨星が大爆発を起こすまでの最後の130日を観測。その成果を『The Astrophysical Journal』(2022年1月6日付)で発表した。
星の進化の最終プロセスを初観測できたことも大きな成果だが、この爆発はこれまでの常識をくつがえすものでもあった。激しくガスを噴出するなど、爆発前の活動が意外なほどに活発だったのだ。
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Red Supergiant Star Goes Supernova1億2000万光年の彼方で最後を迎えた星 「巨大な星の死の直前について理解を深める画期的な成果です」と、主執筆者のウィン・ジェイコブソン=ガラン氏(カリフォルニア大学バークレー校)は話す。
最後の瞬間が観察された赤色超巨星は、地球から1億2000万光年離れた銀河「NGC 5731」にあった。
赤色超巨星とは、直径が太陽の数百倍から千倍以上あり、明るさは太陽の数千倍以上、全エネルギー放射は太陽の3万倍以上ある恒星のことだ。今回観測したものは、その質量が太陽の10倍ほどだった。
2020年夏、W・M・ケック天文台のパンスターズ望遠鏡が、その赤色超巨星から放たれる膨大な光を検出。それから数ヶ月後の秋、ついに星空を照らす超新星が目撃された。
この超新星は「SN 2020tlf」と名付けられている。激しい爆発によって放たれた最初の光もまた捉えられており、そのデータからは、星を囲んでいた密度の高い「星周物質」は、夏に噴出が観測されたガスと同じものであろうことが明らかになっている。
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これまでの星の最後の瞬間の常識がくつがえる 今回の成果は、赤色超巨星が最後にたどるプロセスについての常識をくつがえすものだ。これまでの考えでは、爆発前の赤色超巨星は、比較的穏やかであるとされてきた。
ところがSN 2020tlfの場合、激しいガスの噴出や発光が確認されている。少なくとも一部の赤色超巨星では、爆発前に内部構造に大きな変化が起こり、それによって激しくガスが噴出されることが確認されたのだ。
「チクタクと動く時限爆弾を見るようなものです。崩壊して燃え上がる前にまず発光する、死ぬ間際の赤色超巨星がこのような激しい活動をするなど、初めて確認されました」と、ラファエラ・マルグッティ准教授(カリフォルニア大学バークレー校)は言う。
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死にゆく星では何が起きるのか? 星は、進化の最後の数ヶ月にどのように振る舞うのか? 今回のような成果は、こうした謎の理解に劇的な影響を与える可能性があるとのこと。
「巨大な星が最後の瞬間をどう過ごすのか? この謎の解明へ向けて観測者と理論家を団結させることでしょう」と、ジェイコブソン=ガラン氏は語る。
References:Astronomers Witness a Dying Star Reach Its Explosive End – W. M. Keck Observatory / written by hiroching / edited by parumo
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