
シジュウカラ、コガラなどの鳥類の仲間の多くは、動物の毛を使って巣を作ることが知られている。
これまで、巣に毛を蓄える鳥は、哺乳類の死骸から採取するか、抜け落ちた毛を拾い集めていると考えられていた。
だがよく観察するとそうではなかった。鳥たちは大胆にも、人間を含め、生きている動物から直接毛を引き抜いていることがわかったのだ。
なぜ鳥たちは、危険を冒してまでも生きている動物から直接毛を引き抜くのだろう?
動物のみならず人間から直接毛を引っこ抜く鳥たち「毛盗み」 アメリカ、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のマーク・ハウバー教授らの研究グループが調査したところ、直接生きた動物たちから毛を引き抜く「毛盗み」の行為は、6羽の鳥によって11件が報告されていることがわかった。
エボシガラが人間を含む4種の哺乳類から毛をむしっていた例が6件、ミツスイがコアラやヒトの毛を失敬していた例が3件、アカバネテリムクがウシ科のクリップスプリンガーから、アメリカガラスが家畜の牛から毛を抜く例も2件報告されている
[動画を見る]
アライグマの毛を引き抜くエボシガラなぜ危険を冒してまで生きた動物の毛を引き抜くのか?「毛盗みのターゲットになる哺乳動物は、たいてい眠っているときにやられますが、起きている間にも抜かれることがあります」ハウバー教授は言う。
鳥は営巣のためにさまざまな材料を使うが、なぜ、これらの鳥は命の危険を冒してまで、哺乳類に近づくのだろう?
盗んだ毛で営巣するメリットのほうが、命を危険にさらすデメリットよりも勝っているからだろうと、ハウバー教授は推測する。
これまで、鳥たちはが動物の毛を採取するのは、巣の中を暖かく保つためだと考えられてきたが、どうやらそれだけではなさそうだ。
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犬の毛を引き抜くアメリカコガラフレッシュな哺乳類の毛のニオイが捕食者を遠ざける可能性 哺乳類のフレッシュな毛がそこにあるだけで、哺乳類のニオイがするため、ヘビやほかの鳥といった捕食者を近寄らせないという利点があるのかもしれない。
「オオヒタキモドキという鳥は、空洞の巣を作り、そこにヘビの皮を突っ込みます。たぶん、恰好の捕食者よけになるからでしょう」とブラウン教授。
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ヘビの皮を巣に入れるオオヒタキモドキ
アフリカに棲むフィンチは、哺乳動物の糞を囲い込んだ巣の上におくという。捕食者を惑わせて、立ち去らせるためと思われている。
さらに、シジュウカラの仲間が作るような、中が空洞になっている巣では、毛があると、ヒナの生存を脅かす寄生虫を撃退できる可能性もあるという。
一羽のアメリカコガラが、人間47人、犬45匹、猫3匹、アライグマ3匹、ヤマアラシ1匹の毛を集めていたケースもあった。
[動画を見る]
人間の毛を引き抜くアメリカコガラ
ブラウン教授はこう語る
References:Some Birds Pluck Hair Directly from Live Mammals, Scientists Say | Sci-News.com / written by konohazuku / edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
これまで、巣に毛を蓄える鳥は、哺乳類の死骸から採取するか、抜け落ちた毛を拾い集めていると考えられていた。
だがよく観察するとそうではなかった。鳥たちは大胆にも、人間を含め、生きている動物から直接毛を引き抜いていることがわかったのだ。
なぜ鳥たちは、危険を冒してまでも生きている動物から直接毛を引き抜くのだろう?
動物のみならず人間から直接毛を引っこ抜く鳥たち「毛盗み」 アメリカ、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のマーク・ハウバー教授らの研究グループが調査したところ、直接生きた動物たちから毛を引き抜く「毛盗み」の行為は、6羽の鳥によって11件が報告されていることがわかった。
エボシガラが人間を含む4種の哺乳類から毛をむしっていた例が6件、ミツスイがコアラやヒトの毛を失敬していた例が3件、アカバネテリムクがウシ科のクリップスプリンガーから、アメリカガラスが家畜の牛から毛を抜く例も2件報告されている
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アライグマの毛を引き抜くエボシガラなぜ危険を冒してまで生きた動物の毛を引き抜くのか?「毛盗みのターゲットになる哺乳動物は、たいてい眠っているときにやられますが、起きている間にも抜かれることがあります」ハウバー教授は言う。
鳥は営巣のためにさまざまな材料を使うが、なぜ、これらの鳥は命の危険を冒してまで、哺乳類に近づくのだろう?
盗んだ毛で営巣するメリットのほうが、命を危険にさらすデメリットよりも勝っているからだろうと、ハウバー教授は推測する。
これまで、鳥たちはが動物の毛を採取するのは、巣の中を暖かく保つためだと考えられてきたが、どうやらそれだけではなさそうだ。
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犬の毛を引き抜くアメリカコガラフレッシュな哺乳類の毛のニオイが捕食者を遠ざける可能性 哺乳類のフレッシュな毛がそこにあるだけで、哺乳類のニオイがするため、ヘビやほかの鳥といった捕食者を近寄らせないという利点があるのかもしれない。
「オオヒタキモドキという鳥は、空洞の巣を作り、そこにヘビの皮を突っ込みます。たぶん、恰好の捕食者よけになるからでしょう」とブラウン教授。
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ヘビの皮を巣に入れるオオヒタキモドキ
アフリカに棲むフィンチは、哺乳動物の糞を囲い込んだ巣の上におくという。捕食者を惑わせて、立ち去らせるためと思われている。
さらに、シジュウカラの仲間が作るような、中が空洞になっている巣では、毛があると、ヒナの生存を脅かす寄生虫を撃退できる可能性もあるという。
一羽のアメリカコガラが、人間47人、犬45匹、猫3匹、アライグマ3匹、ヤマアラシ1匹の毛を集めていたケースもあった。
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人間の毛を引き抜くアメリカコガラ
ブラウン教授はこう語る
動物間の予想外のこうした相互関係をみると、彼らが、見過ごされがちなさまざまな興味深い行動をとっていることを改めて認識させられます。この研究論文は『Ecology誌』のオンライン版で発表された。
生態系の複雑さをさらに解明するためには、自然史観察を注意深く行うことの重要性をおしえてくれます
References:Some Birds Pluck Hair Directly from Live Mammals, Scientists Say | Sci-News.com / written by konohazuku / edited by parumo
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