太り過ぎたカエルのダイエット大作戦
 過度の太り過ぎは体に負担をかけるもの。それは人間だけでなく動物も同様で、動けなくなるほどの肥満となれば命にかかわる深刻な事態だ。


 イエアメガエル、カズンも同様の悩みを抱える保護カエルだ。かつてペットだった彼の体重は144グラムもあり、標準の約3倍もの体重に苦しんでいた。

 爬虫類、両生類の保護団体に引き取られたカズンは、食事療法を開始。そのかいあって1年でなんと24グラムもの減量ができたという。

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Obese frog is facing an uphill weight loss battleスタッフも驚愕!144グラムの巨大カエルが保護施設にやってくる 太り過ぎたオスのイエアメガエル「カズン(Cousin)」が飼い主の依頼によりアメリカのノースカロライナ州ダーラムで主に爬虫類や両生類を保護する慈善団体Be Wild Reptileに運び込まれたのは2019年のこと。

 その当時、ひときわ巨大なカズンはなんと144グラムもあった。

 そういわれてもピンと来ないかもしれないが、団体によるとこの種のカエルの標準体重はおよそ40~50グラム。標準を約3倍も上回る深刻な肥満だったのだ。[画像を見る] 飼い主の家を転々としたカズン。年齢は不詳のまま 見た目が珍しいカズンの飼い主は一貫して一人ではなく、少なくとも3度ペットに迎えられたと考えられている。そのため正確な年齢はわからない。ちなみにカエルの平均寿命は15~20年ほどだ。


 なお今回保護を頼んできた直近の元飼い主も、前の飼い主がカズンを手放すと聞き、気の毒に思い引き取ったものの巨体なカズンと先住カエルを一緒に飼うのが困難になり、ここに連れてきたという。食事療法で身軽に。1年で24グラムのダイエットに成功! 着いた当初のカズンは、狭い場所で餌だけ与えられる暮らしが長かったらしく、動く能力自体失っているようだった。また薬の投与が必要な慢性疾患も判明した。

 それを見かねたスタッフたちはカズンが少しでも身軽になるよう食事療法を始めた。それから1年。幸いなことに減量はある程度うまくいき、体重は約120グラムにまで減った。

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 伸びた皮膚はさておき、体の負担はだいぶ減ったことだろう。大きな体の下敷きになってた手足も見えるようになり、重そうだった頭も上がってずっと生き生きしているようだ。[画像を見る] 野生では生きられないカズン。今後はPRキャラとして活躍!? ただ悲しいことに獣医によると、カズンが体重過多で患った身体的な障害、例えば曲がってしまった四肢などは治る見込みがないという。

 その理由はいくつかあるが、最も大きいのは今までのカルシウム不足によるもので、正常に戻る可能性が低いそうだ。


 つまり本来の習性である木登りやジャンプができない上に、長きにわたる幽閉生活で活発に動く力も欠いているため、生まれ故郷であろうインドネシアに帰しても生きていけないのだ。

 ペットを大切に想う飼い主なら多少なりとも体重にも気を配るはず。しかし中には珍しい個体を所有したいだけの心ない飼い主もいるのだろう。

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 それでも、ここにやってくる一匹一匹の救命に尽力するスタッフは、減量前よりはるかに快適そうなカズンに癒されていて、愛嬌あるカズンを広報キャラに推す計画も立てている。

 思いやりある人々に助けられ、大切にお世話されることになったカズン。これからは少しでものびのび楽しく暮らせますように。

References:neatorama / laughingsquidなど /written by D/ edited by parumo

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