
この鳥はアメリカやカナダに生息し、メキシコで越冬する渡り鳥、「キガシラムクドリモドキ」で、落下後100羽近くが死んでいたという。
鳥の大群が謎の落下で大量死 2月7日、メキシコのクァウテモック市の街頭に設置された監視カメラが、奇妙な光景を捉えた。突然、空から黒い塊が落下したのだ。Dozens of birds mysteriously died today in small town in Chihuahua, Mexico. pic.twitter.com/KUIDXGcgg4
— Drebonacci (@andre_mihaescu) February 11, 2022
それは、キガシラムクドリモドキという鳥の数百羽の大群で、アメリカやカナダに生息し、メキシコで越冬する渡り鳥なのだが、一斉に地面に急降下し、100羽近くが死んだことが明らかになった。
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いったい何が起きたのか? いったい何がおきていたのだろう?地震や嵐など自然による影響はなかった。
地元の獣医師は、「暖房器具や農薬などから発生した有毒なガスを吸い込んだか、送電線で休んでいる間に感電した可能性がある」と推測した。
一方で、英国水文学研究所の生態学者リチャード・ブロートン博士は、映像では見えなかったものの、キガシラムクドリモドキの捕食者となるハヤブサやタカなどの猛禽類が原因である可能性が非常に高いと述べている。
捕食者が、鳥たちをしっかり密集させた後、地面に向かって追いやった可能性があり、その結果、急降下して地面に衝突したのではないかというのだ。
この可能性には英マンチェスターメトロポリタン大学保全生物学上級講師アレクサンダー・リーズ博士も同意している。
この映像を見る限りでは、毒物によるものとは考えられません。猛禽類を避ける為、低空を飛び、更に追い込まれて地面に落下したというのが、最も高い可能性だと考えられます。
群れをつくる鳥たちは、危機を察知した場合、同じ方向に回避するという本能行動があります。鳥同士の衝突を避けるため、隣同士の鳥の動きを追って方向転換します。そのため、このような出来事が発生することがあるのです
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WARNING: GRAPHIC CONTENT - Flock of birds drop dead in Mexico
過去にカラパイアでも取り上げたが、2019年12月のアングルシー島での225羽のムクドリの死は、当時様々な憶測が飛び交い原因不明とされていたが、その後の調査では、鳥が敵の鳥に追われて逃げきれず、地面に墜落してしまったことが原因であることが判明している。
Twitter上では様々な陰謀説が出ていたようだが、キガシラムクドリモドキの群れは天敵である捕食者たちに追われていた可能性が最も高そうだ。
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キガシラムクドリモドキ photo by iStock
References:Why did birds fall from sky in Mexico? Probably a predator, experts say / written by Scarlet / edited by parumo
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