廃墟となった水族館に置き去りにされ、ミイラ化したサメやダイオウイカ
 スペインの廃墟となった水族館に足を踏み入れた都市探検家は驚くべきものを目にした。そこには当時展示されていた生物たちが置き去りになっていたのだ。


 ミイラ化したサメ、床に放置されたダイオウイカなど、館内はホラー映画のワンシーンを見ているかのような、不気味な光景が広がっていたのだ。

スペインの廃墟水族館 この不気味な映像は、自然災害により放棄されたスペインの水族館のもので、都市探検家の「Juj' Urbex」に撮影され、YouTubeやTikTokに投稿された。

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Ce requin est mort ici ?!! | URBEX

 ライトで照らされた展示ケースの中から、小さなリーフシャークの腐った死骸が何かを訴えるかのようにこちらを見つめている。

 ケースの大きさから推測すると、そこに展示されていたのは最初から死んだサメの標本だったようだ。

 死骸は薬品で防腐処理されていたのだろうが、ガラスが割れたことで薬品が流れ、腐敗が進んでゾンビのような姿になったのだと考えられる。

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 水族館が被災したとき、まだ生きていた動物は別の水族館に移送された。だが、もともと死体であるサメの標本は優先順位が低く、そのまま置き去りにされたのだとJuj’ Urbexは推測している。

 動画で干からびたサメの死骸を目にした彼女は、「サメがとても哀れだ」と感想を述べている。タコやイカの標本、ダイオウイカのレプリカも 水族館の廃墟では、ほかにも腐敗したタコやイカなどの死骸が発見されている。

 ミイラ化したサメと同様、こうした生き物ももともとホルマリン漬けの標本だったが、容器が壊れたことで腐敗してしまったようだ。

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 またヒトデが2匹見つかっているが、こちらに腐った形跡はなかった。おそらくは展示された時点で完全に乾いていたのだろう。


 巨大なダイオウイカを模した、本物と見紛うばかりの発泡スチロール製レプリカも見つかった。往時は天井から吊るされていたようだが、現在は床に落ちてしまっている。

 以前は本物のダイオウイカの標本が展示されていたらしいが、それは水族館が閉鎖されたときに撤去されたのだという。

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 ショートバージョンはTikTokで見ることができる。
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大波で被災したスペインの水族館 トラブルを避けるため、この水族館廃墟の具体的な場所は明かされていない。廃墟とはいえ、許可なく入れば不法侵入に当たる恐れがある。

 動画の説明では、スペインの某所で、2014年に13メートルの大波に襲われ、閉館になった水族館だという。

 スペインの地元メディア「The Local」は、2014年1月にスペイン北西沿岸部が大波に襲われ、甚大な被害が出たと伝えている。どうやら水族館もその辺りにあったようだ。

 ちなみに2018年、オーストラリアでも放棄されたサメが発見されている。都市探検家のルーク・マクファーソン氏が閉鎖された「ワイルドライフ・ワンダーランドパーク」で発見した全長5メートルのホホジロザメの死骸で、巨大な水槽にホルマリン漬けにされていた。

 このサメはロージーという愛称で親しまれており、現在は「クリスタルワールドと先史時代博覧会」に移送され、展示されているとのことだ。


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References:Haunting images of 'zombie' shark and other decaying aquarium animals revealed in eerie footage | Live Science / written by hiroching / edited by parumo

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