世界で100人だけ髪の毛が逆立ってしまう「櫛でとかせない頭髪症候群」の男の子
image credit:uncombable_locks/Instagram

 朝、起きたら髪がボサボサでとかすのに一苦労…なんていう場合でも、大抵は水でぬらして櫛を入れればなんとか収まりがつく。

 だが、アメリカ・ジョージア州に家族と住む男の子は、髪が常に逆立っていて、どんなにとかしても、ライオンのたてがみのようになってしまう。


 実はこの男の子、世界で100例ほどしか報告されていない「櫛でとかせない頭髪症候群(Uncombable Hair Syndrome:UHS)」なのだという。もしかしたら彼はスーパーサイヤ人なのかもしれない。

櫛でとかせない頭髪症候群を持つ男の子 ジョージア州アトランタに住む2時の母ケイトリン・サンプルズさん(33歳)の次男ロックラン君(1歳4か月)は、外を歩くたび、そのユニークなヘアスタイルで注目を集めている。

 ロックラン君は、世界で100例ほどの報告例しかない非常に珍しい「櫛でとかせない頭髪症候群(Uncombable Hair Syndrome:UHS)」だ。

 だが、ケイトリンさんがそれに気付いたのはロックラン君が生まれてしばらくしてからのことだったという。[画像を見る]  この症候群の発生メカニズムは完全には解明されていないが、2016年の研究論文によると、両親から受け継いだ、毛幹のタンパク質を作る遺伝子が関与していて、原因と見られる3つの遺伝子の突然変異があるという。

 髪の毛が逆立つ以外に問題はなく、生後3カ月~12歳の間に発症し、通常は成長するにつれて改善していくそうだ。

 髪の色は、金色や銀色が多く、通常よりも伸びる速度が遅いことも多い。[画像を見る]
生まれてすぐの時は、ロックランには黒い毛が生えていました。でもそれが全部抜け落ちて、生後5か月頃からはプラチナブロンド色の髪が生え始めて逆毛だったんです。(ケイトリンさん)
 その髪質は、まるで綿毛のように柔らかかったにもかかわらず、ちゃんととかすことができないだけでなく、伸びると逆毛が一層広がった。[画像を見る]  ケイトリンさんは、UHSについて知らなかった。
しかし、息子の姿をシェアしたSNSアカウントで見知らぬユーザーから指摘され、初めてロックラン君を検査に連れて行ったという。
2021年夏に、インスタグラムに「あなたの息子さんはもしかしてUHSではないかしら」とメッセージを貰って、アトランタの小児皮膚科の専門医に息子の髪のサンプルを検査してもらったところ、UHSと診断されました。
 担当した医師は、「非常に珍しいケースで、過去19年でも1人しか症例がなかった」と話したそうだ。[画像を見る] ユニークなヘアスタイルが周りを笑顔に 長男のシェファード君(3歳)は、ロックラン君と同じ髪の色をしているが、まっすぐな髪質で、家族の誰も逆毛ではない。

 両親もUHSに関与する突然変異遺伝子を持っているが、たまたまロックラン君にだけ発現したのだろう。[画像を見る]  ケイトリンさんいわく、頭皮に油分が溜まらず目に見えて髪が汚れないため、シャンプーはほとんど必要ないそうだ。

 ふわふわの綿毛のようなユニークなヘアスタイルのロックラン君は、外に出ると必ずと言っていいほど声をかけられるという。
知らない人たちから注目を集め、「わぁ、触ってもいい?」とよく尋ねられます。息子はこのユニークなヘアスタイルで、どこへ行っても周りの人に笑顔をもたらしていますよ。(ケイトリンさん)
[画像を見る]  一家は、インスタグラムアカウント『uncombable_locks』でもロックラン君の日常をシェアしており、ユーザーらからは「とってもキュート!」「ほんとにフワフワ!!」「ロックラン君の笑顔見たら、こちらも笑顔になるね」などと言った声が寄せられている。

written by Scarlet / edited by parumo

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