終末を生き残るための豪華なシェルターマンション「サバイバル・コンドミニアム」が分譲中
image credit:Survival Condo

 昔から繰り返し世界の滅亡が予言されては、何事もなく予言の日が過ぎ去っていった。だがコロナ禍と戦争、更には気候変動のトリプルパンチのおかげで、ついにその時が間近に迫っていると考えざるを得なくなってきた。


 たとえ終末がやって来ようとも、たくましく生き抜こうとする人たちがいる。そうした人たちはXデーへ向けた準備に余念がない。

 「サバイバル・コンドミニアム」は元核ミサイル格納庫を改装した豪華なシェルターマンションで、お値段はなんと2億から5億6000万円まで。現在アメリカで分譲販売中だ。

核ミサイル格納庫を改装した豪華シェルターマンション アメリカカンザス州ウィチタ北部の極秘の場所にある「サバイバル・コンドミニアム」は、世界滅亡を生き延びるための設備が完備がされた豪華分譲マンションだ。

 冷戦期は米軍のミサイル格納庫だったが、2007年に現在の所有者のラリー・ホール氏が30万ドル(当時の為替で約3600万円)で購入。

 さらに2000万ドル(24億円)を投じて、12世帯とペットが暮らせる豪華マンションに作り替えたのだ。

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What's inside a Luxury Doomsday Bunker?鉄壁の防御と自給自足システムを完備 最大270センチの厚みがある壁に囲まれた地下15階建てのシェルター型マンションは、自給自足を前提に設計されている。

 水と電気が完備され、屋内で野菜の栽培や魚の養殖をすることもできる。仮に世界が火山の噴火で滅亡したのだとしても、火山灰を除去するためのシステムがあるので、換気ができず窒息するようなことはない。

 おかげで外部から隔絶された状態で、75人が5年間生活することができる。

 なお新型コロナウイルスが世界を席巻した後で、核・生物・化学物質に汚染された空気を濾過するフィルターも取り付けられたが、感染者や汚染物と既に接触していた場合は、ウイルスへの感染予防は保証できないとウェブサイトには記載されている。


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終末にあっても日常を味わえる豪華設備 シェルター型マンションは滅亡後の世界を生き抜くことが目的だが、入居者は贅沢を禁じられているわけではない。

 事実、ウォータースライダー付きのプール、映画館、図書館、ジム、バー、ドッグラン、ボルダリング用の壁、ゲームセンターといった娯楽設備が用意されているのだ。

おかげで住人たちは、太陽の光が届かない地下暮らしを送りながらも、失われた日常を味わうことができる。

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 太陽の光といえば、各部屋にはリモコン操作式の人工窓が取り付けられており、外の風景を楽しむことができる。

 ただし建物は地下にあるので、あくまでディスプレイに映される映像だ。だが、単なる飾りではない。

 ここのオーナーであるホール氏はここに1ヶ月間滞在し、地下生活をシミュレーションしている。そのときに味わった孤独は、時間がわからなくなることが大きな要因だったという。

 そこでLED窓で昼と夜の自然のサイクルをシミュレートし、住人の体内時計がきちんと保たれる工夫をしたのだ。

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心理学者の助言で更なる快適な空間に 興味深いのは、リフォームの際に雇われた心理学者の助言だ。

 その人物は設計図を目にして、ディストピア的な倉庫ではなく、買い物カートが完備されたスーパーを作るようホール氏に説いた。

 段ボールに詰められた備品を探し回って、住人の気が滅入るのを防ぐためだ。
こうしてサバイバル・コンドの貯蔵スペースは、米国の有名スーパーを彷彿とさせるデザインになっている。

 またトイレは日本式のウォッシュレットで、トイレットペーパーなしで用を足せる。これは貯蔵スペースを節約するための工夫でもある。

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お高いのにすでに完売 もちろん、ここで暮らすにはそれ相応の対価を支払わねばならない。

 ハーフフロア・タイプは150万ドル(現在の為替で約1億9000万円)、フルフロア・タイプは300万ドル(3億8000万円)、2階建てのペントハウス・タイプは450万ドル(5億6000万円)だ。

 更に住民は、協会費として毎月5,000米ドル(約63万円)を支払わなければならない。

 にもかかわらずサバイバル・コンドミニアムは、分譲開始されてすぐに、すべての住戸が購入予約されたという。

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サバイバル用の武器も完備 とは言え結局のところ、ここは生き残りをかけて戦う人たちの巣窟である。

 ホール氏によると、施設内には223口径の遠隔操作式ライフルが装備されており、住民は侵入者や敵を「テレビゲーム」のように傷つたり殺すことができると明かしている。

 確かに、ライフルが置いてあるコントロールルームにはジョイスティックがある。

 ただし、人の命を奪うことに抵抗がある人には、ペイントボールを投げて警告するなど、非殺傷的アクションをとることもできるそうだ。

References:Survival Condo / Luxury ‘Doomsday Condo’ Keeps You Comfy Through An Apocalypse For $3M - DesignTAXI.com / written by hiroching / edited by / parumo

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