
アメリカではこれまで、死刑執行法として薬物注射による「薬殺刑」が行われていたが、薬物が入手困難となり、死刑が延期になる事例が相次いでいた。
その代替え策として、サウスカロライナ州では、昨年、死刑囚に銃殺刑か電気椅子のどちらかを選択させる法案が可決された。
同州で、今月末に死刑執行予定の死刑囚が、つい最近その選択を行った電気椅子ではなく銃殺刑を選んだという。
銃殺刑を選択した死刑囚 4月15日、サウスカロライナ州の最高裁判所は、死刑囚リチャード・バーナード・ムーア(57歳)が、29日に実施予定の自身の死刑において、電気椅子ではなく銃殺刑を選択したことを明らかにした。
サウスカロライナ州では、昨年可決された法案により、死刑囚自身が、電気椅子か銃殺刑かどちらかの選択することとなった。
ムーアはライフル銃を持った刑務所内の銃殺隊3人により銃殺されることを選んだという。
実は、ムーアは2020年に薬殺刑で処刑される予定だった。ところが、当局が死刑執行に必要な薬剤を確保することができなかったため、死刑が延期になっていた。
今回、ムーアの弁護士は州の最高裁判所に彼の処刑を延期し、死刑の合法性を検討するよう要請した。
メディアの取材に対し、弁護士は次のように述べている。
[動画を見る]
South Carolina inmate picks firing squad over electric chair1999年にスーパーの店員を殺害した罪で死刑判決 ムーアは、1999年9月16日にNikki’s Speedy Mart(ニッキーズ・スピーディー・マート)というスーパーに強盗に押し入った。
店員だったジェイムズ・マホニーさんと乱闘になった末、ジェイムズさんを銃で殺害し、有罪判決を受けた。
当時の取り調べで、ムーアはジェイムズさんを撃ったのは自己防衛による攻撃のためだと主張。しかしその後、ムーアには死刑判決が下された。
これに対し、弁護士側はムーアの有罪判決は死刑を正当化するものではなく、他の同様の犯罪と比較して不釣り合いな判決だと主張し続けてきた。
結局、ムーアは数十年にわたり死刑囚監房に収容されていたが、ついに今月末、死刑執行となるようだ。薬殺刑の薬不足で処刑待ちの死刑囚が34人 サウスカロライナ州では、薬殺刑のための薬不足のため、10年間囚人は処刑されていない。今もムーアを除く34人の死刑囚が州の死刑囚監房に収容されているという。
ちなみに、サウスカロライナ州は現在も電気椅子での処刑を実施している8州のうちの1つで、銃殺刑においては全米で許可されているのは4州のみ。サウスカロライナ州はそのうちの1州になる。
ムーアの銃殺刑が実施されれば、2010年に行われたユタ州での銃殺刑以来12年ぶりとなり、1976年に銃殺刑が開始されて以来、4人目のアメリカ人になるということだ。
References:SC death row inmate Richard Moore chooses firing squad/ written by Scarlet / edited by / parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
その代替え策として、サウスカロライナ州では、昨年、死刑囚に銃殺刑か電気椅子のどちらかを選択させる法案が可決された。
同州で、今月末に死刑執行予定の死刑囚が、つい最近その選択を行った電気椅子ではなく銃殺刑を選んだという。
銃殺刑を選択した死刑囚 4月15日、サウスカロライナ州の最高裁判所は、死刑囚リチャード・バーナード・ムーア(57歳)が、29日に実施予定の自身の死刑において、電気椅子ではなく銃殺刑を選択したことを明らかにした。
サウスカロライナ州では、昨年可決された法案により、死刑囚自身が、電気椅子か銃殺刑かどちらかの選択することとなった。
ムーアはライフル銃を持った刑務所内の銃殺隊3人により銃殺されることを選んだという。
実は、ムーアは2020年に薬殺刑で処刑される予定だった。ところが、当局が死刑執行に必要な薬剤を確保することができなかったため、死刑が延期になっていた。
今回、ムーアの弁護士は州の最高裁判所に彼の処刑を延期し、死刑の合法性を検討するよう要請した。
メディアの取材に対し、弁護士は次のように述べている。
本人に電気椅子か銃殺刑かを選択させるというのは、異常なことです。サウスカロライナ州は、薬物刑に必要な致命的となる薬を入手するための十分な努力をしていません。
[動画を見る]
South Carolina inmate picks firing squad over electric chair1999年にスーパーの店員を殺害した罪で死刑判決 ムーアは、1999年9月16日にNikki’s Speedy Mart(ニッキーズ・スピーディー・マート)というスーパーに強盗に押し入った。
店員だったジェイムズ・マホニーさんと乱闘になった末、ジェイムズさんを銃で殺害し、有罪判決を受けた。
当時の取り調べで、ムーアはジェイムズさんを撃ったのは自己防衛による攻撃のためだと主張。しかしその後、ムーアには死刑判決が下された。
これに対し、弁護士側はムーアの有罪判決は死刑を正当化するものではなく、他の同様の犯罪と比較して不釣り合いな判決だと主張し続けてきた。
結局、ムーアは数十年にわたり死刑囚監房に収容されていたが、ついに今月末、死刑執行となるようだ。薬殺刑の薬不足で処刑待ちの死刑囚が34人 サウスカロライナ州では、薬殺刑のための薬不足のため、10年間囚人は処刑されていない。今もムーアを除く34人の死刑囚が州の死刑囚監房に収容されているという。
ちなみに、サウスカロライナ州は現在も電気椅子での処刑を実施している8州のうちの1つで、銃殺刑においては全米で許可されているのは4州のみ。サウスカロライナ州はそのうちの1州になる。
ムーアの銃殺刑が実施されれば、2010年に行われたユタ州での銃殺刑以来12年ぶりとなり、1976年に銃殺刑が開始されて以来、4人目のアメリカ人になるということだ。
References:SC death row inmate Richard Moore chooses firing squad/ written by Scarlet / edited by / parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
編集部おすすめ