トルコで世界最大級の古代地下都市を発見。収容人数は7万人
 トルコで、世界最大級の巨大な古代地下都市が発見された。紀元2世紀頃に建造されたものとみられており、まだ、全体の3%しか発掘されていないが、6~7万人が収容できるほどの広さだ。


 多数の部屋、トンネル、通路、遺物などが見つかっており、古代ローマ時代、迫害されていたキリスト教信者の避難所として使用されていた可能性があるという。 

世界最大級の古代地下都市を偶然発見 今回の発見があったのは、ユネスコの世界遺産にも登録されている、歴史と文化の宝庫、トルコのマルディンにあるミドヤト地区。

 "洞窟の街" という意味のマティアテと呼ばれているこの地下都市は、ミドヤト地区の歴史的な通りや家を清掃、保全しているときに偶然に発見された。作業員が洞窟内を清掃しているときに、通路があるのを見つけたという。

発掘調査をしてみると、たくさんの部屋や、部屋同士を結ぶトンネル、遺物や壁画が見つかった。

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発見されたトルコ、マルディンのミドヤト地区の地下都市 / image credit:Anadolu Agency古代地下都市、マティアテは避難所だった これまで49の部屋が発見されており、礼拝堂や井戸、貯蔵のためのサイロ、たくさんの廊下やトンネルが確認されている。

 しかしこれらはまだ、この地下都市全体のたった3%にすぎないという。

「この地下都市は、1900年もの間、ずっと使われていました」こう語るのは、マルディン博物館長で、マティアテの発掘責任者のガニ・タルカン氏。
そもそもここは、身を隠す避難所として作られたのです。西暦2世紀当時、キリスト教は公式な宗教ではなく、ローマの迫害を逃れるために、信者は地下に逃げ込んで地下都市を形成したのでしょう。

ミドヤトの地下都市は、おそらくそうした目的のための生活空間のひとつだったのです。ここでは少なくとも6万から7万人の人たちが暮らすことができたと思われます


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歴史の宝庫 ミドヤト地区 マルディンにあるミドヤト地区は、トルコ南東部の石灰岩台地の中央に位置していて、80の村、100以上の教会、70の修道院がある田園風景が広がる場所だ。


 この地域は、アッシリア時代から人が定住していたが、ミタンニ、アッシリア、アラム、アルメニア、メディア、ペルシャ、ギリシャ、ローマ、ビザンチン、アッバース、セジューク、オスマントルコなど、さまざまな多くの帝国に支配されてきた。

 それぞれの新しい文明は、前の文明を基礎として発展した。町も帝国も信仰も、多様な歴史に翻弄されながら栄えては、衰退していったが、まだまだいくつもの秘密が隠されていそうだ。

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トルコには40以上の古代地下都市が存在する トルコで地下洞窟網が発見されるのは、珍しいことではないが、これだけの規模のものは確かにない。専門家は、マティアテは史上最大の地下都市といっていいだろうとしている。

 トルコではすでに40以上の複雑な地下都市が発見されていることを考えれは、これは驚くべき主張だ。

 例えば、カッパドキアにあるデリンクユは、深さ80メートル、8層にもなる地下都市だ。

 換気シャフト、井戸、水のタンク、厩舎、アパート、集会所、墓地が完備され、内側からしか開けられない重さおよそ450キロの石の扉で保護されている。

 各層は互いに行き来できるが、それぞれ独立している。地上の町に出る出入り口は600以上あり、ほとんどはわからないようになっている。

 ガニ・タルカン氏は、今回の発見はほかの地下都市をしのぐと考えている。
すべてが明らかになったら、世界に衝撃を与えるでしょう。
これほど大規模な地下都市はほかにはありません。アナトリア(トルコ)のミドヤトの地下都市は、世界で唯一の存在になると思います


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Massive underground city discovered in Turkiye’s Mardin province
References:Enormous Underground City Discovered in Turkey | Ancient Origins/ written by konohazuku / edited by / parumo

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