戻って来た!絶滅したはずのカワウソが発見され証拠映像がとらえられる
 アメリカのミシガン州デトロイトで100年以上前に姿を消したとされていたカワウソが、デトロイト川に出現した。

 専門家によると、流域の状態が改善されたことで再導入されたカワウソが広範囲にわたり増殖し、デトロイト川に戻って来たようだ。


 これまで、目撃談はあったものの写真や映像などの証拠がなかったが、今回初めてその映像が捉えられたという。

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Otter spotted in the Detroit River!!!デトロイト川に絶滅したはずのカワウソが現れる 4月25日の朝、ウィンザー大学で統合生物学部の博士課程に所属するエリック・ステ・マリーさんは、長い一日の研究の始まりの前にデトロイト川沿いを散歩していた。

 その時、川の水面から何か動物の頭のようなものが飛び出たのを見た。興味をそそられたエリックさんは、アンバサダー橋の下の桟橋の端まで駆け寄り、目を凝らしてみたところ、なんとカワウソが泳いでいるのを目撃し、驚いた。

 専門家によると、100年以上前の昔、デトロイト川のあるミシガン州南東部ではカワウソは一般的によく見られていたという。

 しかし、ヨーロッパの探検家や毛皮商人による毛皮貿易によってその数は激減してしまう。

 当時はビーバーと共にカワウソの毛皮は需要が高く、カワウソは1900年代初めにはデトロイト川から絶滅したとされていた。

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再導入により個体数が増加 1986年、ミシガン州の隣にあるオハイオ州自然資源局が州東部の高水質の河川や小川にカワウソの再導入を開始したところ、種は再増殖して西へ広がった。

 その後、オハイオ州西部とオタワ国立野生生物保護区の近くで生息が確認された。その後、2019年にはカナダ、オンタリオ州のポイントペリー国立公園のエリー湖西部で1918年以来初めてとされるその姿が目撃された。

 デトロイト川のカワウソは、これまで住民から「見た」という目撃談は寄せられていたものの、写真や映像などの証拠がなかった。

 しかし、4月25日にエリックさんに発見・撮影されたのは、まぎれもないカワウソの姿であることが確認された。


 デトロイト動物園の哺乳類学芸員エリザベス・アーボーさんは、このように述べている。
100年以上不在だった川に、カワウソがまた姿を見せたということは、流域の状態が改善されたことを示す有望な兆候であり、非常に喜ぶべきことです。
 またエリックさんは、「地元住民として、デトロイト川の生態系が回復し、カワウソの目撃がより一般的になることを期待しています」と話している。

References:River otters return to the Detroit River – Great Lakes Now/ written by Scarlet / edited by / parumo

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