徳川の埋蔵金のコロンビア版か?12兆3000億円相当の財宝をつんだ18世紀の沈没船の映像が公開される
 日本でいう所の江戸時代、18世紀初めにスペイン王位の継承者を巡ってヨーロッパ諸国では戦争が起きていた。「スペイン継承戦争(1701年 - 1714年)」である。


 この戦争により、1708年にイギリス海軍に攻撃されたスペイン王室の帆船「サンホセ号」は、コロンビアのカリブ海、カルタヘナ沖に沈んでいった。

 この船には、金、銀、エメラルドなどの200トンもの財宝が積み込まれていたとされており、総額は2兆2000億円を超えると言われている。

 3世紀近く行方不明だった船だが、2015年にコロンビア海軍が発見した。今回新たに、水深950mに沈むサンホセ号の積み荷部分の映像が公開された。 

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Shipwreck Holy Grail: Two Ships Found Near Spanish Galleon Full Of Gold Worth $17 Billion沈没船と共に沈んだ財宝 「サンホセ号」が沈んでいる正確な場所は明らかにされていないが、イバン・ドゥケ大統領が6月6日の記者会見で公開した未公開映像は、沈没船の積み荷の部分で、陶器・金貨・刀剣・大砲といった財宝を確認することができる。

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サンホセ号で発見された金貨/Armada de Colombia

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大量の陶器も発見/Armada de Colombia

 大統領によると、映像を公開する狙いは、「将来的な回収資金の持続的な調達」のためであるとのこと。こうした資金は世界的遺産であるサンホセ号の保全にも役立てられるという。

 映像は、最新の遠隔操作機器を使って1000メートルの海底に眠る沈没船を撮影したもの。そこからはいくつかの発見もなされている。

 たとえば大砲には銘文が彫られており、1655年にスペインのセビリア地方カディスで製造されたことがわかったという。

 金貨がハンマーで叩いて作られたものであることも判明。これは当時の硬貨としては典型的な鋳造法であるとのことだ。


 さらにサンホセ号の近くに、2隻の沈没船が見つかったという。植民地時代の船とスクーナー(帆船の一種)で、1800年代のものだと考えられている。

 同様の沈没船が他にもまだ十数隻あり、今後もコロンビアの海軍が調査する予定だそうだ。

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海底で眠る大砲。その銘文から生産地も判明している/Armada de Colombiaこの財宝は誰のものになるのか? なおサンホセ号は発見以来、法廷闘争の渦中にある。

 コロンビア政府は、水中文化財法に基づき、コロンビア領海で発見された遺物は同国に属するとして、サンホセ号の所有権を主張。

 その一方でスペインもまた、UNESCOの水中文化遺産保護条約を引き合いに、船は自国のものだと主張している。

 さらに状況を複雑にしているのが、財宝の多くが南米諸国から略奪されたものである可能性があることだ。もしそのことが明らかになれば、そうした国々も財宝の所有権を主張してくる可能性がある。

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Declaracion del Presidente Ivan Duque sobre el galeon San Jose - 6 de junio de 2022
References:18th-Century Spanish Shipwreck Has $17 Billion Worth of Coins And Gems Aboard / written by hiroching / edited by / parumo

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