
フリーランス(フリーランサー)という言葉は、会社や団体などに所属せず、仕事に応じて自由契約する人のことを意味し、今でこそ良く使われている言葉だが、その語源についてはほとんど知られていない。
だが実際は、フリーランスはかなり昔から存在していた言葉だ。
これは、12世紀のイギリスを舞台にした長編冒険恋愛小説で、1820年に出版され、騎士道ロマンスへの憧れや、中世全般への関心が高まり、ベストセラーとなった。
この小説が残したものはそれだけではない。小説の中で、ある傭兵が報酬をもらって戦う戦闘集団のことを"フリーランス(自由な槍)"と呼んでいるのだ。
中世の政治的義務から自由だった傭兵 ウォルター スコットの小説「アイヴァンホー」に出て来る傭兵団のリーダー、モーリス・ド・ブレシーはこう言う。
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百年戦争で、フリーランスの傭兵団に撃破されるフランス軍 / image credit:public domain/wikimedia傭兵はフリーランスの起源「世界で二番目に古い職業」である傭兵は、歴史を通して戦争の現実を表わしていた。彼らは個人で報酬を得て戦うプロの戦争請負人だ。
傭兵に関するもっとも古い記述は、紀元前2500年ごろに、古代エジプトのテル・エル・アマルナで発見された「アマルナ文書」に出てくる。
ギリシャの傭兵は歴史書に頻繁に登場し、後期ローマ帝国はビザンチン帝国を守るために、蛮族集団と契約したという。
ビザンチン帝国のアンドロニコス2世は、カタロニア大傭兵団を雇って、侵略してきたオスマントルコを撃退したことで有名だ。
10世紀の皇帝バシレイオス2世は、ヴァイキングの傭兵で構成されたヴァリャーギ親衛隊を個人的な護衛として雇っていた。
中世イングランドでは、ウィリアム征服王がフランドル人などフリーランスの傭兵を使っていた。12世紀には、百年戦争などの戦いで、ヨーロッパ各地で傭兵の軍団が使われるようになっていた。
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ビザンチン帝国の中世の傭兵 / image credit:public domain/wikimediaフリーランスは他の文脈でも使用されるように フリーランスと言う用語が誕生したのは、1820年の小説からだが、フリーランスの傭兵は歴史を通じて戦場で活躍していた。
フリーランス(自由な槍)というこの豊かな表現は、大衆の想像力をかきたて、まもなく、ほかの文脈でも使われるようになった。
1860年代末には、フリーランスは比喩的な名詞として使われるようになり、1903年版のオックスフォード英語大辞典では、動詞としてもとりあげられている。
作家のP・G・ウッドハウスは、1926年の『The Inferiority Complex of Old Sippy』の中で、給料をもらっている編集者の憂鬱な生活と比べて、作家の気ままな生活を表現するのに、「フリーランス」という言葉を使っている。
現代のフリーランスは、あまり法的な保護がないために、搾取されているという批判もあるが、自
分の都合に合わせて働く自由さという意味で、スコットの「フリーランス」の傭兵の隠喩として使われることもあるようだ。
References:The Word ‘Freelancer’ Originates with Medieval Mercenaries | Ancient Origins / written by konohazuku / edited by / parumo
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だが実際は、フリーランスはかなり昔から存在していた言葉だ。
この言葉は、スコットランドの作家ウォールター・スコットの小説『アイヴァンホー』が起源と言われている。
これは、12世紀のイギリスを舞台にした長編冒険恋愛小説で、1820年に出版され、騎士道ロマンスへの憧れや、中世全般への関心が高まり、ベストセラーとなった。
この小説が残したものはそれだけではない。小説の中で、ある傭兵が報酬をもらって戦う戦闘集団のことを"フリーランス(自由な槍)"と呼んでいるのだ。
中世の政治的義務から自由だった傭兵 ウォルター スコットの小説「アイヴァンホー」に出て来る傭兵団のリーダー、モーリス・ド・ブレシーはこう言う。
私はリチャードに自由な槍(フリーランス)のサービスを提供したが、彼はそれを拒絶した。これが、兵士の槍が"自由"であることを示していて、政治的な忠誠の義務から彼が自由であることを表わす言葉だった。
彼らをハルへ導き、船を奪って、フランドルに向けて乗り出すつもりだ。活気ある時代のおかげで、行動的な者ならいつでも職が見つかる
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百年戦争で、フリーランスの傭兵団に撃破されるフランス軍 / image credit:public domain/wikimedia傭兵はフリーランスの起源「世界で二番目に古い職業」である傭兵は、歴史を通して戦争の現実を表わしていた。彼らは個人で報酬を得て戦うプロの戦争請負人だ。
傭兵に関するもっとも古い記述は、紀元前2500年ごろに、古代エジプトのテル・エル・アマルナで発見された「アマルナ文書」に出てくる。
ギリシャの傭兵は歴史書に頻繁に登場し、後期ローマ帝国はビザンチン帝国を守るために、蛮族集団と契約したという。
ビザンチン帝国のアンドロニコス2世は、カタロニア大傭兵団を雇って、侵略してきたオスマントルコを撃退したことで有名だ。
10世紀の皇帝バシレイオス2世は、ヴァイキングの傭兵で構成されたヴァリャーギ親衛隊を個人的な護衛として雇っていた。
中世イングランドでは、ウィリアム征服王がフランドル人などフリーランスの傭兵を使っていた。12世紀には、百年戦争などの戦いで、ヨーロッパ各地で傭兵の軍団が使われるようになっていた。
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ビザンチン帝国の中世の傭兵 / image credit:public domain/wikimediaフリーランスは他の文脈でも使用されるように フリーランスと言う用語が誕生したのは、1820年の小説からだが、フリーランスの傭兵は歴史を通じて戦場で活躍していた。
フリーランス(自由な槍)というこの豊かな表現は、大衆の想像力をかきたて、まもなく、ほかの文脈でも使われるようになった。
1860年代末には、フリーランスは比喩的な名詞として使われるようになり、1903年版のオックスフォード英語大辞典では、動詞としてもとりあげられている。
作家のP・G・ウッドハウスは、1926年の『The Inferiority Complex of Old Sippy』の中で、給料をもらっている編集者の憂鬱な生活と比べて、作家の気ままな生活を表現するのに、「フリーランス」という言葉を使っている。
現代のフリーランスは、あまり法的な保護がないために、搾取されているという批判もあるが、自
分の都合に合わせて働く自由さという意味で、スコットの「フリーランス」の傭兵の隠喩として使われることもあるようだ。
References:The Word ‘Freelancer’ Originates with Medieval Mercenaries | Ancient Origins / written by konohazuku / edited by / parumo
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