植物たちはオイラが守る!植物の安全や健康状態をチェックする犬型ロボットが登場
 森林などの環境保全のお仕事は気が抜けない。そこが安全で動きやすい場所ならラッキーだが、難所なら調査もしにくく、自生する植物が激減したり外来生物に荒らされたりする。


 そんな状況にイタリアの研究チームが、自律移動が得意な犬型の四足歩行ロボット「ANYmal」を起用、あらゆる場所に対応する環境調査員として働いてもらうプロジェクトを立ち上げた。

 ロボットは、植物学者の助っ人として現地に赴き、巡回監視や健康状態をチェックをしてくれる。

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This Robot Tracks Plants and Animals植物の健康状態もチェックできる4足歩行ロボットANYmal ANYmalはスイス連邦工科大学チューリッヒ校が開発した犬型の4足歩行ロボットは、植物の保全活動のため、モニター機能の他に植物の健康状態をチェックするよう特別にプログラムされている。

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 搭載のセンサーとカメラで木の高さや幹の直径なども測定でき、特定の植物の様子を観察して記録できるのだ。

 ANYmalは一回の充電で2時間稼働。電池の残りが減ると自ら充電ベースにもどる機能もある。

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監督無しの自律性もありでこぼこした地形にも対応 このプロジェクトを立ち上げたピサ大学のマノロ・ガラビーニ教授は以下のように語っている。
このロボットは環境モニターミッションを要する地域をあらかじめプログラムされてます。

ヨーロッパにはこうした活動が必要な地域に関する大規模ネットワークがあり、各地域内で同様の監視が行われています。選ばれたロボットは、監督無しでミッションを実行できるよう、一定の自律性を備えています
 ガラビーニ教授率いる「ナチュラルインテリジェンス プロジェクト」の研究チームはロボットによる監視が生育地の有効な保護に役立つと確信している。

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生息地の保全状況の評価は主に人間が行います。人間のオペレーターも現地に行き、その保全状況を確認する必要がありますから。


同様のタスクがこなせる技術はほかにもありますが、このロボットは動物の移動システムを再現した脚をもつので、自由度が高いうえに非常に機敏で、でこぼこした地形でも歩けます。


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 チームがANYmalから受け取ったデータはすべて、他の学部や植物学者のもとに送られ、慎重に調査される。その後ヨーロッパ中の大学などで利用できるようになる。野生動物の被害も監視。海に潜って調査も可能 さらにANYmalは野生動物の監視にも役立つ。
もう 1 つの重要なのは外来種などの野生動物による被害のモニタリングです。イノシシが地形をめちゃくちゃにして新たに芽生えた植物の成長を妨げたり。それは長期的に見れば、生育地の脅威になるでしょう。
 しかもこのロボットは陸だけでなく海にも対応する。人よりも深く潜って調査ができるのだ。

 海洋調査についてはイタリアの環境研究保護研究所の局長であるマリア・シクラーリさんも大いに期待を寄せている。
このロボットは1,000メートル以上深く潜れるので、海底の詳細なマッピングを行い3Dモデルで再構築して海洋生息地の監視にも尽力したいです
 ANYmal はこの仕事を終えたらアルプス山脈に向かう。
今までと全く違う環境で、より重要なデータを記録するためだ。

 そういや4足歩行ロボットの元祖みたいなおなじみスポットもイタリアのポンペイ遺跡のパトロールしてたっけ。

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 その時も、もうそんな時代?って思ったもんだけど、今後イタリアではこうした作業にロボットを使うのが主流になるのかも?

References:wnyt / youtube / euronewsなど /written by D/ edited by parumo

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