アメリカの学校で「お尻叩き」の体罰が復活
 アメリカでは、現在19の州で学校での体罰が合法となっている。ミズーリ州では、学校内での体罰は20年以上前に廃止となっていたが、今年新たなポリシーのもとで復活することが明らかになった。


 同州キャスビル学区では、今年6月に教育委員会が生徒の保護者らに体罰の承認について通知しており、親の同意のもと、校長によってのみ「お尻叩き」が実施されるという。

ミズーリ州学区でお尻を叩く体罰が復活 ミズーリ州キャスビル学区は、2001年に廃止していた学校内での体罰を復活し、生徒らに木製の板(カヌーなどの櫂、オール)を使った「お尻叩き」を実施することを、教育委員会が発表した。

 今年6月にされた保護者への通達には、新たなポリシーのもと学校側が生徒のお尻を叩くことを許可する方針を承認したことが記されてあったという。

 同学区の教育長マーリン・ジョンソン氏は、次のように述べている。
1年前には、体罰が復活するなど思ってもいませんでしたが、保護者はそれに強い関心を示していました。

何より、保護者は学校の懲戒基準に長い間不満があったようです。「なぜ、子供を叩かないのか」と尋ねられもしましたが、私は「それは学区のポリシーに反する」と言い続けてきました。

ですが、去年の調査で、複数の親が子供らに追加の躾として体罰を望んでいることが明らかになり、復活させることを決定しました。


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お尻叩きに使用される板 photo by iStock
親の同意のもと校長のみが実施する この体罰は、親の同意のもと実施されることになるため、親が体罰に同意しなければ子供には決して体罰が与えられることはない、と教育長は言う。
複数の保護者からの苦情は、生徒に停学処分を下す前の選択肢を追加してほしいということでした。

つまり、体罰は停学前の最後の手段になるというわけです。あくまでも体罰を望む保護者のみが対象となり、証人の存在下で、合理的な形で校長によってのみ執行されます。


身体的損傷または危害の可能性がないよう、管理されなければならず、生徒の頭や顔を打つことは許可されていません。許される唯一の罰は、お尻を叩くことのみです。

また、体罰は他の学生の前で行われることはありません。

年少の生徒には1回か2回、年長の生徒には最大3回のお尻叩きの罰が与えられることになります。

部外者は、体罰の復活について物議をかもしていますが、生徒の両親はおおいに感謝を示しています。
 なお、米国最高裁判所は1977年に、学校での体罰は合憲であるとの判決を下し、それを実施するかどうかの決定は州に委ねている。

 現在、ミズーリ州に加えて、アーカンソー州、カンザス州、ケンタッキー州、テネシー州、オクラホマ州、アラバマ州、アリゾナ州、コロラド州、フロリダ州、ジョージア州、アイダホ州、インディアナ州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、テキサス州、ワイオミング州といった19 の州で体罰が許可され、合法となっている。

References:Missouri School District Brings Back Spanking For Students – Here's Why That's A Bad Idea | IFLScience/ written by Scarlet / edited by / parumo

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