
image credit:Benoit Gougeon, Universite de Montreal
地球から100光年離れた宇宙で、仮説上の天体「海洋惑星」の有力な候補が発見されたそうだ。
りゅう座の方角で発見された太陽系外惑星「TOI-1452 b」は、りゅう座に位置する連星系の赤色矮星のまわりを公転している。
大きさと質量は地球よりやや大きな「スーパーアース」で、恒星との距離を考えると地表には液体の水が存在する可能性がある。
1年が11日しかないのだが、最大の特徴はその水が惑星を占める割合だ。3割もの部分が水で構成されているかもしれないという。
海洋惑星の有力候補 「TOI-1452 b」は地球と同じような岩石でできたスーパーアースと考えられるが、仮説上の「海洋惑星」としても有力な候補でもある。
地球上にはおよそ約14億立方キロメートルの水が存在していると言われており、地表の7割が海に覆われているが、地球の全質量に占める水の割合は、実際にはわずか0.02%程度に過ぎないという。
だが、広い宇宙にはもっと水が豊富にある惑星が存在するだろうと考えられている。
近年、大きさ・質量が地球と海王星(地球の約3.8倍)の間くらいの太陽系外惑星がいくつも見つかっている。
そうした惑星の中には、大部分が地球よりもっと軽い物質(例えば水)でなければ説明できないような密度を持つものがある。これが「海洋惑星」と呼ばれる仮説上の惑星だ。
「TOI-1452 b」は、その大きさと質量に基づくなら、地球のような金属と岩石で構成される惑星よりもずっと密度が低いと考えられる。これが「TOI-1452 b」が海洋惑星ではないかと期待される理由だ。
内部モデリングによる分析の結果、その質量の最大3割が水でできている可能性があるという。
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海洋惑星の有力候補TOI-1452 bのイメージ図。そのかなりの部分が水でできているかもしれない/Credit: Benoit Gougeon, Universite de Montreal 1年がわずか11日、地球より70%大きい 「TOI-1452 b」を発見したのは、カナダ、モントリオール大学の大学院生シャルル・カデュー氏らのチームだ。
同チームは、NASAのトランジット系外惑星探索衛星「TESS」や、モントリオール大学で開発されたモンメガンティク天文台の特殊なカメラなどで「TOI-1452 b」を観察。この惑星が11日周期で暗くなることを突き止めた。
こうしたことから、「TOI-1452 b」は地球よりおよそ70%ほど大きく、恒星を11日で1周する(つまり1年が11日)ことがわかっている。
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NASAのトランジット系外惑星探索衛星TESS / image credit:NASA 今のところ、「TOI-1452 b」が本当に海洋惑星であるかどうか確証はない。可能性としては、ほとんど大気がないか、水素やヘリウムの大気を持つ巨大な岩石惑星とも考えられるそうだ。
海洋惑星かどうか確かめるには、今後さらに観測を続ける必要があるとのこと。幸いなことに、「TOI-1452 b」は最近打ち上げられたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で観察するにはちょうどいい位置にある。
りゅう座にあるため1年中観察できるし、100光年先と天文学的にはかなり近い。最新鋭の宇宙望遠鏡なら、大気を通過してくる光のスペクトルすら捉えられるだろうとのことだ。
もしかしてもしかするとこの惑星なら、地球外生命体がいたりいなかったりするかもしれない。期待ワクワクだ。
この研究は『The Astronomical Journal』(2022年8月12日付)に掲載された。
References:An extrasolar world covered in water? | UdeMNouvelles / An extrasolar world covered in water? / written by hiroching / edited by / parumo
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地球から100光年離れた宇宙で、仮説上の天体「海洋惑星」の有力な候補が発見されたそうだ。
りゅう座の方角で発見された太陽系外惑星「TOI-1452 b」は、りゅう座に位置する連星系の赤色矮星のまわりを公転している。
大きさと質量は地球よりやや大きな「スーパーアース」で、恒星との距離を考えると地表には液体の水が存在する可能性がある。
1年が11日しかないのだが、最大の特徴はその水が惑星を占める割合だ。3割もの部分が水で構成されているかもしれないという。
海洋惑星の有力候補 「TOI-1452 b」は地球と同じような岩石でできたスーパーアースと考えられるが、仮説上の「海洋惑星」としても有力な候補でもある。
地球上にはおよそ約14億立方キロメートルの水が存在していると言われており、地表の7割が海に覆われているが、地球の全質量に占める水の割合は、実際にはわずか0.02%程度に過ぎないという。
だが、広い宇宙にはもっと水が豊富にある惑星が存在するだろうと考えられている。
近年、大きさ・質量が地球と海王星(地球の約3.8倍)の間くらいの太陽系外惑星がいくつも見つかっている。
そうした惑星の中には、大部分が地球よりもっと軽い物質(例えば水)でなければ説明できないような密度を持つものがある。これが「海洋惑星」と呼ばれる仮説上の惑星だ。
「TOI-1452 b」は、その大きさと質量に基づくなら、地球のような金属と岩石で構成される惑星よりもずっと密度が低いと考えられる。これが「TOI-1452 b」が海洋惑星ではないかと期待される理由だ。
内部モデリングによる分析の結果、その質量の最大3割が水でできている可能性があるという。
この割合は、木星の衛星ガニメデやカリスト、土星の衛星タイタンやエンケラドゥスのものに似ているという。
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海洋惑星の有力候補TOI-1452 bのイメージ図。そのかなりの部分が水でできているかもしれない/Credit: Benoit Gougeon, Universite de Montreal 1年がわずか11日、地球より70%大きい 「TOI-1452 b」を発見したのは、カナダ、モントリオール大学の大学院生シャルル・カデュー氏らのチームだ。
同チームは、NASAのトランジット系外惑星探索衛星「TESS」や、モントリオール大学で開発されたモンメガンティク天文台の特殊なカメラなどで「TOI-1452 b」を観察。この惑星が11日周期で暗くなることを突き止めた。
こうしたことから、「TOI-1452 b」は地球よりおよそ70%ほど大きく、恒星を11日で1周する(つまり1年が11日)ことがわかっている。
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NASAのトランジット系外惑星探索衛星TESS / image credit:NASA 今のところ、「TOI-1452 b」が本当に海洋惑星であるかどうか確証はない。可能性としては、ほとんど大気がないか、水素やヘリウムの大気を持つ巨大な岩石惑星とも考えられるそうだ。
海洋惑星かどうか確かめるには、今後さらに観測を続ける必要があるとのこと。幸いなことに、「TOI-1452 b」は最近打ち上げられたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で観察するにはちょうどいい位置にある。
りゅう座にあるため1年中観察できるし、100光年先と天文学的にはかなり近い。最新鋭の宇宙望遠鏡なら、大気を通過してくる光のスペクトルすら捉えられるだろうとのことだ。
もしかしてもしかするとこの惑星なら、地球外生命体がいたりいなかったりするかもしれない。期待ワクワクだ。
この研究は『The Astronomical Journal』(2022年8月12日付)に掲載された。
References:An extrasolar world covered in water? | UdeMNouvelles / An extrasolar world covered in water? / written by hiroching / edited by / parumo
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