
こうした男性器がモチーフとなったものを「ファルス」といい、古代ローマでは魔除けとして使われていた。
これを発見した考古学者も「すごく...大きいです」と、あまりの大きさに仰天しているようだ。
古代ローマの砦で史上最大級のイチモツを発見 並はずれて大きないちもつ(ファルス)が発見されたのは、スペイン、コルドバ地方にある「エル・イゲロン(El Higueron)」遺跡だ。
紀元前4世紀にさかのぼるこの遺跡は、もともとはイベリア人の集落だった。しかし、紀元前206年に一帯を占領したローマ人がイベリア人を打ち負かすと、その上に砦を建設したのである。
ついつい目がいってしまうイチモツの彫刻は、ローマ人が建てた塔の基礎に堂々と飾られていたようだ。
いちもつの形状をした「ファルス」は古代ローマ文化において重要なシンボルで、魔除けや幸運のお守りだった。
古代ローマの遺跡では特に珍しくないが、今回のものは人並み以上に大きかったことから、研究者を驚かせている。
ヌエバ・カルテジャ歴史博物館の考古学者アンドレス・ロルダン・ディアス氏は、「すごく大きいです」と、地元紙『El Pais』の取材に答えている。
現在調査中ではあるが、これまで発見された古代ローマのファルスとしては最大である可能性もあるそうだ。
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いちもつ(ファルス)は不運を祓う魔除け 古代ローマ人は、ファルスには「邪眼」(不運の象徴)を祓う力があると考えていた。そのため魔除けとして、建物の外壁、窓、ドアなどにファルスが彫られることがあった。
また、公共の集会場などのモチーフにされることもあったという。集会場や交差点などは、人々が自然に集まってくるので、超自然的な力も集まってきた。そこでファルスでそうした悪意ある力を祓ったのだそうだ。
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古代ローマの都市、ポンペイで発見された翼を持つファルス彫刻 / image credit:iStock
また男らしさをあげたり、子宝に恵まれるよう、男性器をかたどったペンダントやアクセサリーを身につけることもあった。
つい最近でも、イギリスでイチモツをモチーフにした銀のペンダントが発見されている。
ローマ時代の遺跡で発見されたファルスの数は正確には不明だが、イギリス国内だけでも92点が見つかっているという。
そうした遺物は、石臼に彫られた単純なものから、動物の骨で作られた羽付きのものまで、バラエティ豊かだ。
ただし、ファルスは必ずしも幸運のお守りではなかった可能性もある。
たとえば、5月にハドリアヌスの長城近くにあるローマの遺跡から、悪口と一緒に彫られたファルスが発見されているのだ。
ちなみにエル・イゲロン遺跡の価値はファルスだけではない。塔と厚さ1.8メートルの外壁でできたこの遺跡は、イベリア建築の上に建てられた古代ローマの砦で、それだけでも珍しいものだ。
このエル・イゲロンの異例の建築物は、史上最大かもしれないファルスと相まって、この遺跡の想像以上に複雑な歴史を浮き彫りにしていると、ディアス氏は話している。
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References:Ancient Roman penis sculpture could be the largest of its kind ever discovered | Live Science / written by hiroching / edited by / parumo
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