海中の生物を知るには水中カメラが必須だが、ここで問題となるのがその電源をどうするのかという点だ。
新たに開発された音波式水中カメラなら、かさばる電池もコードも必要ないため、電源の問題を一気に解決することができる。
音だけで発電するカメラ この水中カメラには、かさばる電池や電源コードなどはない。その代わりに、「トランスデューサー(変換器)」が内蔵されている。
動物や船などが立てた音がトランスデュサーに届くと、その音の圧力が内部にある特殊な「圧電物質」を振動させる。
これによって発電された電気をスーパー・キャパシタ(電気二重層コンデンサ)に蓄え、撮影に使うのだ。
また、できるだけ電力消費を抑えるために、撮影用のセンサーは超省エネ仕様となっている。ただし、これと引き換えに、センサーが撮影できるのはグレースケール画像だけだ。
そこで赤緑青の3種類のLEDで、3度個別に露出を行って撮影する。1枚1枚は白黒にしか写らないが、赤緑青の光がどのように反射されたのか解析して組み合わせれば、きちんとしたカラー写真を合成することができる。
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Battery-free wireless underwater cameraデータ送信も音波で行う また画像データも音波で送信される。
まず水面に設置された送受信器から、カメラへ音波が放たれる。これを受け取ったカメラ内モジュールは、音波を反射するか(デジタルデータの1に相当)、吸収して反射しないか(0に相当)、どちらかの反応を示す。
こうして送受信器に戻ってきた音波を分析することで、撮影された画像データを再現するのだ。
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実験では音響プロジェクターでカメラの発電をおこなった。陸上でも応用できるそうだ。開発したMITのファデル・アディブ教授(左)と研究助手のワリード・アクバル氏(右最終的には動画の撮影も可能に 現時点で、この音波式水中カメラは、水深40メートルまでの静止画を撮影できるだけだ。だがそれでも、1週間かけて水中植物の成長を撮影することに成功したとのこと。
研究グループは今、カメラの耐久性・持久力・記録容量の向上に取り組んでいる。最終的な目標は、リアルタイムでフルモーション動画を撮影できるようにすることだそうだ。
この研究は『Nature Communications』(2022年9月26日付)に掲載された。
References:MIT engineers build a battery-free, wireless underwater camera | MIT News | Massachusetts Institute of Technology / written by hiroching / edited by / parumo
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