
ツタンカーメンの墓の中で、これまで知られていなかった象形文字が発見され、伝説的なエジプトの女王ネフェルティティが、この義理の息子の埋葬室に隣接する隠し部屋に眠っているという説が真実味を帯びてきた。
大英博物館の元学芸員、ニコラス・リーブスは、この説が決定的だと証明されたわけではないが、新たな手がかりの登場で、励みがついたとしている。
ツタンカーメンの墓で発見された遺物にネフェルティティ 大英博物館、エジプト考古学部門の元学芸員ニコラス・リーブスは、古代エジプト第18王朝のファラオ「ツタンカーメン」が次王「アイ」によって埋葬されている様子を描いたカルトゥーシュ(象形文字で王の名前が書かれた楕円形の花枠)を良く調べた。
すると、古代エジプト第18王朝のファラオ、「アクエンアテン王の妻で古代エジプト三大美女の1人とされる「ネフェルティティ」を葬るツタンカーメンを描いたカルトゥーシュの上に描かれていることに気づいた。
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突然死により急遽埋葬されたツタンカーメン ちょうど100年前に、ハワード・カーターによって発見された、ツタンカーメンの墓は、椅子や戦車など、少年王があの世で必要するであろう、まばゆいばかりの宝物がたくさん納められていた。
リーブスは、紀元前1324年、ツタンカーメンが王位についてわずか9年、19歳という若さで突然死んだため、急遽埋葬しなくてはならなくなったと主張する。
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ツタンカーメンの墓の内部。壁の絵は描き替えられていることが判明したツタンカーメンの墓は、ネフェルティティのために用意された? 新たな証拠は、ツタンカーメンの墓は、もともとネフェルティティのために用意されたもので、彼女は今もそこに安置されていて、ツタンカーメンは大きな墓の外側のセクションを占めているにすぎないという説を裏づけているという。
現在、わたしたちが見ることができるツタンカーメンの墓の向こう側の隠された場所に、独立した埋葬室があり、そこにネフェルティティが眠っているというのである。
2015年に、ツタンカーメンの玄室で撮られた高解像度画像には、漆喰で塗られた壁の下に線があるのがわかり、それがまだ誰も足を踏み入れたことのない部屋の出入口を示しているとリーブスは主張している。
だが、ほかの専門家は、それは決定的な証拠とは言えないとしているが、リーブスは言う。
こうした新たな証拠について、赤外線画像や、カビの成長分析などの最近の技術が、自分の説をさらに後押ししてくれるとリーブスは主張している。
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Tutankhamun’s burial chamber may contain door to Nefertiti’s tomb
リーブスは、古代エジプトのナイル川デルタの北東部に存在した都市、タニスの例をあげる。
ここで、第21王朝のプスセンネス1世とアメネモープの忘れ去られた墓が、同様の装飾がほどこされたスライド式になっている石の仕切りの後ろから無傷で発見されたのだ。
だが、2015年から行っているレーダー調査の結果については、意見がバラバラだという。
余計なノイズを取り除く自動フィルターリング技術を信用する者は、その結果からは部屋などなにもないと主張し、一方では、もっと慎重にデータを処理すると、北側の壁の東半分は、ただの岩盤というより確かに建造物が存在すると認識できると言い張る者もいる。
建造物のレーダー調査や地球物理学的調査の第一人者、ジョージ・バラードは、新たな発見に興奮し、拡張された墓の入口をふさぐ偽の壁があるに違いないと確信している。
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大英博物館の元学芸員、ニコラス・リーブスは、この説が決定的だと証明されたわけではないが、新たな手がかりの登場で、励みがついたとしている。
ツタンカーメンの墓で発見された遺物にネフェルティティ 大英博物館、エジプト考古学部門の元学芸員ニコラス・リーブスは、古代エジプト第18王朝のファラオ「ツタンカーメン」が次王「アイ」によって埋葬されている様子を描いたカルトゥーシュ(象形文字で王の名前が書かれた楕円形の花枠)を良く調べた。
すると、古代エジプト第18王朝のファラオ、「アクエンアテン王の妻で古代エジプト三大美女の1人とされる「ネフェルティティ」を葬るツタンカーメンを描いたカルトゥーシュの上に描かれていることに気づいた。
アイのカルトゥーシュの下に、ツタンカーメン自身のカルトゥーシュがあり、それは彼が前任者であるネフェルティティを葬っているシーンを描いたものであることが確認できます。北側の壁の新しいカルトゥーシュのほうには、アイが斧を持ち、ミイラの口を開けさせて、死者の五感をよみがえらせる儀式を行っている姿が描かれている。
通常なら、ツタンカーメン自身の墓にそうした装飾は施さないでしょう
アイのカルトューシュを詳しく見てみると、前の名前、つまりツタンカーメンの名前の痕跡がはっきりとわかります。
もともとは、ツタンカーメンがこの墓の本来の主である、直系の先代ネフェルティティの葬儀を行う姿が描かれていたのです
この結論から、その人物の顔立ちを確実に確認できることになります。
現在、アイとされている人物は、しし鼻で二重顎だったとされていて、こうした特徴は、まさにツタンカーメンが王位についたばかりの頃に公に表されていた標準的な描かれ方と同じです。
ミイラの顔には、間違いなくネフェルティティの面影が残っていて、明らかに、この場面はツタンカーメンが先代の葬儀を公式に執り行った記録として描かれたものでしょう
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突然死により急遽埋葬されたツタンカーメン ちょうど100年前に、ハワード・カーターによって発見された、ツタンカーメンの墓は、椅子や戦車など、少年王があの世で必要するであろう、まばゆいばかりの宝物がたくさん納められていた。
リーブスは、紀元前1324年、ツタンカーメンが王位についてわずか9年、19歳という若さで突然死んだため、急遽埋葬しなくてはならなくなったと主張する。
王の突然の死によって、封印されて10年たった墓が初めて再び開けられ、一番外側の部分を片付けて、彼の棺を迎えるよう整えられたのです
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ツタンカーメンの墓の内部。壁の絵は描き替えられていることが判明したツタンカーメンの墓は、ネフェルティティのために用意された? 新たな証拠は、ツタンカーメンの墓は、もともとネフェルティティのために用意されたもので、彼女は今もそこに安置されていて、ツタンカーメンは大きな墓の外側のセクションを占めているにすぎないという説を裏づけているという。
現在、わたしたちが見ることができるツタンカーメンの墓の向こう側の隠された場所に、独立した埋葬室があり、そこにネフェルティティが眠っているというのである。
2015年に、ツタンカーメンの玄室で撮られた高解像度画像には、漆喰で塗られた壁の下に線があるのがわかり、それがまだ誰も足を踏み入れたことのない部屋の出入口を示しているとリーブスは主張している。
だが、ほかの専門家は、それは決定的な証拠とは言えないとしているが、リーブスは言う。
これが単なる幻想だと言い捨ててしまうのは簡単です。でも、私は玄室の壁の絵が描き替えられているのを発見しているのです。リーブスは、ニューヨークのメトロポリタン美術館での学芸員としてのキャリアもあり、ツタンカーメンの墓の内部でも周辺でも、考古学者として広く調査をしてきた。
ツタンカーメンの玄室が奇妙な形をしていることに、すでに私たちは戸惑っています。王の墓にしては、非常に狭いからです
こうした新たな証拠について、赤外線画像や、カビの成長分析などの最近の技術が、自分の説をさらに後押ししてくれるとリーブスは主張している。
ツタンカーメンは、拡張された新品の墓に埋葬されたのではなく、女王のかなり大きな墓の外側に埋葬された居候のように見える。
稀有な状況のように思えるが、実際はこうした配置は決して珍しいものではない(リーブス)
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Tutankhamun’s burial chamber may contain door to Nefertiti’s tomb
リーブスは、古代エジプトのナイル川デルタの北東部に存在した都市、タニスの例をあげる。
ここで、第21王朝のプスセンネス1世とアメネモープの忘れ去られた墓が、同様の装飾がほどこされたスライド式になっている石の仕切りの後ろから無傷で発見されたのだ。
だが、2015年から行っているレーダー調査の結果については、意見がバラバラだという。
余計なノイズを取り除く自動フィルターリング技術を信用する者は、その結果からは部屋などなにもないと主張し、一方では、もっと慎重にデータを処理すると、北側の壁の東半分は、ただの岩盤というより確かに建造物が存在すると認識できると言い張る者もいる。
建造物のレーダー調査や地球物理学的調査の第一人者、ジョージ・バラードは、新たな発見に興奮し、拡張された墓の入口をふさぐ偽の壁があるに違いないと確信している。
これまでのところ、証拠は、宝物が納められている部屋の北と東の壁を形成する人工物が存在することを示しています。References:Secret Clues in Tutankhamun's Tomb Reignite The Idea That Nefertiti Is Hidden Nearby : ScienceAlert / Tutankhamun’s burial chamber may contain door to Nefertiti’s tomb | Tutankhamun | The Guardian / written by konohazuku / edited by / parumo
宝物室の東の壁はおそらく、自然石を切り出して、壁にしたと思われます。人工的な構造物である証拠もありますが、それが十分な決め手にはならないと思う人もいるでしょう。
科学の世界では、いつも問題になることです。しかし、なんらかの構造物があるなら、誰かがそれを作ったわけです。なんの意図もなく、王家の谷に建造物を建てないでしょう
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