ゴールドラッシュ時代のリーバイスジーンズが1116万円で落札
 19世紀半ば、カリフォルニアの砂鉱床で発見された金がきっかけとなって、アメリカン・ドリームを追い求める多くの人々が世界中からカリフォルニアに押し寄せた。ゴールドラッシュ時代の到来だ。


 これに目を付けたのがデニムの老舗ブランド、「リーバイス」の創設者リーヴァイ・ストラウスだ。彼が開発・販売した頑丈なジーンズは、南西部の鉱山労働者たちから大きな需要を得た。

 今回、1880年代のリーバイスが古い鉱山から発見されオークションにかけられたところ、76,000ドル(約1116万円)で落札されたという。

 世界中にマニアが多く存在するヴィンテージジーンズだが、履き古したボロボロのジーンズでもこの値段とは驚きだ。

1880年代のリーバイスが発見される ゴールドラッシュ時代と呼ばれる1848年以降、砂金採掘や炭鉱員らの作業着として普及したのが、現在のデニム産業の先駆けとなった「リーバイス」のジーンズだった。

 ドイツ移民だったリーヴァイ・ストラウスは、ゴールドラッシュ時にカリフォルニア州サンフランシスコで、服地店をオープン。

 その後、ネバダ州で洋服店を営むジェイコブ・デイヴィスと共同で鉱山労働者向けの耐久性のあるワークパンツを開発して販売した。

 テントや荷馬車の幌を作るためのキャンパス帆布を使用したジーンズは分厚く、穴に入り屈むことの多い作業員の膝でも、なかなかすり減ることはなかった。

 また、青く染めたインディゴ染料は、害虫から生地を守るのに役立ち、その色がおしゃれだった。

 こうした機能性とファッション性と兼ね備えたリーバイスのジーンズは、たちまち作業員らの間で大人気となった。

 アメリカの歴史の一部を刻んだリーバイスのジーンズは、現代でも人気を誇っていて、特にヴィンテージ商品は価値が高いとされている。

 今回、デニム雑誌『Long John』は、何十年も前の古い鉱山で発見されたリーバイスのジーンズがオークションで高額で落札されたことを報じた。
[画像を見る] ヴィンテージジーンズがオークションで1116万円にて落札 10月1日、ニューメキシコ州で開催されたオークションで、古着屋を経営する23歳のカイル・ハウパートさんは、リーバイスのヴィンテージジーンズを76000ドル(約1116万円)で落札した。

 このジーンズは、1880年代の鉱山労働者が使用していたものとみられており、ウエスト部分にはサスペンダーボタン、後ろにはポケットが1つ付いている。

[画像を見る]

image credit:goldenstatevtg/Instagram

[画像を見る]

image credit:goldenstatevtg/Instagram

 オークションリストでは、キャンドルワックスコーティングされたジーンズの状態は良好で、着用可能となっていたようだ。

 ヴィンテージ衣料品会社「Denim Doctors」の経営者であるジップ・スティーヴンソンさんと一緒に購入したカイルさんは、落札価格の90%を支払い、より経験豊富なジップさんがジーンズの買い手を見つけるのを手伝ってくれることを望んでいる。

 ちなみに、バイヤーズ・プレミアム(手数料)込みの合計価格は、87400ドル(約1283万円)とだったそうだ。

 カイルさんは、自身のヴィンテージショップ「Golden State Vintage」のインスタグラムアカウントでオークションの様子を撮影した動画と、ジーンズの写真をシェアした。[画像を見る]  ゴールドラッシュ時代から知られている最も古いリーバイスの1つとされているこのジーンズは、まさに「ヴィンテージ・デニムコレクションの究極の1アイテム」といっても過言ではないほどで、カイルさんは落札できたことに喜びと興奮を感じている。

[画像を見る]

image credit:goldenstatevtg/Instagram

[画像を見る]

image credit:goldenstatevtg/Instagram

 落札価格がそれだけの高値だと、販売価格はもっと高くなることだろう。最終的に、どんな人がこのジーンズを購入するのか?さらに実際に着用するのか?実に気になるところだ。

written by Scarlet / edited by parumo

画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。
編集部おすすめ