
モンゴルの荒野には、装飾の施された何百という古代の石柱「鹿石」が点在していて、砂に刺さったマッチ棒ように地面から突き出ている。
何千年にもわたってずっと存在しているこれらの巨石群は、いったい誰が、何のために作ったのか、いまだに謎なままだ。
とはいえ、考古学者たちは、いくつかの興味深い説を提示している。
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様々なモチーフが描かれた謎の巨石群「鹿石」 これら巨石は、「鹿石」として知られていて、モンゴルやシベリア一帯で1000個以上が見つかっている。
形や大きさはさまざまだが、多くは人間の身長より高く、高さ4.5メートルになるものもある。
石の表面には、精巧な彫刻が施されていて、人面、模様、武器、動物などのモチーフがよく見られる。
もっとも多いのは鹿(トナカイ)であることから、これらの石が鹿石と呼ばれる所以だ。
空を飛ぶトナカイが描かれたものもあり、まるでサンタがトナカイにソリを引かせている場面のオマージュのようだ。
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石のてっぺんはだいたい平らだが、丸みを帯びている変わったものもある。
なんらかの文体上の意味があるのかもしれないが、専門家はこれは、敵がこのモニュメントを破壊しようとした名残りなのではないかと推測している。
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青銅器時代後期以前に作られたもの 鹿石は、紀元前7世紀から紀元前3世紀頃に、ユーラシア大陸のこの一帯を荒らしまわっていた騎馬遊牧民族スキタイ人が作ったものと思われていた。
だが、いくつかの鹿石近くで見つかった馬の頭蓋骨を放射性炭素年代測定したところ、スキタイ人が定着した紀元前1200年から紀元前700年の青銅器時代後期よりも前のものであることがわかった。
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誰が?一体何のために作ったのか?様々な仮説 大きな疑問のひとつは、これら鹿石がなんのために作られたかということだ。
権力をもつ指導者や、尊敬されていた戦士の葬儀に使われた儀式用モニュメントだという説がある。
この文化の後にやってきたスキタイ人は、精巧な埋葬を行ったことで知られているが、遺跡から人骨が見つかっていないため、この説は信用できない。
もうひとつは、これらの石はトナカイの放牧と関係があり、野生のトナカイをおびき寄せるために、トナカイをつないだ場所を示しているのではないかという説だ。
だが、石の近くで馬の骨は発見されているが、トナカイの骨はほとんど見つかっていないため、この説にもケチがついた。
一部の鹿石に人面の彫刻が見られることを考えると、シャーマンが霊的儀式で使ったものではないかと主張する専門家もいる。
シャーマンの力や交霊会のようなものがあったことを表しているのではないかという。
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これら鹿石の真の用途が、解明されることはおそらくないだろう。
これらの石の目的がなんであれ、かつてこの大地を闊歩していた謎めいた人たちにとって、大きな意味があったことは確かだと言える。
References:Hundreds Of Ancient Reindeer Stones Dot Mongolia And No One Knows Why | IFLScience / written by konohazuku / edited by / parumo
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何千年にもわたってずっと存在しているこれらの巨石群は、いったい誰が、何のために作ったのか、いまだに謎なままだ。
とはいえ、考古学者たちは、いくつかの興味深い説を提示している。
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様々なモチーフが描かれた謎の巨石群「鹿石」 これら巨石は、「鹿石」として知られていて、モンゴルやシベリア一帯で1000個以上が見つかっている。
形や大きさはさまざまだが、多くは人間の身長より高く、高さ4.5メートルになるものもある。
石の表面には、精巧な彫刻が施されていて、人面、模様、武器、動物などのモチーフがよく見られる。
もっとも多いのは鹿(トナカイ)であることから、これらの石が鹿石と呼ばれる所以だ。
空を飛ぶトナカイが描かれたものもあり、まるでサンタがトナカイにソリを引かせている場面のオマージュのようだ。
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石のてっぺんはだいたい平らだが、丸みを帯びている変わったものもある。
なんらかの文体上の意味があるのかもしれないが、専門家はこれは、敵がこのモニュメントを破壊しようとした名残りなのではないかと推測している。
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青銅器時代後期以前に作られたもの 鹿石は、紀元前7世紀から紀元前3世紀頃に、ユーラシア大陸のこの一帯を荒らしまわっていた騎馬遊牧民族スキタイ人が作ったものと思われていた。
だが、いくつかの鹿石近くで見つかった馬の頭蓋骨を放射性炭素年代測定したところ、スキタイ人が定着した紀元前1200年から紀元前700年の青銅器時代後期よりも前のものであることがわかった。
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誰が?一体何のために作ったのか?様々な仮説 大きな疑問のひとつは、これら鹿石がなんのために作られたかということだ。
権力をもつ指導者や、尊敬されていた戦士の葬儀に使われた儀式用モニュメントだという説がある。
この文化の後にやってきたスキタイ人は、精巧な埋葬を行ったことで知られているが、遺跡から人骨が見つかっていないため、この説は信用できない。
もうひとつは、これらの石はトナカイの放牧と関係があり、野生のトナカイをおびき寄せるために、トナカイをつないだ場所を示しているのではないかという説だ。
だが、石の近くで馬の骨は発見されているが、トナカイの骨はほとんど見つかっていないため、この説にもケチがついた。
一部の鹿石に人面の彫刻が見られることを考えると、シャーマンが霊的儀式で使ったものではないかと主張する専門家もいる。
シャーマンの力や交霊会のようなものがあったことを表しているのではないかという。
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稀にみる人面は、まるでなにかを歌ったり唱えたりしているように、たいてい口が丸く描かれている。2009年の研究論文で、スミソニアンの人類学者ウィリアム・フィッツヒューは書いている。
空飛ぶトナカイのイメージは、地上から空へと抜けるシャーマン的な飛行、または鹿石に描かれた人物の魂が、死後に地上の生活から天国の生活へと移り変わる霊的な変容を表しているのかもしれない
鹿石に刻まれたこうしたモチーフは、描かれた実在の戦士の上半身に彫りこまれたタトゥーを複製している可能性が高く、危険な力や悪霊、出来事などから彼らを守るためのものだったのだろう
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これら鹿石の真の用途が、解明されることはおそらくないだろう。
これらの石の目的がなんであれ、かつてこの大地を闊歩していた謎めいた人たちにとって、大きな意味があったことは確かだと言える。
References:Hundreds Of Ancient Reindeer Stones Dot Mongolia And No One Knows Why | IFLScience / written by konohazuku / edited by / parumo
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