この人類の祖先の骨は完璧にそろっていたが、身長1mと現生人類よりも小さく、「ホモ・フローレシエンシス」と名付けられたが、その小ささから、J・R・R・トールキン作品の中に出てくる小人「ホビット」という愛称が付けられた。
ある人類学者は、フローレス島に、絶滅種であるホモ・フローレシエンシスが今も生き延びていると信じているという。
小さなヒト属「ホモ・フローレシエンシス」はまだ存在する?
この小さなホビット族「ホモ・フローレシエンシス」は、当初、1万2千年前まで生存していたと考えられていたが、その後の分析を進めたところ、生存した年代は5万年前までさかのぼることになった。
しかし、カナダ、アルバータ大学の元人類学教授、グレゴリー・フォースは、彼らがまだ生きていることが見過ごされてきた可能性があると言っている。
この"ホビット族"は現在もまだ生きている、あるいは少なくとも現代人の記憶の中にまだあるのではないかというのだ。
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2003年、ホモ・フローレシエンシスの骨が発見された洞穴 / image credit:Rosino / WIKI commons
現地で暮らす部族の目撃証言
フォースは、近々発売予定の著書『Between Ape and Human』の中で、古生物学者など科学者たちは、フローレス島の森の中で生きているヒト属について、地元の人たちの知識や説明を見落としていると主張している。
この本を書いた目的は、現地に暮らすリオ族の、小さなヒト型生物に関する説明から、もっとも合理的で経験的に一番支持されている最良の説明を見つけることでした。
これには、私が直接話を聞いた、リオ族30人以上の目撃証言が含まれています。
彼らが私に話したことを説明するには、非サピエンスのヒト族が、現在まで、あるいはごく最近までフローレス島で生き延びていたと結論づけるのが一番妥当だという考えに至ったのです
フローレス島中部の山地に居住するリオ族の民俗動物学の中には、人間が移動して、新しい環境に適応するにつれ、動物に変化するという話があるという。
フォースはこれを、環境によって発達、退化した身体的獲得形質が遺伝していくという、ラマルク説になぞらえている。
私のフィールドワークで明らかになったように、そのように仮定された変化は、祖先とされる種とその分化した子孫との間の類似点と相違点の局所的な観察を反映したものです
島の人々は、この小さなヒト属を動物だとみなした。人間のような複雑な言語や技術をもっていなかったからだが、見た目は不気味なほど人間と似ていたという。
「現地の人々にとって、人間にとてもよく似ているが不完全な姿だったこのヒト属は、異様で、問題があり、わけのわからない不穏な存在だった」とフォースは書いている。
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今のところ、ホモ・フロレシエンシスが生きていたのは5万年前までという説がもっとも有力だが、フォースは、人類の進化を調べる際には、現地の先住民族の知識を考慮に入れるべきだと力説する。
まず最初は、私たちの本能は、フローレス島に実在した猿人を完全に想像上のものとみなします。しかし、現地の人たちの証言を真剣に考えてみると、そう考える正当な理由は見つかりません。
その生き物について彼らが言っていることは、ほかの証拠によって補足され、生き残った人類種、または過去わずか100年以内に絶滅したばかりの種であると考える説と、完全に符号するのです
指輪物語が好きな人にとっては夢とロマンのある仮説だ。ホビットたちがもしも現世に存在するなら、是非この先も生き延びて欲しい。
References:Anthropologist Believes Ancient Human Species Might Still Be Alive In The Forests Of Flores Island | IFLScience / written by konohazuku / edited by / parumo
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