ニューヨークのゴミの山から再利用可能なものを回収する活動を行う女性「トラッシュウォーカー」
image credit:thetrashwalker/Instagram

 毎日、世界中で大量のゴミが捨てられている。中にはまだ十分使えるものもあり、ゴミ袋の中を見てみると、いかに無駄な廃棄がなされているかを実感できる。


 自称「トラッシュウォーカー」として活躍中の女性は、ニューヨーク市内を歩き回り、ゴミの中に捨てられている再利用可能なアイテムを収集している。

 女性はその様子を、SNSでシェアしているのだが、時に驚くようなお宝を発見することもあるようだ。

ゴミ山から宝物を見つける使命に目覚めた女性 ニューヨーク在住で元投資銀行家のアンナ・サックスさんは、職業柄割と豊かな生活を送っていたが、ある日目覚めた時に「自分の充実した人生とは何か」と、疑問を投げかけた。

 結果、アンナさんは仕事を辞め、自分を見つめ直す期間を持った。そして3か月後、アンナさんは新たな人生観を持って生きる道を見つけた。
3か月間、コネチカット州の農業生活プログラムで、持続可能なライフスタイルを学びました。

そのなかで特に心に残ったことの 1 つは、彼らが生み出す廃棄物の量がいかに少ないか、主に堆肥化を通じて廃棄物をどのように処理しているか、ということでした。

ニューヨークでもきっとできるはずだと思って近所を歩いて、たくさん路上に積み上げられたゴミ袋を見ているうちに、ここには宝物が入っているかもしれないと思ったんです。
 やがて、アンナさんはゴミを探して歩くうちに、堆肥化や食糧救助といった使命を見出すようになり、去年SNSで最も影響力のある気候変動活動家の 1 人として挙げられた。[画像を見る] ゴミを探して歩き回り再利用可能なアイテムを収集 近所を歩き回り、再利用可能なアイテムを探す日々を過ごすアンナさんは、隣人のゴミや企業のゴミ箱を探り、見つけたものを自身のSNSアカウントでシェアしている。

 ゴミの中からは、デザイナーの服やアクセサリー、食器、さらには食べ物などがどんどん出てくる様子が捉えられている。[画像を見る]
根本的な問題は過剰生産であり、それが過剰消費につながり、膨大な量の廃棄物につながります。
(アンナさん)
 なにより彼女に衝撃を与えたのは、まだじゅうぶんに良いものがゴミとして廃棄されていることだった。
小売店の裏にあるゴミ箱からは、未開封のティッシュの箱16個と綺麗なトイレットロール2個を見つけました。これには、さすがにショックを受けました。

また、袋に入った新品のキャンディ、サニタリー商品の箱、装飾品なども見つかることがよくあります。

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 アンナさんによると、特に学校は食品や文房具を無駄にすることが多いという。
ニューヨークの公立学校システムは、無駄を失くすための在庫管理をより適切に行うことができるはずです。そうすれば、現状のように数百袋のミニのニンジンが無駄に廃棄されることがなくなるのではないでしょうか。

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持続可能性の取り組みには政策の改革が必要 この無駄が生じている原因は、少なくとも一部は現在の税制システムにあると、アンナさんは非難している。

 なぜなら、商品を破棄した企業は、その費用を損失として請求できるからだ。これは、代わりに商品を寄付した場合に得られる利益よりも、はるかに高い利益だそうだ。
従業員は捨てるものを家に持ち帰ることはできません。それは窃盗と見なされ、持ち帰れば解雇されます。


寄付も同じです。例えば、従業員が余ったものをホームレスたちに寄付したくても、店のものを盗んだとして、窃盗で解雇される可能性があるのです。(アンナさん)
 売れ残った在庫を「破損」し、その税制上の優遇措置を利用するためにゴミ箱に捨ててしまう有名企業も決して少なくない。

 例えば、有名ブランドのコーチは、ウェブサイトでは「持続可能性への取り組み」を誇っており、破損したバッグを修理するよう他の人に勧めている。

 だが、動画で意図的に切断された新品のコーチのハンドバッグが廃棄された動画をアンナさんがシェアすると、大きな反響を呼んだ。
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企業側は、無駄を減らすためにもっとうまくやる必要がありますが、有権者も声を上げてこれらの政策を変える必要があります。
 アンナさんは、持続可能性の取り組みを推奨するには政策改革が必要と、現在声をあげて活動をしている最中だ。
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アンナさんがゴミの中から見つけた掘り出し物 動画でも紹介されているが、アンナさんがニューヨーク市のゴミの中から見つけた掘り出し物のなかからいくつかを紹介しよう。
・アンティークのラッセル・ライト・サターン・パンチボウルセット
(現在、スミソニアン・デザイン・ミュージアムで、永久コレクションの一部となっており、1000~2000ドル(約134000~269000円)の価値があるとされている。)[画像を見る] ・高価なティファニーのボールネックレス
・ペットの猫の遺灰が詰まった美しい壷
・グリーンのベルベット生地でできたオペラジャケット
・実際の中世の本の額入りページ
・新品同様のラタンチェアとコーヒーテーブルのセット
・幼児用絵本のコレクション
・最高級のチョコレート
・ヴィンテージの陶器セット
・生花
・新しいウールの靴下.
・装飾品とライト
・植物が入っているプランター
 これらのいくつかは、自宅へ持ち帰り、いくつかは誰かにプレゼントしたそうだ。

 ゴミがあればあるほど、宝物もたくさん見つかる。アンナさんは、素晴らしい発見をするたびに助けを必要としている友人や家族、見知らぬ人、または避難所や店に提供している。


 最後に、「消費の仕方を意識すれば、改善方法が見えてくる」をモットーとしているアンナさんがおすすめする無駄を減らす方法が、こちらだ。
・生ごみを堆肥にしましょう。
・家庭で持続可能な食物を育てる方法を学びましょう。
・すぐに新しいものを購入するのではなく、修理して使いましょう。
・季節のアイテムは保存して再利用しましょう。
・中古品を購入しましょう。
・お住まいの地域の環境グループ活動に参加しましょう。
・不要なアイテムは寄付しましょう。
・リサイクルしましょう。
あまりにも多くの人が、ありとあらゆるものをごみ箱に捨てていますが、正しい方法でリサイクルする方法を学びましょう。
・トラッシュウォーカーとなってゴミの中から宝物を見つけましょう!
 日本の場合、人が出したゴミ漁りをしていると不審者と間違えられるし、道徳的にも倫理的にも好ましくないとされる文化があるのでトラッシュウォーカーになるのは無理かもしれない。

 だがなるべくゴミを減らす努力をしたり、不要だけどまだ使える物は、フリマアプリなどを利用して、無駄を減らすことはできるかもしれない。


References:A Self-Professed “Trash Walker” Finds Treasures Among New York City’s Refuse/ written by Scarlet / edited by parumo

画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。
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