長い!恐竜「マメンチサウルス」は15メートルの首をを持っていたことが化石から判明
 中生代ジュラ紀、1億6000万年以上前に東アジアを闊歩していた恐竜が、これまで知られている中で、最長の首をもつ恐竜である可能性が高まってきた。

 極端に長い首をもつ竜脚類、マメンチサウルス属の一種、マメンチサウルス・シノカナドルム(Mamenchisaurus sinocanadorum)の首と頭蓋骨の化石を新たに分析したところ、首の長さだけで15mもあることがわかったそうだ。

 首だけで、日本のマンションの5階くらいの高さに相当するというのだからびっくりだ。

 この恐竜の化石は、1987年に中国北東部、新疆ウイグル自治区にある1億6200万年前の地層から発見されたが、首全体が再分析されたのは、最近になってからのことだ。

極端に長い首をもつ恐竜「マメンチサウルス」 マメンチサウルスは大型の草食竜脚類で、鼻先から尾の末端まで50m、体重は70tにもなると推測されていた。

 化石はほんのわずかしか残っていないが、近縁種の完全な化石と比較して、マメンチサウルス・シノカナドルム(Mamenchisaurus sinocanadorum)の、首の長さを改めて推定することができた。  ニューヨーク、ストーニー・ブルック大学の古生物学者、アンドリュー・ムーア氏は語る。
メンチサウルス・シノカナドルムは、これまで発見されている中で最長の首をもつ竜脚類かもしれません。

ジュラ紀後期に現在の中国地域で、より大きな竜脚類が生息していた可能性はあります。たまたまもっとも大きな竜脚類の個体が発見されたと考えるのでなければ、より大きな恐竜が存在していたと考えるのが妥当でしょう。

こうした巨大生物の一部が化石化して、古生物学者に発見されるのを待っていると思いたいです
 長い首は、竜脚類がこのような巨大な体つきになることを可能にした、基本的な体の特徴のひとつだ。

 こんなに長い首のおかげで、その場所に立ったまま、広範囲の草を食べることができる。つまり、あまり労力を使わずに大量の食べ物を摂取することができるということだ。

 長い首は、体の表面積を広げることで、涼しさを保つのにも役立った可能性がある。これは、ゾウが大きな耳で体温を下げているのと同じ原理だ。

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4種のマメンチサウルスのスケール比較。一番大きくて首が長いのがメンチサウルス・シノカナドルムだ / image credit:Steveoc / WIKI commons首は巨大だが、椎骨が空洞で軽くなっていた 竜脚類のライフスタイルは、恐竜の歴史の初期に進化して大成功をおさめ、6600万年前に小惑星の衝突によって大量絶滅した最後の日まで続いた。生き残った唯一の恐竜は、現代の鳥類の祖先だ。

 なぜ、竜脚類が自重でつぶれることなく、首も体もあれほど巨大に進化したのか?初めて彼らの化石が発見されて以来、専門家たちをずっと困惑させてきた。

 だが、マメンチサウルスの化石をX線でスキャンしたところ、椎骨が空洞になっていて軽くなっていることがわかった。その容量の3分の2から4分の3が空洞だったのだ。

 同じような骨の特徴は、飛ぶために体重をできるだけ軽くしなくてはならない鳥類にも見られる。

 しかし、竜脚類においては、このような軽い骨だと骨折しやすいはずだが、棒状の首肋骨(椎骨の延長部分)があって、これが首をしっかり支えて安定性を向上させていたのだ。

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「巨大竜脚類のもっとも注目すべき点は、骨格がいかに軽くできているかということです」ムーア氏は言う。
親戚関係にある現在も生存している鳥類と同じように、竜脚類は骨に侵入して、重たい骨髄や骨組織を空洞に置き換えることができる肺を持っていました。

このような軽い構造は、史上最大の竜脚類の巨大な首を軽量化するために不可欠なものだったのでしょう
 この研究は『Systematic Palaeontology』誌に掲載されている。

References:‘Gargantuan’: China fossils reveal 70-tonne dinosaur had 15-metre neck | Science | The Guardian / written by konohazuku / edited by / parumo

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