24の目を持つ猛毒クラゲの新種を香港の湿地で発見
 毎年9万羽の渡り鳥がやってくる観光地として有名な香港のマイポ自然保護区の湿地で、新たに猛毒クラゲが発見された。

 このクラゲは、24もの目を持つハコクラゲの仲間で、希少なミツデリッポウクラゲ科の4番目の仲間となり、「トリペダリア・マイポネンシス(Tripedalia maipoensis)」と名付けられた。


 

目が24個ある新種の猛毒クラゲ マイポ自然保護区は、香港の北西にある湿地帯で、干潟やマングローブ林、エビの養殖場、芦原など多様な環境があり、世界的に貴重な湿地として、ラムサール条約に登録されている。

 そこで今回発見されたのが、新種のクラゲだ。

 これまで3種しか知られていなかった希少なミツデリッポウクラゲ科4番目の仲間で、ミツデという名の通り、3つの腕が特徴だ。

 その体は1.5cmほどの小さなものだが、3本の触手は10cmに達し、強力な推進力を生み出し、他の種類のクラゲよりも速く泳ぐことができるという。

 このクラゲは 「トリペダリア・マイポネンシス(Tripedalia maipoensis)」と名付けられたが、名前にあるマイポはマイポ自然保護区にちなんだものだ。

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HKBU discovers new species of jellyfish in Hong Kong

 ミツデリッポウクラゲ科は「ハコクラゲ」に属しており、その大きな特徴の1つがなんと目が24個もあること。

 ハコクラゲの傘には「ロパリウム」という目の役割を果たす感覚器官が4つある。その感覚器官1つにつき、目が6個ずつあるのだ。

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とりわけ強力な毒を持つハコクラゲ 箱のような傘を持つハコクラゲは、クラゲの中でも毒性が強い仲間が多いことで知られるグループだ。

 その毒は数種類の毒でできており、刺されるとわずか数分で麻痺や心停止を起こし、ときに死に至ることもある。

 地球上最強クラスの毒を持つことで知られる「キロネックス」や、提灯のようにおしゃれデザインの「キロデクテス・マクラツス」も、そんなハコクラゲの仲間だ。

 なおトリペダリア・マイポネンシスは、香港から新種のハコクラゲが見つかった最初の事例であり、その意味でも貴重であるそうだ。


 この研究は『Zoological Studies』(2023年3月20日付)に掲載された。

References:HKBU-led team discovers new box jellyfish species in Mai Po Hong Kong / Hong Kong researchers discover new box jellyfish species-Xinhua / written by hiroching / edited by / parumo

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