
今から約7,500万年前の白亜紀後期には、知られている中で最も大きなウミガメが存在していた。
アーケロン(Archelon)は、全長4m以上、体重は2000kgを超える巨大な亀で、現存するカメ目最大種「オサガメ」の全長は183~220cm、体重は250~700kgであることから、我々が想像する亀の概念を遥かに超えるサイズだ。
すでに絶滅してしまったこの驚異的な亀、アーケロンの生態や発見の歴史に迫ってみよう。
白亜紀後期の海の支配者、アーケロン 1895年、アメリカ、サウスダコタ州の地層からアーケロンの初めての化石が発見された。
さらなる化石の発掘により、この生物の巨大なサイズが明らかになり、科学者たちは巨大さと神秘性に驚愕することとなる。
アーケロンの甲羅は独特で、肋骨が骨質の板ではなく革状の皮膚や角質の板で覆わており、軽量化されていた。
しかし、その甲に手足を引き込むことができなかったため捕食者に襲われやすく、脚鰭が一つ欠けている化石も珍しくないという。
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脚鰭が欠損してしまっている状態のアーケロンの骨格 / image credit:public domain/wikimedia
甲羅を軽くすることで、スピードと機動性が向上し、その巨大なサイズにもかかわらず、素早く獲物を追い詰めることを可能としていたようだ。
彼らは強靭なあごを持っており、海綿から大型のクラゲやイカを捕食していたと言われている。また、アンモナイトを主食にしていたという説もある。
そんな巨大なアーケロンの天敵は、ティロサウルスなど大型のモササウルス類であろうと推測されている。
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Prehistoric Planet [2022] - Protostegid Screen Time白亜紀末の大量絶滅に巻き込まれる 地球上ではこれまで5回の大量絶滅が起きている、白亜紀末の大量絶滅(K-Pg境界)では、多くの生物種が絶滅した。
アーケロンもまた、この大量絶滅イベントの犠牲となった。
科学者たちは、この大量絶滅が隕石の衝突や火山活動の増加などによって引き起こされたと推測しているが、アーケロンがどのような環境変化に対応できずに絶滅したのかについては、まだ完全には解明されていない。
だが彼らの絶滅は白亜紀の海洋生態系の大きな変化を起こしたようだ。
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photo by iStock
アーケロンは白亜紀後期のの北アメリカ大陸の内海(サウスダコタ州・コロラド州の辺り)に生息していたことがわかっているが、他の地域からは発見されていない。
当時のウミガメは遠洋を回遊する習性または能力がなかったのかもしれない。
アーケロンの化石は、白亜紀の海洋生態系についての情報源ともなり、古生物学者や地質学者が過去の地球の様子を再現するための重要な手がかりとなっている。
これだけ巨大な亀ならば、竜宮城にいくのもあっという間だったに違いないな。
written by parumo
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アーケロン(Archelon)は、全長4m以上、体重は2000kgを超える巨大な亀で、現存するカメ目最大種「オサガメ」の全長は183~220cm、体重は250~700kgであることから、我々が想像する亀の概念を遥かに超えるサイズだ。
すでに絶滅してしまったこの驚異的な亀、アーケロンの生態や発見の歴史に迫ってみよう。
白亜紀後期の海の支配者、アーケロン 1895年、アメリカ、サウスダコタ州の地層からアーケロンの初めての化石が発見された。
さらなる化石の発掘により、この生物の巨大なサイズが明らかになり、科学者たちは巨大さと神秘性に驚愕することとなる。
アーケロンの甲羅は独特で、肋骨が骨質の板ではなく革状の皮膚や角質の板で覆わており、軽量化されていた。
しかし、その甲に手足を引き込むことができなかったため捕食者に襲われやすく、脚鰭が一つ欠けている化石も珍しくないという。
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脚鰭が欠損してしまっている状態のアーケロンの骨格 / image credit:public domain/wikimedia
甲羅を軽くすることで、スピードと機動性が向上し、その巨大なサイズにもかかわらず、素早く獲物を追い詰めることを可能としていたようだ。
彼らは強靭なあごを持っており、海綿から大型のクラゲやイカを捕食していたと言われている。また、アンモナイトを主食にしていたという説もある。
そんな巨大なアーケロンの天敵は、ティロサウルスなど大型のモササウルス類であろうと推測されている。
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Prehistoric Planet [2022] - Protostegid Screen Time白亜紀末の大量絶滅に巻き込まれる 地球上ではこれまで5回の大量絶滅が起きている、白亜紀末の大量絶滅(K-Pg境界)では、多くの生物種が絶滅した。
アーケロンもまた、この大量絶滅イベントの犠牲となった。
科学者たちは、この大量絶滅が隕石の衝突や火山活動の増加などによって引き起こされたと推測しているが、アーケロンがどのような環境変化に対応できずに絶滅したのかについては、まだ完全には解明されていない。
だが彼らの絶滅は白亜紀の海洋生態系の大きな変化を起こしたようだ。
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アーケロンは白亜紀後期のの北アメリカ大陸の内海(サウスダコタ州・コロラド州の辺り)に生息していたことがわかっているが、他の地域からは発見されていない。
当時のウミガメは遠洋を回遊する習性または能力がなかったのかもしれない。
アーケロンの化石は、白亜紀の海洋生態系についての情報源ともなり、古生物学者や地質学者が過去の地球の様子を再現するための重要な手がかりとなっている。
これだけ巨大な亀ならば、竜宮城にいくのもあっという間だったに違いないな。
written by parumo
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