コスタリカの深海でタコの赤ちゃんの保育所を発見!新種の可能性も
 コスタリカ沖の深海で、タコの赤ちゃんの保育所が発見されたそうだ。

 スミット海洋研究所の調査船「Falkor」による海中探検では、水深3000m付近で、タコの卵から赤ちゃんが孵化する素敵な瞬間まで目撃されている。


 それだけでなく、水深2800メートル付近にある低温の熱水噴出孔地帯「ドラド・アウトクロップ」では、何百もの不思議な海の生き物が見つかっており、その多くは新種の可能性があるとのこと。

 研究チームは、今後10年をかけて7大陸すべての海を調査する予定だそうで、新発見が続々と期待できそうだ。

深海で発見されたタコの保育所 コスタリカ西沖にある「ドラド・アウトクロップ」は、低温の熱水噴出孔を特徴とする深海の海底だ。

 2013年、ここでタコの保育所が発見されて、卵を産むために集まってきたタコのメスたちの姿が観察された。

 シュミット海洋研究所、コスタリカ大学、ビゲロー海洋科学研究所の研究チームは今回、調査船「Falkor」から水中ドローン「SuBastian」を海底に下ろして、タコの保育所を観察した。

 すると、保育所発見以来初めて、タコの卵が孵化する瞬間に立ち会うことができたそうだ。

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 深海に生息するタコの中には、産卵のために低温の熱水噴出孔に集まるものがいるという仮説がしっかりと確認されたそうだ。

 なおタコの種類はまだはっきりしないが、スミ袋を持たない深海タコ「Muusoctopus」の新種ではないかと考えられている。

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 Muusoctopusについては、おびただしいほどのお母さんタコがひしめくまた別の保育園所がカリフォルニアの海で発見されている

 ちなみに調査船「Falkor」は日本語で言うファルコンのことで、水中ドローン「SuBastian」はバスチアン。そう、ミヒャエル・エンデ原作のファンタジー作品『ネバーエンディング・ストーリー』にちなんだものだ。

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多くの新種を発見か?深海という想像のおよばない世界 なお、この海中探検で出会った生き物たちはタコだけではない。
このプロジェクトでは、何百もの海の生物が目撃されており、その多くは新種だろうと考えられている。

 その驚きについて、シュミット海洋研究所のジョティカ・ヴィルマニ博士は次のようにプレスリリースで述べている。
コスタリカの海の下にある2800mの海底で、新たにタコの保育所が発見されたことは、海にはまだまだ知らないことがたくさんあるという証拠です

コスタリカ沖の深海は人間の想像などおよばない世界です。水中ドローン「SuBastian」のおかげで、イトヒキイワシ・タコの孵化・サンゴ礁の庭など、驚きの映像を撮影することができました。

この素晴らしい海の驚異を発見し、研究できるよう、今後も支援を続けていきます
 その時の発見の様子はYoutubeに動画投稿されている。7時間に及ぶ映像となっているが、タコの保育所の映像は、5:11:00くらいから見ることができる。

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Dorado Outcrop | SOI Divestream 529

 なお今回の冒険は、世界中の海を探索するというシュミット海洋研究所のミッションのほんの始まりに過ぎない。

 同研究所は、2023年の北大西洋調査を皮切りに、今後10年間で7大陸すべてへの海に潜るという壮大な計画を立てている。

 そうした調査では、海底のマッピングや生物多様性の調査が行われるほか、温暖化に対する海の反応の評価などもされるとのことだ。

References:Scientists Discover New Deep-sea Octopus Nursery in Costa Rica - Schmidt Ocean Institute / written by hiroching / edited by / parumo

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