
そんな事態をイメージしたチェコの3DビジュアルクリエーターのCG映像がすさまじいことになっている。なお、ここで吸い込まれるのは、細かな粒子でできた人体模型めいたモデルである。
状況が状況なだけに、それで多少なりともリアル度が緩和できてりゃいいのだが、フードプロセッサー並みのエンジンにいざ吸い込まれた際の惨状はマイルドとはいえないかもだ。
あらかじめ言っとくが視聴はつぶ耐性やグロ耐性がそこそこある人限定。怖いもの見たさというか、好奇心がおさえきれない読者のみにおすすめする。
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HUMAN BODY vs AIRPLANE ENGINE animationジェットエンジンに吸い込まれ霧散する人体モデル飛行機のエンジンの前にたたずむのは人体模型みたいなモデル。それがおもむろにエンジンにすいこまれると
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無残にバラバラになり、小さな赤い粒子に分解される
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いかにもシュールな展開だが、もしこれが本物の人間だったら本当に背筋が冷える。吸い込んだとたん面影も微塵もないレベルに粉砕するとは。飛行機のジェットエンジンってフードプロセッサーとほぼ同じってこと?実際のエンジンブレードに人をミンチにする機構はない この動画はチェコの3Dビジュアルクリエーター atomic marvelさん が2021年に投稿したもの。
そのあまりのインパクトからその後もあちこちで定期的に取り上げられており、その再生回数は1280万回に届くほどになっている。
この動画について、アメリカの Youtuber のWATOPさんが「この動画の超強力なエンジンに人体モデルは太刀打ちできない」とコメント。
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そこに吸い込まれ、細かく裁断された人体モデルは燃料とともにエンジンで燃焼、その後気体粒子となってノズルから放出される。
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しかしWATOPさんは「実際のエンジンブレードに人をミンチにする機構はない」とし、もし「エンジンが異物を吸い込んだ場合は効率が下がるか停止する」と語っている。
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つまり現実にはこうはならない。かといって無傷ですむとも思えないけども。人間の事故のほか鳥によるバードストライク対策も 実際エンジンに吸い込まれた人が亡くなる事故は時折発生し、ニュースになることもある。
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また航空事故といえば、有名なのが鳥の衝突が原因のバードストライクだ。
野鳥を吸い込んだジェットエンジンが損傷し、重大な航空事故につながるケースもある。そこで空港などでは鳥を寄せつけないようハヤブサのロボットを使うなど様々な対策がさかんに行われている。
また小鳥は避けられずとも、人はもちろん、貨物用のコンテナなど他の吸い込み対策として、金網のようなフィルターをつけるアイデアもあった。
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だが実際は巨大な金網は重さもあって制御もできず厄介で、鳥よりもひどい爆発を引き起こすことが判明したため結局は無いほうがマシらしい。過去に攻撃機のエンジンに吸い込まれて助かった作業員の例 一方過去には飛行機のエンジンに吸い込まれた人間が助かった例もある。
1991年、アメリカ海軍の空母セオドア・ルーズベルトの飛行甲板で、夜間に艦上攻撃機A-6Eの離陸前の確認作業をしていたジョン・ブリッジスさんが、エンジンの吸気口から吸い込まれると同時にエンジンが火を吹く事故が起きた。
あわててパイロットがエンジンを止めたが、完全停止までには3分かかった。#OTD in 1991, flight deck crewman John Bridges was sucked into the intake of an A-6E aboard USS Theodore Roosevelt. Incredibly, he survived because he became wedged in the engine. The flames were caused by his equipment getting pulled through the jet. pic.twitter.com/FhnugoSbNC
— U.S. Naval Institute (@NavalInstitute) February 20, 2020
その待ち時間は永遠のように思われたが、その後ただちに救い出されたブリッジスさんは、多少の骨折や切り傷はあったものの無事生還した。
この時のエンジンの出火原因は、ブリッジスさんが身につけていたコートやゴーグルやヘルメット、そして工具などの装備だった。それらが先に吸い込まれ爆発を起こしたのだ。
頑丈なヘルメットも身代わりのように粉々に砕け散ったそうだ。
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彼が助かった理由はいくつかある。たとえば先に入った装備のおかげで早いうちにブレードが壊れたこと、また入り口にあたる吸気口が小さめだったことなどだ。
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それで一気に全身を吸い込まれなかったブリッジスさんは、とっさに腕をつっぱって吸引力に抵抗しつつ、吸気口とブレードの手前のあいだの狭い隙間に体を押し込めた。そしてエンジンの完全停止まで耐え忍んでいたそうだ。エンジンへの接近禁止。スタッフ同士の厳重な確認作業も実施 ただこれは幸運な例にすぎない。まれに発生する、航空系エンジニアなどが飛行機の確認作業の途中で突然エンジンに吸い込まれる事故についてスタッフらしきユーザーもこう呼びかけている。
ライトが点滅中の飛行機のエンジンの前や付近に立つのは禁止です。エンジン始動の際もあらかじめ数人が確認するルールがあり、誰一人エンジンの前に立たないよう事前の確認作業を徹底しています。それでも不用意に近づくスタッフがたまにいます。私が注意した人は発覚からすぐ倉庫作業の部署に飛ばされました。いやいやほんとゾッとする。てか一般人にはそもそもそんな機会もなさげだが一応いっておこう。よいこのみんなは作動中の飛行機のエンジンになど決して近づかないようにだよ。
References:timesnownews / unilad / youtube / thoughtnovaなど /written by D/ edited by parumo
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