アメリカで最も幽霊が出ると噂される呪われた人造湖、奪われた町がまるごと沈んでいる
 米国ジョージア州北部、アトランタの北東40マイルほどのところにあるラニアー湖は、かつて人種問題で恐ろしい虐殺事件が起こったいわくつきの場所だ。

 ここは、かつてアフリカ系アメリカ人(黒人)たちが住んでいたオスカーヴィルという町が水中に沈んでいる人造湖だ。


 全米でもっとも死人が多く出ている湖と言われており、幽霊の目撃情報も相次いでいる。

白人至上主義者による黒人差別が起きた場所 1912年、オスカーヴィルには、アフリカ系アメリカ人のコミュニティができていた。当時、米国では奴隷制が廃止され、黒人差別を行う州法ジム・クロウ法との間で、揺れていた時代だったが、黒人たちがここに集まり、自分たちの生活を築き始めていた。

 これは白人至上主義者にとっては、由々しき問題だった。

 白人が黒人社会に対して頻繁に暴力行為をはたらき、1921年には、オクラホマ州タルサで悪名高い虐殺事件が起きていた。

 白人至上主義者たちが黒人社会を敵視、排斥しようとする口実は、なんでも良かった。

 オスカーヴィルで白人女性の遺体が発見され、亡くなる前に性的暴行を受けていたとされ、それが黒人の大虐殺に発展してしまったのだ。

 ナイトライダーと呼ばれるギャングが、報復として暴力と脅迫で黒人たちを追い出そうとしたのだ。

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この湖の歴史は暗いが、今はウォータースポーツの人気スポットだ

 オスカーヴィル住民の子孫、ジョージ・ラッカーは、曽祖父が住んでいた家から逃げなくてはならない状況に追い込まれた経緯を語った。

「ナイトライダーたちがやって来たんです。曽祖父たちは、すべてを置いていかなくてはなりませんでした。それはおもに土地でした。
曽祖父は100エーカーの土地を持っていたんです」

 そして、黒人たちが川にかかる橋へと無理やり追いやられたことを説明した。
全員、泳ぐか溺れ死ぬかだと言われたそうです。ほとんどの人が助かりませんでした。曽祖父はかろうじて生き延びましたが、きょうだいたちの何人かを失いました


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奪われた町が人造の湖に沈められる そして、白人たちは、黒人から無理やり奪い取った土地に住み始めた。

 その後、1956年には、水力発電や水源のためにオスカーヴィルの町は水中に沈められ、ラニアー湖ができた。

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沈んだ建物や樹木により70年の間に700人もの人が死亡 しかし、沈んだ建物や樹木は、水中で泳ぐ者にとって極めて危険であることが明らかになった。

 ラニアー湖ができてからおよそ70年の間に、700人近くもの人たちがこの湖で死んでいるのだ。

 ダイバーたちは、湖の底に潜っているときに、死んだ者たちの骨を見つけることもあるという。

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Real Horror: The Dark and Deadly History of Lake Lanier幽霊の目撃情報が多発、呪いの湖として有名に 湖ができる前に撤去されたものの中には、多くの墓地があったという。

 墓標のあるものは、掘り起こされて移転されたが、そうでない墓の多くはそのまま取り残され、今も湖の底に沈んでいると思われる。

 当然のことながら、青いドレスを着た女性の幽霊「湖の貴婦人」の目撃情報が相次ぎ、こんなに死人が多いのは「虐げられた人々の呪いだ」といった噂がささやかれるようになった。

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Mysterious Disappearances Haunt Georgia Lake | The UnXplained (Season 3)
References:Mysterious Lake Lanier has claimed the lives of nearly 700 people in America / The 'most haunted lake in US' that created a supernatural frenzy and claimed 700 lives - Daily Star / written by konohazuku / edited by / parumo

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