断崖絶壁が過ぎる。標高1700mの山に村人たちが手作業で作ったトンネル道「郭亮洞」
 中国河南省にある郭亮村は、人里離れた場所にあり、太行山脈に囲まれた谷に位置している。高さ200mの垂直の崖の上にある郭亮村は、過去600年にわたり720段のほぼ垂直な階段を登らないとたどり着けなかった。


 だが1972年、外界へのアクセスを容易にするため、13人の村人たちが立ち上がり、手作業で全長700mのトンネル道が作られた。それが「郭亮洞」である。

村人たちが手作業で作った絶壁のトンネル道「郭亮洞」 郭亮村の村人たちは外界と行き来しやすくするため、村のリーダーである沈明新が発起人となり、山を削って道路を作る計画を立てた。

 人口300人しかいない村人たちは、資金を集めるために家畜を売り工具や材料を購入。1972年、13人の村人たちが手作業による危険なトンネル道づくりが開始された。

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 電動工具なしで、ハンマーやツルハシ、スコップを使っての作業。最も難しい時期には、3日に1メートルのペースでしか進めなかったと言われている。また、作業中、村人の1人が建設中に命を落とした。

 1977年5月1日、5年の歳月をかけてついにトンネル道「郭亮洞」が完成した。

 「郭亮洞」開通前は誰も郭亮村の存在を知ることもなかったが、このスリルに満ち溢れた絶壁のトンネル道は世界的な話題となった。

 とはいえ高所恐怖症の人には視覚的にクラックラするかもしれない。

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郭亮洞 / image credit:FANG Chen / WIKI commons / CC BY 2.0

 トンネルの壁には凹凸があり、30以上の異なるサイズや形の「窓」が存在する。


 これらの窓からの絶景は、多くの観光客を魅了しており、今や中国全土で知られる観光地となり、世界で最も険しい道路のトップ10にも名を連ねている。

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Road of Death | Guoliang tunnel road - World's one of dangerous roads
written by parumo

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