ジェットエンジン搭載リモコンカーの世界最速記録に挑戦!1回目で記録が出るも3回目にクラッシュ
 目指すはリモコンカーの限界突破!とばかりに魔改造で爆速ギネスに挑戦。文字通りクラッシュするまで記録を重ね、夢の世界最速記録を達成した。


 今年5月、航空宇宙工学系の人気チャンネル ProjectAir で有名なイギリスのYouTuber、 ジェームス・ヘムズリーが、ジェットエンジン搭載リモコンカーで時速152.50 km(94.76 mph)の最高記録を樹立した。

 このたび彼が自作した リモコンカーは、走行わずか1回目でいきなりこの記録をマーク。幸先の良いスタートを切るも3回目であえなくクラッシュしてしまった。

 規格外のエンジンがもたらした禁断のスピード。自らを破滅に追い込む勢いでギネスに挑んだリモコンカーに圧巻されよう。

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Fastest Jet Powered RC Car - Guinness World Recordsジェット推進のリモコンカー作りに取り組んできたYouTuber 自ら「裏庭の航空宇宙エンジニア」と名乗るイギリス在住のYouTuber、ジェームス・ヘムズリーは一年以上も前から世界記録を目指しジェット推進リモコンカーを作りに取り組んでいた。

 こつこつと準備を重ねてきた彼は、記録挑戦3ヶ月前にテストカーを制作。

 完成したリモコンカーは、アルミ製のシャーシに3Dプリンタ―で作ったノーズ、大量の電子部品でできていた。

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 肝心のジェットエンジンはドイツの JetCat 社製のJetCat 220。通常はラジコンジェット飛行機に乗せる小型のタービンエンジンだ。

 そのエンジンを車仕様に改造し、遠隔操作できるよう改造して地元のレースで試運転。そこで出た時速113kmに手ごたえを感じたジェームスは、本格的な挑戦を始めることに。


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 ギネスにこの部門の記録はまだなかったが、最低速度は時速150 km(93.2 mph) 以上と決まっていた。その条件をクリアできたらジェットエンジン付きリモコンカーの世界記録と認められる。リモコンカー愛好家が集う地元の空港で世界記録に挑戦 リモコンカーの性能に確信を得たジェームスは、イギリスのランベドル空港の滑走路で開催されるスピードイベントROSSAに参加。

 地元のリモコンカー愛好家が最速を競う場で、輝かしい記録への挑戦を開始した。

 ところがその日はあいにくの雨や風でコンディションが悪化。ジェームスは自作の車にそのような環境に対応するタイヤを用意しておらず、標準的なフォームタイヤで高速に耐えられるかどうかは一種の賭けだった。

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 そんな不安をよそに、リモコンカーが最初の走行で出したのは、なんと最高時速152.5 km(94.76 mph)!アクセル全開すらしないうちにいきなり世界記録を出したのだ。

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 思いがけず念願叶ったジェームスは、この車に余力があることから続けてさらなる記録を出そうと決めた。そのやる気が後の悲しい事故につながるとは当時の彼には知る由もなかった。記録更新中のリモコンカーが悲劇のクラッシュ! 実際記録を続けると、その後は好調なスピードと裏腹にがっかりの連続となった。

 2回目は時速220.7 km(137 mph)も出たが、ノーズが外れて失格。
 その原因はあとで固定ボルトの取り付け忘れと判明した。


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 さらに翌日、ノーズをなんとか修復して
 3回目に挑戦すると今度は決定的な悲劇に見舞われた。

 3回目は昨日より強い風の中、フルスロットルのラジコンカー がより速い最高時速226.9 km(141 mph)を達成!

 とっさに喜びかけたジェームスだが、次の瞬間、悲劇が起きた。風にあおられた車がまさかのコースアウト。その勢いで排水溝の蓋にぶつかり、飛び上がって墜落し分解してしまった。

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 この事故でエンジンは修復不能。記録更新からまもなく愛車を失ったジェームスにとって、これまでの時間と努力が一瞬で水の泡になるという、人生で最もショックな痛恨のクラッシュだった。

 とはいえ幸いにもジェームスの夢は叶った。一番最初の時速152.5 km(94.76 mph)は公式記録となり、今月25日に正式にギネスに認定。応援してきたファンも偉業を成し遂げた彼をほめたたえている。

 というか悪天候のコンディションを加味すると、最初の挑戦で記録更新できたのはむしろラッキーだったのかも?

 壊れたリモコンカー復活の兆しは今のところ不明だ。だが最後のスピードといい、粘り強いジェームスがいずれ自身の記録をまた更新!なんて展開も充分ありそうだね。

References:upi / youtubeなど /written by D/ edited by parumo

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