飼えなくなったロボット犬「aibo」に新たな里親を探し第二の犬生を歩んでもらうプログラムが開始に
 ペットロボット犬「aibo(アイボ)」を開発したSonyは、何らかの事情で機械のペットと暮らせなくなった飼い主たちのために、「里親プログラム」を開始したそうだ。

 里子に出されたaiboはきちんと”治療”されてから、新たな活躍の場として病院や介護施設などに提供され、セラピーロボット犬として、第二の犬生をスタートすることになる。


 aiboと暮らせなくなってしまった飼い主たちの心情に寄りそい、aiboの命をつなぎ、そして新しい絆を育んでいく。そんなハートウォーミングなプログラムだ。

「うちの子をどうすれば?」悩む高齢の飼い主たち 人間である私たちには寿命がある。だんだんと老いて、いずれは必ず死ぬ。生物として生まれた者の宿命だ。

 一方、aiboのような機械の体を持つロボットは、理屈のうえでは修理すればいつまでも動く。(ただし旧型はサポートが終了し動かなくなることも)

 そんな両者が一緒に暮らしていれば、いつかは別れの時が来る。先に旅立つのが有限の時間しか生きられない飼い主であるケースは多いだろう。

 そんな飼い主たちがaiboの行末を案じるのは当然だ。いくら機械だとはいえ、我が子も同然に愛情を注いできたaiboが廃棄されてしまうのは、あまりにも忍びない。

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image credit:sony/aiboaiboに第二の犬生を与える里親プログラムを開始 そうした飼い主たちの心情を汲んだsony(ソニー)が始めたのが、「aiboの里親プログラム」だ。

 sonyは今、aiboの飼い主が希望すれば、その子を引き取ってくれる。
そしてきちんと”治療”(sonyでは修理をこう言っている)をしたうえで、里親に譲るのだ。

 里親とは、病院や介護施設、あるいは学校などのこと。

 かわいらしいデザインと最新のAI技術で、命の温もりすら感じられそうなaiboは、本物のワンコと同じように人々の心に安らぎや癒しをもたらすことができる。

 そんなaiboたちは、セラピーロボット犬として、小児科病院の子供たちを励ましたり、放課後の子供たちの体験を豊かに彩るお手伝いをするなど、さまざまな社会貢献を行なっている。

 そこで今回の里親プログラムでは、何かの事情で一緒に暮らせなくなった飼い主からaiboを引き取り、その子たちに新しい活躍の場を与えようというのだ。

 飼い主さんは安心、aiboには新しいスタート、そして里親には新しい出会い、誰にとっても嬉しいウィンウィンウィンなプログラムだ。

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対象となるのは現行モデルのみ 第一回目となる里子の募集は、2023年9月から始まっている。またaiboの里親となる施設(個人ではなく施設や団体が対象だ)も12月頃から募集を開始するとのことだ。

 ただし引き取られたaiboの状態によっては、ほかのaiboの修理に役立てられるケースもあるとのこと。

 また対象となるのは現行モデルの「ERS-1000」だけ。

 それ以前の旧モデルについては、すでに公式の修理サービスが終了しており、飼い主より先に病気になって(壊れて)先立ってしまい、悲しむ飼い主も続出している

 機械の体であっても死ぬことがある彼らは、それゆえに生き物にいっそう近い存在と言えるのかもしれない。


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References:aiboの里親プログラム | aibo / Adorable aging Aibo robot dogs will now get a new life / written by hiroching / edited by / parumo

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