人間の言葉を覚えた鳥は、その言葉を真似して鳴くだけじゃなく、仲間にその鳴き方を教えるという。教わった鳥はその言葉を習得し他の仲間へと伝えていく。
例えば人間の言葉を覚えていたペットの鳥が逃げ出した場合、ペットの言葉は自然で暮らす仲間たちに伝搬し、森の中から「ピーコちゃんおはよう」の声が一斉に聞こえてくるなんてことがあるのだ。
誰もいない森の中から人間の声が オーストラリア博物館に勤務する博物学研究者マーティン・ロビンソン氏によると「誰もいないはずの森の中から人間の声が聞こえてくる」という報告が博物館に数多く寄せられているという。
だが安心して欲しい。幽霊話ではない。
実はこれ、元々誰かにペットとして飼われ、人間の言葉を覚えた鳥が、逃げ出したり迷子になって森に入った結果、仲間たちにその言葉を教え、複数の鳥が人間の言葉を話すようになったためだ。
森の中で人の声を耳にしたという人の話によると「こんにちは、ピーコちゃん」、「おはよう、ピーコちゃん」などの言葉が多いそうだが、中にはとても口にするのは恥ずかしい汚い言葉を投げかけられた人もいるという。
誰もいないはずの森の中で薄汚い言葉でののしられたら、そりゃもうびっくりするに違いないだろう。
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人間の言葉は鳥から鳥へ伝搬していく 人間の言葉を覚えた鳥はその言葉を仲間に教え、仲間はその言葉を習得し、同じように鳴くようになる。
一度覚えた人間の言葉は、親鳥から子鳥に伝えられることもあり、何代にもわたって受け継がれていくこともあるという。ココドリは昔使用されていた機器のモノマネを伝えている この現象は何も人間の言葉に限ったことではない。
オーストラリア南部には、今は使われることのない斧やボックスカメラの音をまねるコトドリがいるそうだ。
この音を聞いて真似をしていたココドリが、その鳴き方を伝え、それが子孫代々受け継がれているのだ。
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伝言ゲームと同じように徐々に言葉が変わっていく ただし、人から離れたオウムたちは次第に人間の言葉を忘れていくため、最初に伝えられた言葉は徐々に崩れていき変化していくという。
これに対し、人に接する機会の多いシドニーなどの大都会では、逆により正確に人間の言葉をまねるようになっていくとのこと。
言葉の意味まで完全に把握しているのかどうかはわからないが、オーストラリアでは人がいなくても話しかけられることもあるわけで、それは心霊現象でもなんでもなく、鳥の仕業を思っておけば、何も怖いことはないかもしれないね。
References:Birds of a feather talk together - Australian Geographic / written by parumo
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