古代エジプトにも赤ペン先生が存在した。4000年前の文字板に赤い修正文字

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 現代では通信講座でも赤ペン先生なるものが、間違った箇所を赤字で修正してくれたりなんかするが、そのルーツは4000年以上も前の古代エジプトにあるようだ。

 現在ニューヨーク、メトロポリタン美術館に所蔵されているこの文字板は当時の生徒が文字の書き取りに使用していたものだ。

 いくつかの文字の横には赤い文字が記されており、先生が赤字で文字の言い回しや綴りを修正していたのだ。

古代エジプトで使用されていた文字板と字体

 エジプト中王国時代(紀元前2040年頃-紀元前18世紀頃)にさかのぼるこうした文字板は、再利用できるものだった。

 20世紀始めまで学校の教室で使われていたスレートの筆記板とよく似ていて、毎回、文字を書いた後に上から白塗りすると、何度も使い回すことができた。

 現在でも芸術家が、下地としてこうしたやり方をしている。この板の左側には、完全に消されていなかった古い文字の痕跡が見られる。

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 ここに見られる文字は、私たちが遺跡の壁や、古代のパピルスの巻物などでよく見る、伝統的なヒエログリフ[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%82%A8%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%95]と完全に同じものではない。

 ヒエログリフは複雑なので、普通の書記にとっては少々実用的ではなかった。そのため、ヒエラティック(神官文字)[https://kotobank.jp/word/%E3%83%92%E3%82%A8%E3%83%A9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF-364295]と呼ばれる楷書体と草書体の中間にあたる簡易版の文字が紀元前3000年頃に開発された。

先生に赤ペンで修正された文章の内容とは?

 この文章を書いた生徒については、文書解釈を専門とするエジプト学者、故ウィリアム・C・ヘイズ氏の著書『The Scepter of Egyp[https://www.metmuseum.org/art/metpublications/The_Scepter_of_Egypt_Vol_1_From_the_Earliest_Times_to_the_End_of_the_Middle_Kingdom]t』の第一巻で詳しく知ることができる。

 ヘイズ氏は、イニスという若者が自分の兄の名前を宛名にみたてて、「非常にフォーマルでバカ丁寧」な手紙を書く練習台としてこの文章を作った、と書いている。

「手紙の受取人のための祈りの言葉、例えば(古代エジプトの都市)テーベや近隣の町の守護神への呼びかけといった、やたら長い前文に続いて、やっと本文に入り、神聖な樹皮と思われる船荷の出荷について書かれていることがわかる」とヘイズ氏は説明する。

 クラスを教えていた教師である書記がそれを見て、彼の言い回しや綴りに対していくつか問題を指摘し、赤インクで修正を加えたのだ。

 古代エジプト時代を生きたイニスという生徒にとても親近感を覚えてしまうのは私だけではないはずだ。

小中学校時代、先生に訂正された赤い文字が脳の中を駆け巡ることよ。

 他にも古代エジプト時代から宿題は存在したというし、当時のエジプトの子供たちも今の子供たちと同じ境遇だったと思うと感慨深いよね。

追記:(2023/10/17)本文を一部訂正して再送します。

References:4,000-Year-Old Tablet Shows Teachers Have Reached For The Red Pen For Centuries | IFLScience[https://www.iflscience.com/4000-year-old-tablet-shows-teachers-have-reached-for-the-red-pen-for-centuries-70982] / written by konohazuku / edited by / parumo

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