分厚いスモッグが空を覆う。インドの首都デリーの深刻な大気汚染
 インド北部の首都デリーの大気汚染が深刻なレベルに達し、都市全体を覆う分厚く有害なスモッグが市民の日常に深刻な影響もたらしている。

 デリー汚染管理委員会(DPCC)によると、デリーの空気質指数(AQI:大気汚染の程度を示す指標)は11月4日に、6段階あるうちの最も危険なレベル(Hazardous)の413に達した。

 市民はX(旧Twitter)に、まるで白い霧がかかったかのように、景色がはっきり見えない様子を撮影して投稿している。

 この大気汚染レベルは今後2週間でより悪化する見通しで、当局がデリーと周辺地域が危機的状況になると警告している。

インドの首都を襲った深刻な大気汚染 2023年11月4日、デリー首都直轄領では空気の質が深刻なレベルにまで悪化した。市民は目の刺激や呼吸困難を訴え、深刻な懸念を抱いている。

 Xでは、まるで白い霧に覆われたのようなデリーの光景がわかる映像や写真が共有されている。  スモッグに覆われたアーグラ高速道路の様子も投稿されている。 空気質指数は最悪のレベルに いくつかの国では大気汚染の程度を示す指標として空気質指数(AQI)が用いられており、インドもこれを採用している。

  AQIは大気汚染をモニタリングして、空気中の粒子状物質(PM2.5)や二酸化硫黄などの汚染物質の濃度を測定し、空気の汚染度を指数化したもので、行政機関が発表している。

 6つのレベルは分類されておりその指数は以下の通りだ。

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 11月3日、デリーのAQIは392から468となった。これは最も重度な「Hazardous(危険)」レベルである。

 その理由は好ましくない気象条件、地域の汚染源からの排出、そして最も顕著なのが、北西の風が焼畑農業による汚染を運んでくることだ。

世界の大気汚染: リアルタイム空気質指数(AQI)』の地図を見ると、インドの大気汚染が突出して高いことがよくわかる。

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 デリー汚染管理委員会(DPCC)の分析によると、首都の汚染がピークに達する時期は11月1日から15日だという。

 悪化する大気汚染を受けて、当局は首都で不要な建設作業の禁止と初等学校の閉鎖を決定した。

 先週金曜日には、市民から目の刺激や喉のかゆみ、空気が濃い灰色に変わるとの苦情が寄せられた。医療専門家は、大気汚染が子供や高齢者の喘息や肺の問題を増加させていると懸念を表明している。

 ちなみに日本国内の大気汚染の状況は以下のサイトから見ることができる。
Japan 大気質指数 (AQI) : リアルタイムの大気汚染レベル

References:Delhi Pollution Memes Take Over Internet As Air Quality Worsens To 'Severe' / written by konohazuku / edited by / parumo

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