特級呪物。呪われているとしか思えない4つの遺物に手を出してしまった科学者たち
映画『インディ・ジョーンズ』シリーズは、 世界的に有名な考古学者のインディが、世界各地の遺物を巡る冒険物語だが、現実の科学者たちもその好奇心においては負けていない。

 決して触れてはいけない、明らかに呪われていると思われる遺物を発見し、徹底してその静かな眠りを妨げようとする熱意を持っているようだ。


 ここでは、まさに呪われているかのような遺物に手を出してしまった科学者たちの4つの興味深いケースを見ていこう。

決して腐敗しない女性のミイラ 1960年代、建設作業員が、レディ・ダイの墓を初めて発見した。この女性はシン・ズイ(Xin Zhui 辛追)という名の中国・漢王朝の貴婦人だ。

 1970年代にこの場所を発掘した考古学者は、まるで生きているような、驚くほど保存状態のいいレディ・ダイのミイラを目の当たりにした。

 "彼女に触れてはいけない"という雰囲気を嫌でも感じさせられたのは、発見時、彼女の遺体が透明な液体に浸かっていて、その液体が空気に触れたとたんに茶色に変わったことだった。

 この液体は、遺体の保存を助けるための薬草の溶液か、腐敗によって浸み出した、彼女自身のさまざまな体液のいずれかだろうと思われた。

 とにかく、信じられないことだが、レディ・ダイの皮膚はまるで生きているかのように柔らかく、血管には凝固した血液がそのまま満たされていた。

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巨大な黒い石棺 2018年、エジプトの考古学者たちが、地下5メートルのところで、プトレマイオス王朝時代(紀元前323年から紀元前30年)にさかのぼる長さ2.65メートルの大きな黒い石棺を発見した。

 すると、一般市民から、呪われるから開けてはいけないという声があがった。

 だが、考古学者たちはこれを開け、内容物を明らかにした。ひどい臭気がしたため開封後、1時間以上、そのまま放置した。

 中には赤茶色のヘドロのようなものが詰まっていて、そこには複数の人骨があったという。
これら人骨は役人や軍関係者のものと思われ、中には頭蓋骨に矢の傷があるものもあった。

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崩壊した地下道内のローマ兵士の遺骨の壁 通路をふさぐように積み上げられた、ローマ兵の遺骨でできた壁が発見された。考古学者サイモン・ジェームズ氏によると、この光景は化学兵器戦争の初期の例ではないかという。

 兵士たちはおそらく、市壁の下を掘って軍事基地に入ろうとして、防御側のペルシャ軍の攻撃にあった可能性が高いという。

「ローマ軍が、市壁の下に造られた、支柱のたくさん建つ地下道を突破し始めると、ペルシャ軍は、瀝青(アスファルト)や硫黄の結晶を火鉢の中に投げ入れて火をつけ、ローマ軍のいる地下道に投げ込んだのだろう」ジェームズ氏は説明する。

「これらの物質は燃やすと、二酸化炭素、命にかかわる一酸化炭素、さらに厄介な二酸化硫黄ガスを含む、油性の炭化水素煙という致死的な高温ガスの濃い雲を発生させる」

 たちまち、ローマ兵士たちは窒息死し、背後から迫る地獄の硫黄雲から、よろめきながら逃げようとするも、19人が死んだ。まだ生きていた者も引きずり出されて、哀れ壁の材料になったのだ。

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地下道で発見されたペルシア兵士の骸骨。男性は自ら起こした火事で発生した有毒ガスで窒息した可能性がある / image credit:Yale University Art Gallery, Dura-Europos Collection黄金の義眼 2006年、イランのザボルで4800年前にさかのぼる女性の遺骨が発見された。彼女は当時としては、180センチという長身で、黄金の義眼をはめていた。

 この義眼は、目の解剖学に詳しい者によって造られたと思われ、金色のワイヤで血管が再現されていた。この女性は巫女だったと言われているが、本当のところはわからない。


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References:4 Times Scientists Disturbed The Obviously Cursed Items | IFLScience / written by konohazuku / edited by / parumo

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