これは結果的に、北米大陸の先住民である、ダコタ族の長老たちが予言したことが実現したことになる。
予言には、100年以上前にこの地域で絶滅したバイソンが再び戻ってきたとき、部族の運命は好転するだろうと書かれている。
先住民の地に絶滅したバイソンを再導入 カナダ、サスカチュワン州サスカトゥーン市近くのワナスケウィン国立遺産公園は、複数の先住民族の神聖な土地を守っている。
2019年、ここを保存するためのプロジェクトの一環として、絶滅してしまったバイソンの再導入が行われた。
サスカチェワン州南部のグラスランド国立公園から、メスのバイソンの子牛6頭と、イエローストーンに先祖をもつ雄牛1頭とメス4頭を連れてきて放ったのだ。
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The Return of the Bison to Wanuskewin Heritage Parkバイソンのひづめが岩面彫刻を発見 スー族最大部族「ダコタ族」の幸運の最初の兆候は、バイソンが導入されてわずか8ヵ月後にみられた。
バイソンの蹄(ひづめ)が、40年間の考古学調査では不可能だったものを発見したのだ。
十分な有機物はなかったが、発見されたふたつの岩面彫刻は、300年から1800年前にさかのぼるものであることがわかった。
この時代は、ダコタ族、ナコタ族、アシニボイン族、オジブウェー族、クリー族、ブラックフット族が、さまざまな時期にここワナスケウィンの地に住んでいた。
考古学者のアーニー・ウォーカー氏によると、ワロウという草のない大地にいた数頭のバイソンに近づいていったとき、地面から妙な格好で突き出ていた石を見つけたのだという。
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バイソンが発見した古代の岩面彫刻 / image credit:Wanuskewin Heritage Park
岩の一部に深い溝が刻みつけられているのがわかったため、土を取り除いて石を掘り出してみた。すると、バイソンの肋骨のような形に彫られた儀式用の岩面彫刻「リブストーン」の十字線が露わになった。
「壊れた石器など、日常生活に使う道具の残骸も発見しました」ウォーカー氏は言う。
でも、そこには先住民の考えや感情は見つかりませんでした。ところが、この岩面彫刻がそれをもたらしてくれたのです。
現在とは別の次元のものですが、会ったこともない誰かの希望や夢が垣間見えるものだったのです(ウォーカー氏)
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新たに見つかった古代の岩面彫刻 / image credit:Wanuskewin Heritage Park
その後の発掘調査で、さらに4つの岩面彫刻、250kgのリブストーン、545kgの石、ふたつの小さな標本が見つかった。彫刻を彫るのに使われたと思われる石のナイフも出てきた。
ワナスケィン遺産公園のダーリーン・ブランダーCEOは言う。
このような驚くべき物語を共有できるなんて、ここ何十年の間でもっとも幸運なことです。
今日、こうした物語を皆で分かち合い、ここ北部平原に住んでいた人たちの独特で美しい文化に光を当てることで、先住民との和解を呼びかけることは、私たちの義務なのです
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ワナスケウィン遺産公園 / image creditiStock:
この岩面彫刻は、2.4平方km(東京ドーム約52個分)の公園内で初めて発見されたもので、その配置は独特だった。
石から直線で347m離れたところに、先住民のハンターたちにとって注目すべき場所があった。バッファロージャンプと言われる所で、そこは群れの動物が驚いて、崖の淵から逃げ出す場所だ。
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ワナスケウィン遺産公園のバイソン / image credit:Wanuskewin Heritage Park先住部族の長老の予言が現実に「長老たちはよく、バイソンが戻ってくるときは、自分たちの歴史にいい変化があるときだと言っていた」ウォーペトン・ダコタ族の長老、サイ・スタンディングは言う。
「我々は長い間、不遇だったが、これから、運命が上向きになっていくように感じる」
ダコタ族は、大きな石は神聖なもので、それらがある場所にそのまま残すべきだと信じている。
ワナスケウィンは、ユネスコ世界遺産に登録申請中で、こうした遺物は、神聖な場所の物語を語り伝えるのに重要な役割を担っているからだ。
世界中で見つかっている岩面彫刻とは一線を画し、ワナスケウィンのものは、動物そのものではなく、その動物の特徴がわかる彫刻、いわゆる"動物の蹄の跡"という伝統のもとに彫られている。
今回見つかったリブストーンの十字線はバイソンの胸郭を表すものであり、平原にいるバイソンハンターがすぐに見つけやすいデザインになっている。
References:Bison in Canada Discover Ancient Petroglyphs, Fulfilling an Indigenous Prophecy | History| Smithsonian Magazine / written by konohazuku / edited by / parumo
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