メキシコの農民たちが麻薬カルテルに立ち向かう
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 メキシコでは、人々の暮らしが水面下で麻薬組織に支配されているといっても過言ではなく、逆らえば命をも奪われかねないこともある。

 しかし先日、小さな田舎町で農民たちが麻薬カルテルメンバーに対し戦いを挑んだ。

まるで現代版一揆のようだ。

 カルテルは地元の農民に対し、保護や安全の名目で強制的に金銭(日本でいうみかじめ料[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%BF%E3%81%8B%E3%81%98%E3%82%81%E6%96%99])を徴収しているが、さらにその金額の値上げを発表したため、農民らはカルテルに立ち向かったのだ。

農民が麻薬カルテルの不当な要求に耐えきれず反乱

 12月8日の午後、メキシコ・ミチョアカン州テクスカルティトランという小さな田舎町で、麻薬組織「ラ・ファミリア・ミチョアカーナ」のメンバーと地元農民との間で戦いが起きた。

 この日、ラ・ファミリア・ミチョアカーナのメンバーは、農民グループに対してみかじめ料の値上げを発表した。

 農民たちはすでにみかじめ料として、1平方メートルあたり1メキシコ・ペソ(約1060円)を彼らに支払っている。しかし、カルテルはその2倍の金を要求したようだ。

 今年は収穫が非常に悪く、農民たちは今のみかじめ料を支払うのがやっとだった。

 それを倍額請求された農民たちは、カルテル・メンバーに立ち向かったのだ[https://x.com/TBifford/status/1734294428611928347]。

メキシコの現代版一揆

 カルテル・メンバーは銃弾を放ったが、農民らは一致団結し、現代版一揆のごとく、それぞれが鉈(なた)で反撃した。

 その結果、カルテル・メンバー10人と農民4人が死亡、7人の負傷者が出た。

 メキシコ当局によると、死者の中にはカルテルのリーダー、リゴベルト・デ・ラ・サンチャ・サンティリャンも含まれていたという。

農民たちは組織の暴挙を政府に伝えていたが支援されず

 メキシコ州警察署長アンドレス・アンドラーデは、死亡した組織リーダー、サンティリャンについてこのように話している。

彼は犯罪組織のリーダーの役割を担っていたため、われわれの主要なターゲットだった。彼を追うために、いくつかの捜査が進行中だった。

 農民たちは、不当な要求に対して立ち向かうとメキシコ軍に事前に話しており、支援を求めていたが、結局メキシコ軍がなんらかの手を打つということは一切なかったという。

 「もう金は払わない。私たちは軍の支援を求めたけど誰も現れなかった」と、農民たちは怒りの声をあげている。

土地の値上げの利益を得るカルテル組織

 ラ・ファミリア・ミチョアカーナは1980年代後半に設立され、メキシコ中央部のミチョアカン州で発展した後、その大半をメキシコ州に移した。

 土地のみかじめ料は主要な収入源の一部となっており、犯罪グループは暴力と領土支配を利用して利益を得ている。

References:Farmers Killed 10 Cartel Members with Machetes Over Extortion Fees[https://www.vice.com/en/article/y3wkzx/farmers-killed-10-cartel-members-with-machetes-over-extortion-fees]/ written by Scarlet / edited by parumo

本記事は、海外の記事を参考にし、日本の読者向けに独自の考察を加えて再構成しています。

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