インドで珍しいブラックタイガーが発見される。疑似メラニズムにより黒色の模様多め
 インド、オリッサ州のシムリパル国立公園で通常の虎よりも黒成分多めの「ブラックタイガー」と呼ばれる珍しい虎が発見された。

 ブラックタイガーは、擬似メラニスティック(疑似黒色化)により、通常の縞模様が異常に濃くなったり、広がったりした個体のことだ。

 インド森林局のパーヴィーン・カスワン氏がSNSでその姿を撮影した画像を投稿したところ、その珍しさと美しい姿が話題となっている。

希少なブラックタイガーがインドで発見される インド森林サービス(IFS)のパーヴィーン・カスワン氏は、インドに生息する野生生物の魅力的な姿を撮影し、自身のXアカウント(@ParveenKaswan)に投稿してくれている。

 カスワン氏は最近、オリッサ州シンリパルで発見された珍しいベンガルトラの写真を公開した。

 それは通常のトラとは異なり、黒色の模様が多めに入っている「ブラックタイガー(Black tiger)」と呼ばれるものだ。

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ブラックタイガーの柄が異なる理由 なぜ通常の柄とは異なるブラックタイガーが稀に存在するのか?

 その理由は「擬似メラニスティック(pseudo-melanistic:疑似黒色化)」によるもので、メラニン色素の過剰生成によって縞模様が通常よりも濃く、密に現れるのだ。

 擬似メラニスティックは特定の遺伝子変異によって引き起こされることが多いという。一般的に、遺伝的変異はランダムに発生し、特定の個体群内で繁殖することによって、その特徴が子孫に伝えられる可能性があるという。

 ちなみに通常のベンガルトラの模様はこんな感じ

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一般的なベンガルトラphoto by iStock

 そして今回発見された黒成分多めのブラックタイガー インドでもオリッサ州でのみ発見されるブラックタイガー ブラックタイガーの柄の変異は、個体の外観に影響を与えるものの、その他の健康面や生態系における影響はほとんどないという。

 ブラックタイガーは非常に珍しいが、オリッサ州でのみ発見されることがあるという。

 カスワン氏によると、シンリパルのブラックタイガーが最初に確認されたのはで1993年だそうで、ポダガド村に住む若者が自己防衛のためにこの虎を矢で射落としたそうだ。

 公式にブラックタイガーが発見されたのは2007年だそうで、現在生息しているブラックタイガーはその遺伝子を引き継ぐ者と考えられている。

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written by parumo

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