世界一最高齢の犬の年齢に疑惑が浮上。ギネス記録が一旦保留に
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 カラパイアでも取り上げていたポルトガルの犬、ボビは、2023年に31歳で亡くなったものの、それまでは、存命する最も長生きな犬、および史上最高齢の犬としてギネス記録に認定されていた。

 ところが今、ボビの年齢に虚偽疑惑が浮上しているという。
1999年のボビの画像と死亡した犬の肉球の色が異なることで、疑問が沸き出たようだ。

 現在、ボビが授与したギネス世界記録の称号は一時保留となり、事実について調査中だという。

世界最高齢とされていた犬に年齢詐称疑惑 純血種のラフェイロ・ド・アレンティジョ種のボビは、ポルトガルの農家で生まれた。

 ボビの死亡時の年齢は31歳5ヶ月とされていた。それまでの犬の最高齢記録は、1939年に29歳5ヶ月で死亡したオーストラリアン・キャトル・ドッグのブルーイだった。

 しかし、ボビの記録に対する疑問はすぐに表面化し、彼の年齢が人間の年齢に換算して200年以上になることから、一部の観察者は疑念を抱いた。

 2023年2月、ボビは生存する中で最も長生きで、史上最高齢の犬として、ギネス世界記録に認定された。さらに同年5月、31歳になり自らの記録を更新した。

 だが犬の31歳は、人間だと200歳以上になることから、一部の人から既に疑惑の声が上がっていた。

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過去の写真と肉球の色が異なるとの指摘も 最近になり、1999年のボビの写真と、最近撮影されたボビの肉球の色が異なることが指摘された。

 また、国家ペットデータベースに記録された彼の年齢が飼い主の自己申告に基づいていることや、遺伝子検査ではボビが高齢であることは確認できたものの、正確な年齢が特定できなかったことなどから、年齢詐称疑惑が高まっていったようだ。

 現在、獣医師が肉球に関する調査を進め、ボビの実年齢を割り出そうとしているという。


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ギネス記録は一旦保留に これにより世界ギネス記録では、ボビの記録を一旦保留とすることを決定した。
現在調査中ですがすべての調査結果が揃うまで、ボビの"現存する最高齢の犬 "と "史上最高齢の犬 "の両記録のタイトルを一旦保留することにしました。
 ポルトガルに住むボビの飼い主レオネル・コスタさんは、ボビは1992年に生まれたと主張していた。

 その長寿の理由は、味付けされていない人間の食べ物を食べることと、森林や農地を自由に旅することにあると語っていた。

 なお、獣医であり王立獣医大学の評議員であるダニー・チェンバース氏は、「私の獣医仲間では、ボビが実際に31歳だと信じている者は一人もいない」と述べている。

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ボビが永久に記録剥奪となれば前記録者がトップに返り咲き 海外メディアの調査によると、ポルトガル政府の犬猫登録データベースには、飼い主が1992年生まれと説明していたボビの項目があったものの、その発言を肯定も否定もできるような登録やデータはないことが判明したという。

 政府のデータベース担当者もまた、ギネス世界記録から情報を確認するために連絡を受けたことはないと同誌に語っている。

 ちなみに、現存する世界一長生きの犬のギネス記録の方だが、ボビの前はスパイクというチワワが記録を持っており、今も生きている。

 体高22.86cm、体重5.85kgのスパイクは、2022年12月7日に23歳と7日で世界最高齢の生存犬であるとギネス世界記録に認定されている。

 もし、ボビの年齢が虚偽であると判明した場合、スパイクがトップの座に再び返り咲くことになるという。

 ボビの死は今年初め、家族に近い同獣医師によって確認された。

 ボビの死後はSNSで「歴史上のすべての犬よりも長生きしたにもかかわらず、ボビを愛した人々にとって、ボビの地上での11478日は決して十分ではなかっただろう」と長寿犬の死を悼んでいた。


References:‘World’s oldest dog’ title under review as claim is investigated | Guinness World Records | The Guardian / 'World's oldest dog' stripped of Guinness record in investigation over paw colour/ written by Scarlet / edited by parumo

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