BMWがヒューマノイドロボットを工場に配備予定。人間界に浸透していく人型ロボット
 ドイツの高級車メーカー「BMW」は、自動車づくりをヒューマノイドロボットに任せることにしたようだ。「BMW Manufacturing」の発表によると、同社はロボット新興企業「Figure(フィギュア)」と提携し、米国の工場に人型ロボットを配備していく予定であるという。


 カリフォルニア州サニーベールに拠点を置くフィギュアにとって、この商業契約は2022年に設立されて以来初めてのものとなる。

 Figure社の最高経営責任者ブレット・アドコック氏が語ったところによると、最初は少数の人型ロボットを導入し、目標を達成することができれば、さらに導入を増やしていくことになるという。

今後1~2年以内にヒューマノイドを工場に導入 フィギュアの人型ロボットが導入されるのは、米国サウスカロライナ州スパータンバーグにあるBMWの工場だ。

 1万1000人の人間の従業員が働き、日々1500台の自動車が作られるこの工場は、その6割が輸出向けのもので、BMWのグローバル戦略にとって重要な拠点となっている。

 ヒューマノイド(人型ロボット)は、特定の作業をこなすよう訓練された後、今後12~24ヵ月で車体工場・板金・倉庫などの製造プロセスに配備される予定だ。
ロボットは、人間の隣で安全に作業できるよう設計されています。BMWと協力して工場の自動化を図ることは、この分野における私たちの意義を証明するものです(アドコック氏)
 フィギュアの人型ロボットの性能について知りたければ、同社が公開する動画を見てみればいい。銀色に輝く「Figure 01」が人間のように二本足で歩くのは、もはや当たり前のように思えて、さほど驚きはない。

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手先が器用で従業員のコーヒーも入れてくれる それよりも注目したいのは、学習能力や手先の器用さかもしれない。Figure 01は人からコーヒーをいれてと頼まれると、ごく普通のコーヒーメーカーに器用にカプセルを挿入して、コーヒーを作ってみせる。

 Figure 01はこうした動きを一つ一つプログラムされたわけでなく、たくさんの動画を見て、自分でコーヒーメーカーの使い方を学んだのだそうだ。

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人間界に進出するヒューマノイドロボット つい最近までアニメや映画の中の存在だったはずのヒューマノイドロボットだが、最近では人間界への本格的な進出がいよいよ始まった感がある。


 人型ロボットの導入を進めるのはBMWだけではない。ホンダから現代まで、さまざまな自動車メーカーが、反復作業や危険な作業などでの人型ロボットの有効性を確かめるべく、何年も前から実験を行なっているという。

 またテスラは最近、同社の人型ロボット「オプティマス」の第二世代” Gen 2 ”を発表。イーロン・マスク氏は、2040年代には地球上に10億体の人型ロボットが存在するだろうと予測する。

テスラ社が開発中のオプティマス Gen 2

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 自動車メーカーだけでなく、物流大手のAmazonもまた自社の倉庫へ人型ロボットを導入しようとしている。

 元々ロボットの導入に積極的だったAmazonだが、昨年発表された「Digit(ディジット)」は完全に人型だ。人間と一緒に作業することを前提としており、身長175センチ、体重65キロと大きさも人間と同じだ。

 人工知能を搭載し、人間のようにさまざまな状況に対応できる汎用ヒューマノイドは、もはや研究者のおもちゃではなく、投資家からも大きな注目を集めている。

 たとえば今回のFigure社は昨年、投資家から7000万ドル(1ドル=140円なら98億円)を調達しており、その評価額は4億ドル(560億円)を超えているそうだ。

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  そのうち、2019年に公開された映画「アニータ」のように、脳は人間だがそれ以外はすべてサイボーグといった存在や、「ブレードランナー 2049」のようにレプリカント(人造人間)が闊歩する時代に突入しちゃったりするのだろうか?

 SF好きなどちらの映画も面白いのでおすすめしちゃうわけだけど。

References:Figure's humanoid robots are about to enter the workforce at BMW / Figure / written by hiroching / edited by / parumo

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