
哺乳類でありながら卵を産むカモノハシは、かつてはその存在が否定されたほどの摩訶不思議な生き物だが、触るな危険な動物でもある。オスの後ろ脚には長さ15mmほどの蹴爪(けづめ)が生えていてここから毒を出すのだ。
オーストラリアの女性は道路にうずくまっているカモノハシを発見し、助けようと手を出したところ、大変な思いをした。
この個体はオスだったのだ。女性によるとその痛みは「出産をはるかに超えるレベル」だったという。出産の痛みがわからない?数十年前にカモノハシの毒にやられた男性は「戦闘で散弾銃をくらうより遥かにひどい」と表現している。
カモノハシを助けようとしたところ毒にやられてしまう この不運な女性、ジェニー・フォワードさんは、カモノハシの毒の痛みを「出産の痛みよりもひどい」と表現し、頭が爆発しそうだったと語り、1週間たってもまだ痛いという。
3月上旬、フォワードさんがオーストラリア、タスマニア島キングストンの町近くを車を運転していたときのことだった。
道の側溝に一匹のカモノハシがいるのを見つけ、フォワードさんは車を停めた。車に轢かれたのではないかと心配になり助けようとしたのだ。
だがカモノハシのほうは、彼女の厚意がわからなかったようだ。この小さな哺乳類を抱き上げたとき、フォワードさんは手に激しい痛みを感じた。
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photo by iStock不思議な生態を持つカモノハシ 多くの離島がそうであるように、オーストラリアにも、ほかにはいないユニークな野生動物が生息している。
比較的長い間ほかの地域から隔絶していたため、ありえないような独特な方法で進化をとげて生き抜いてきたのだ。
カモノハシはこうしたユニークな生き物の代表例で、タスマニアを含むオーストラリア東部に生息する半水生哺乳類だ。
アヒルのようなくちばし、ビーバーのような尾、カワウソのような足をもち、なんとも不思議な姿をしている。
カモノハシの毛皮や絵が英国に送られたとき、ヨーロッパの科学者たちは最初、こんな生き物がいるなんてありえない、捏造されたフェイクだと思ったという。
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photo by iStock
4種いるハリモグラとともに、カモノハシも哺乳類なのに卵を産む単孔類で、現存するわずか5種のうちのひとつだ。
ほかの単孔類と同様に、カモノハシも電気定位を使って、濁った水中を移動し、虫、淡水エビなどの獲物を捕らえる。
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カモノハシの毒にやられた人の治療が難しい理由 カモノハシは毒で敵を攻撃できる数少ない哺乳類といわれるが、実際に毒を持つのはオスだけだ。カモノハシはオスメス共に後ろ脚に蹴爪があり、オスはその爪から毒が出せる。
身の危険を感じた時や驚いた時、オスは蹴爪を使って毒を出す。
この毒は強力で、 犬や小型の哺乳類を絶命させる殺傷力がある。
カモノハシの毒で人間が死亡することはまずないが、激痛がなかなか収まらず1週間も続くことがある。
だがカモノハシの毒については詳しく研究されていないため、この毒にやられた人の治療は極めて難しいという。
1992年の症例報告では、オーストラリアに住む57歳の男性が、北クイーンズランドで釣りをしていたときにカモノハシの毒にやられ、たちまち破壊的な痛みに襲われてそれがかなり長引いたという。
元退役軍人だというこの被害者は、その痛みを「戦闘で散弾銃をくらうより遥かにひどい」と表現した。
男性は車で100キロいったところにある病院に運ばれ、モルヒネを投与されたが、ほとんど効かなかったという。
男性の手の腫れと痛みはその後数日間続いたが、そのうち痛みは耐えられるレベルにまで落ち着き、6日目に退院した。しかし、2週間以上たっても、痛みは残っていたとのことだ。
タスマニアのフォワードさんの場合、まだ痛みはあるものの、少し気分が楽になりつつあるという。
こんなに大変な思いをしたにいもかかわらず、フォワードさんは野生動物を助けるという情熱を失ってはいない。
彼女はこのカモノハシ事件をきっかけに、カモノハシの保護を手伝うようになったという。カモノハシは、希少な生き物で絶滅の危機にあるのだ。
「私はキングボロ評議会がカモノハシを守るためになにをしているのかを調べて、殺された彼らの遺骸が水路にひとつもなくなるようにするささやかなグループをたちあげるつもりです」フォワードさんは語った。
References:Woman Stung By Platypus Venom Says Pain Was “Worse Than Childbirth” | IFLScience / written by konohazuku / edited by / parumo
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オーストラリアの女性は道路にうずくまっているカモノハシを発見し、助けようと手を出したところ、大変な思いをした。
この個体はオスだったのだ。女性によるとその痛みは「出産をはるかに超えるレベル」だったという。出産の痛みがわからない?数十年前にカモノハシの毒にやられた男性は「戦闘で散弾銃をくらうより遥かにひどい」と表現している。
カモノハシを助けようとしたところ毒にやられてしまう この不運な女性、ジェニー・フォワードさんは、カモノハシの毒の痛みを「出産の痛みよりもひどい」と表現し、頭が爆発しそうだったと語り、1週間たってもまだ痛いという。
3月上旬、フォワードさんがオーストラリア、タスマニア島キングストンの町近くを車を運転していたときのことだった。
道の側溝に一匹のカモノハシがいるのを見つけ、フォワードさんは車を停めた。車に轢かれたのではないかと心配になり助けようとしたのだ。
だがカモノハシのほうは、彼女の厚意がわからなかったようだ。この小さな哺乳類を抱き上げたとき、フォワードさんは手に激しい痛みを感じた。
このユニークで小さな生き物をを抱き上げたとき、体をねじって両足についている蹴爪(けづめ)を私の右手の脇に突き刺したのです。蹴爪が刺さったままになり、カモノハシを振り離すこともできませんでした
まるでナイフで手を突き刺されたかのようでした。痛みは耐えがたく、明らかに出産のときよりも苦しかったわ(フォワードさん
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photo by iStock不思議な生態を持つカモノハシ 多くの離島がそうであるように、オーストラリアにも、ほかにはいないユニークな野生動物が生息している。
比較的長い間ほかの地域から隔絶していたため、ありえないような独特な方法で進化をとげて生き抜いてきたのだ。
カモノハシはこうしたユニークな生き物の代表例で、タスマニアを含むオーストラリア東部に生息する半水生哺乳類だ。
アヒルのようなくちばし、ビーバーのような尾、カワウソのような足をもち、なんとも不思議な姿をしている。
カモノハシの毛皮や絵が英国に送られたとき、ヨーロッパの科学者たちは最初、こんな生き物がいるなんてありえない、捏造されたフェイクだと思ったという。
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4種いるハリモグラとともに、カモノハシも哺乳類なのに卵を産む単孔類で、現存するわずか5種のうちのひとつだ。
ほかの単孔類と同様に、カモノハシも電気定位を使って、濁った水中を移動し、虫、淡水エビなどの獲物を捕らえる。
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カモノハシの毒にやられた人の治療が難しい理由 カモノハシは毒で敵を攻撃できる数少ない哺乳類といわれるが、実際に毒を持つのはオスだけだ。カモノハシはオスメス共に後ろ脚に蹴爪があり、オスはその爪から毒が出せる。
身の危険を感じた時や驚いた時、オスは蹴爪を使って毒を出す。
この毒は強力で、 犬や小型の哺乳類を絶命させる殺傷力がある。
カモノハシの毒で人間が死亡することはまずないが、激痛がなかなか収まらず1週間も続くことがある。
だがカモノハシの毒については詳しく研究されていないため、この毒にやられた人の治療は極めて難しいという。
1992年の症例報告では、オーストラリアに住む57歳の男性が、北クイーンズランドで釣りをしていたときにカモノハシの毒にやられ、たちまち破壊的な痛みに襲われてそれがかなり長引いたという。
元退役軍人だというこの被害者は、その痛みを「戦闘で散弾銃をくらうより遥かにひどい」と表現した。
男性は車で100キロいったところにある病院に運ばれ、モルヒネを投与されたが、ほとんど効かなかったという。
男性の手の腫れと痛みはその後数日間続いたが、そのうち痛みは耐えられるレベルにまで落ち着き、6日目に退院した。しかし、2週間以上たっても、痛みは残っていたとのことだ。
タスマニアのフォワードさんの場合、まだ痛みはあるものの、少し気分が楽になりつつあるという。
こんなに大変な思いをしたにいもかかわらず、フォワードさんは野生動物を助けるという情熱を失ってはいない。
彼女はこのカモノハシ事件をきっかけに、カモノハシの保護を手伝うようになったという。カモノハシは、希少な生き物で絶滅の危機にあるのだ。
「私はキングボロ評議会がカモノハシを守るためになにをしているのかを調べて、殺された彼らの遺骸が水路にひとつもなくなるようにするささやかなグループをたちあげるつもりです」フォワードさんは語った。
References:Woman Stung By Platypus Venom Says Pain Was “Worse Than Childbirth” | IFLScience / written by konohazuku / edited by / parumo
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