今回の逆回転によって、過去にあったような極端な寒波が訪れるようなことはなさそうだ。
だが、反転した気流の速さはこれまででトップクラスの記録的なもので、局地的なオゾンの増加現象(オゾンスパイク)まで観察されている。
北極上空で渦巻く気流「極渦」「極渦(きょくうず)」とは、北極や南極を取り巻く、大きな気流の渦のことだ。
冬にもっとも顕著で、成層圏(高度10~50kmくらいまでの大気層)にまで及ぶ。その速さは最大クラスの台風に匹敵するもので、北極の場合、風速250km/hの気流が反時計回りに流れている。
だが時々、一時的に流れが反転することがある。ほんの数日のうちに成層圏の温度が50度も上昇(成層圏突然昇温)することが原因で、反転した流れは数日から数週間、場合によっては数ヶ月続く。
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北極や南極を囲む気流の流れが「極渦」だ。これはその周囲のジェット気流の主な原動力でもある/Image credit: NASA/Goddard Space Flight Center記録的な極渦の逆回転現象 今起きている極渦の反転は3月4日頃に始まったという。だが、風は遅くなりつつあり、まもなく通常の流れに戻ると予測されている。
とは言え、今回の反転した風の流れは観測史上トップ6に入るほどの記録的な風速だったそうだ。
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成層圏突然昇温によって、気流の流れが乱されることが反転の原因/Image credit: NOAA Climate.gov極渦の乱れは強烈な寒波をもたらすことがあるが今回は影響なし こうした極渦の乱れは、世界各地に強烈な寒波をもたらすことがある。
極渦を囲むジェット気流が乱れ、北極圏の冷たい大気が低緯度の地域にまで垂れ込んでくるからだ。
ただ今回のものについては、ジェット気流の乱れが見られないため、今のところそのような影響は出ないだろうと考えられている。
一方、北極周辺の気温の変化により、低緯度から大量のオゾンが吸い上げられ、一時的なオゾンスパイク(オゾンホールと逆の現象)が発生している。そしてこちらも、極渦の流れが元に戻れば、やがて落ち着くだろうと予測されている。来年以降も極渦の反転が起きる可能性 過去の記録を踏まえるなら、成層圏突然昇温はエルニーニョ現象やラニーニャ現象の時期に起こりやすい。エルニーニョ現象でもラニーニャ現象でも地球の気象が不安定になるからだ。その結果として、極渦も反転しやすくなる。
すでにピークは過ぎたが現在もエルニーニョ現象の真っただ中にあり、来年以降もさらなる反転が起きる可能性があるとのことだ。
References:Spaceweather.com Time Machine / Polar vortex is 'spinning backwards' above Arctic after major reversal event | Live Science / written by hiroching / edited by / parumo
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