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昆虫食が話題になり始めたのはいつごろからだったろう。虫そのものを食べると想像しただけで、拒否反応を起こす人も多いはず。
だが虫の力を借りて、食品をもっと美味しくしようと試みた先人たちもいるようだ。以前紹介したウジ虫入りチーズなんかもその一例である。
そんな閲覧超注意なチーズが、実は世界にはまだあるらしい。今日は「ダニチーズ」として知られる「ミルベンケーゼ」について紹介しよう
ダニに覆われたチーズ ドイツ語で「ミルベンケーゼ」、訳すとまんま「ダニチーズ」と呼ばれるこのチーズは、ザクセン・アンハルト州にあるヴュルヒヴィッツ村でのみ生産されているチーズだ。
[画像を見る]
Benutzer:Dundak at de.wikipedia - Ivo Bauer, CC BY-SA 3.0,
via Wikimedia Commons
その製法は極めて珍しく、なんと何百万匹ものダニが入っている木箱の中で熟成するという、耳を疑うような方法で作られているのだ。
そう、目や耳が情報を脳に届けるのを拒否するかもしれないが、ダニって言うのはあのダニのことで間違いない。下の画像で砂のように見えているのが、ライ麦の粉にまぶしたダニである。[画像を見る] フレッシュチーズをダニに熟成させて作る珍味 パッと見、おが屑の中に入った芋かなんかにも見えなくはない。作り方はまず、クワルクというフレッシュチーズを作って、塩とキャラウェイで味付けする。
丸めたり細長く形を整えたチーズを乾燥させ、ダニ満載のこの木箱に入れて、3か月~1年ほど熟成させる。ダニが排出する酵素によってチーズの熟成が進み、程よく味わい深いダニチーズができ上がるのだ。
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Dundak, CC BY-SA 3.0,
via Wikimedia Commons
このチーズの歴史は、中世初期にまでさかのぼるそうだ。
完成したダニチーズを切ってみよう。粉のついたまま食べるんだそうだ。[画像を見る] サンドイッチにしてみるとこんな感じらしい。これならちょっと美味しそう?[画像を見る] このチーズを作る技術は、実は1970年ごろにはすでに失われかけていた。製法を知る最後の一人だったリースベト・ブラウアーさんに、ヘルムート・ペッシェルという地元の科学教師が頼み込み、作り方を教わって製造販売を開始したそうだ。
その作り方を紹介した動画がこちら。ダニにまみれたチーズが登場するので、見る人は自己責任でお願いしたい。
[動画を見る]
Milbenkase: Das kostliche Geheimnis des lebendigsten Kases der Welt
このチーズのは法律上はグレーゾーンにあるものの、一応食品衛生局の許可を得て作られているとのこと。
ダニによるアレルギーを和らげる効果もあるそうなんだが、そもそもこのチーズがアレルギーを引き起こす可能性も捨てきれない。味は意外と良いらしい? 世界には珍味とか言われる食べ物のジャンルがあって、そういうモノが好きな人にはたまらない味なのだろう。
特に発酵食品にそれ系のモノが多い気がする。
以前に紹介したウジ虫入りチーズも大概だったが、ダニと言えば蜘蛛の仲間。そう考えると、味見するのを躊躇する人は多いんじゃないだろうか。
[動画を見る]
ちなみにお味の方は、やや苦みがあるものの、スパイシーで美味らしい。柑橘っぽいニオイもあるようだ。
ダニがついたまま食べるようなので、味見するには勇気がいるかもしれないが、現地でしか食べられないこの珍味。試してみたことのある人はぜひレポートしてほしい。
References:Milbenkase – The Rare German Cheese Infested with Live Mites / written by ruichan/ edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
昆虫食が話題になり始めたのはいつごろからだったろう。虫そのものを食べると想像しただけで、拒否反応を起こす人も多いはず。
だが虫の力を借りて、食品をもっと美味しくしようと試みた先人たちもいるようだ。以前紹介したウジ虫入りチーズなんかもその一例である。
そんな閲覧超注意なチーズが、実は世界にはまだあるらしい。今日は「ダニチーズ」として知られる「ミルベンケーゼ」について紹介しよう
ダニに覆われたチーズ ドイツ語で「ミルベンケーゼ」、訳すとまんま「ダニチーズ」と呼ばれるこのチーズは、ザクセン・アンハルト州にあるヴュルヒヴィッツ村でのみ生産されているチーズだ。
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Benutzer:Dundak at de.wikipedia - Ivo Bauer, CC BY-SA 3.0,
via Wikimedia Commons
その製法は極めて珍しく、なんと何百万匹ものダニが入っている木箱の中で熟成するという、耳を疑うような方法で作られているのだ。
そう、目や耳が情報を脳に届けるのを拒否するかもしれないが、ダニって言うのはあのダニのことで間違いない。下の画像で砂のように見えているのが、ライ麦の粉にまぶしたダニである。[画像を見る] フレッシュチーズをダニに熟成させて作る珍味 パッと見、おが屑の中に入った芋かなんかにも見えなくはない。作り方はまず、クワルクというフレッシュチーズを作って、塩とキャラウェイで味付けする。
丸めたり細長く形を整えたチーズを乾燥させ、ダニ満載のこの木箱に入れて、3か月~1年ほど熟成させる。ダニが排出する酵素によってチーズの熟成が進み、程よく味わい深いダニチーズができ上がるのだ。
[画像を見る]
Dundak, CC BY-SA 3.0,
via Wikimedia Commons
このチーズの歴史は、中世初期にまでさかのぼるそうだ。
最初に思いついた人は、よくもまあダニのついたチーズを食べようと思ったものである。
完成したダニチーズを切ってみよう。粉のついたまま食べるんだそうだ。[画像を見る] サンドイッチにしてみるとこんな感じらしい。これならちょっと美味しそう?[画像を見る] このチーズを作る技術は、実は1970年ごろにはすでに失われかけていた。製法を知る最後の一人だったリースベト・ブラウアーさんに、ヘルムート・ペッシェルという地元の科学教師が頼み込み、作り方を教わって製造販売を開始したそうだ。
その作り方を紹介した動画がこちら。ダニにまみれたチーズが登場するので、見る人は自己責任でお願いしたい。
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Milbenkase: Das kostliche Geheimnis des lebendigsten Kases der Welt
このチーズのは法律上はグレーゾーンにあるものの、一応食品衛生局の許可を得て作られているとのこと。
ダニによるアレルギーを和らげる効果もあるそうなんだが、そもそもこのチーズがアレルギーを引き起こす可能性も捨てきれない。味は意外と良いらしい? 世界には珍味とか言われる食べ物のジャンルがあって、そういうモノが好きな人にはたまらない味なのだろう。
特に発酵食品にそれ系のモノが多い気がする。
我らが納豆やシュールストレミング、キビヤックなんかが代表的だが、何がきっかけで食べ始めたのか知りたい気がしないでもない。
以前に紹介したウジ虫入りチーズも大概だったが、ダニと言えば蜘蛛の仲間。そう考えると、味見するのを躊躇する人は多いんじゃないだろうか。
[動画を見る]
ちなみにお味の方は、やや苦みがあるものの、スパイシーで美味らしい。柑橘っぽいニオイもあるようだ。
ダニがついたまま食べるようなので、味見するには勇気がいるかもしれないが、現地でしか食べられないこの珍味。試してみたことのある人はぜひレポートしてほしい。
References:Milbenkase – The Rare German Cheese Infested with Live Mites / written by ruichan/ edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
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