サイコパス特性が強い人ほど会話中に頭を動かさない。男女とも同じ傾向
 誰かと対面して会話をするとき、あいづちを打ったりうなずいたり、首を傾げたりと、無意識のうちに頭が動くことが多いが、サイコパスの特性が強い人ほど頭の動きが少ないことが新たな研究で明らかとなった。

 犯罪ドラマではお馴染みの「サイコパス」とは、他人に共感せず、冷酷で、良心に欠ける人たちのことだ。
罪悪感なく嘘をついたり、人を操作するのが得意だったりするため、ときに危険な人物となりえる。

 これまで、男性のサイコパス特性を持つ人は、なぜか話しているときにあまり頭を動かさない傾向にあることが知られていた。だが最近の研究によれば、同じ特徴が、女性のサイコパス特性がある人にも当てはまることがわかったという。

サイコパス特性を持つ人に共通する特徴、会話中頭を動かさない じっと目を凝視する、なぜか過去形を使う、身振り手振りが大げさなど、サイコパスを見分ける手がかりはいくつかある。

 誰かと会話しているとき、頭をあまり動かさないのもその1つだ。

 ある研究で服役者500名と面接したところ、サイコパス特性が強い人ほど、頭が動かないことが観察されている。

 ただこの特徴は、あくまで男性サイコパスで確認されたものだ。女性のサイコパス特性を持つ人も同様の傾向 そこで今回の研究では、服役中の女性213人と面談し、その際の頭の動きをカメラで撮影するとともに、彼女たちのサイコパス度を診断した。

 するとサイコパス特性が強い女性もまた、面接中に頭が動かないことがわかったのだ。

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 平均すると、参加者の頭は、面接時間の40%の間、平均位置から「中程度の動き範囲内」にあった。ところが、サイコパス特性が強い女性の頭は、面接の大部分で「最小限の動きの範囲内」に収まっていた。

 最小限の頭の動きはサイコパス特性の高さと正の相関があり、それとは反対に中程度の動きは負の相関があった。


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 研究チームによれば、こうした結果は「サイコパス特性が強い女性に特徴的な頭の動きのパターンを特定するのに役立つ」という。

 だがその振る舞いだけでサイコパスを見分けることは難しい。高度な知能を持つサイコパスの場合は、自分を容易に偽ることが可能だからだ。

 だがこうした非言語的な手がかりが、本質的に欺瞞的な行動を行う彼らを研究するのに重要になるのだという。

 この研究は『Personality and Individual Differences』(2022年9月24日付)に掲載された。

References:You Can Tell If Someone’s A Psychopath By Watching Their Head Movement | IFLScience / Psychopathic women tend to move their heads very little when talking to other people / written by hiroching / edited by / parumo

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