うれしいニュース!絶滅危惧種、フンボルトペンギンのヒナが11匹誕生
 イギリスのチェスター動物園で、4月中旬に合計11羽ものフンボルトペンギンのヒナが誕生していたことが公表された。ここ10年で1シーズンに誕生したヒナとしては最多だそうだ。


 フンボルトペンギンは絶滅危惧種に分類されており、一度にこれだけのヒナが誕生したことは、種にとっても大きな恩恵と言えるだろう。

 ヒナにとって一番デリケートな時期と言われる生後40日を、全員が無事に乗り越えたことが確認され、今回のお披露目となった。動物園にとっても嬉しいベビーラッシュとなったようだ。

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ELEVEN Humboldt penguin chicks hatch at Chester Zooチェスター動物園で誕生した11羽のヒナたち ヒナたちが誕生したチェスター動物園は、絶滅危惧種の保護に積極的に取り組んでいる動物園だ。

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 同動物園のオウムとペンギンのチームマネージャーであるゾーイ・スウィートマンは、次のように語っている。
ヒナたちは全員本当に健康そうで、親ペンギンがここまで素晴らしい世話をしてくれたことを嬉しく思っています。

飼育員としてヒナたちを育てる私たちの主な役割は、大人のペンギンたちが必要なものを、すべて確実に手に入れられるようにすることです


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 ヒナにとって危険と言われる最初の40日を無事全員が超えたことで、ヒナたちにはそれぞれ植物にちなんだ名前がつけられた。

 チューリップ、ネトル(イラクサ)、シスル(アザミ)、ダンデライオン(タンポポ)といった具合だ。

 名は体を表すというが、ネトルとシスルは何だかちょっぴりとげとげしい性格をしているんだそう。一方でチューリップは、とっても明るい子なんだそうだ。

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 ヒナたちは体重が生まれたときの80gから2.5kgにまで増え、全員が元気いっぱいだという。

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 おとなのフンボルトペンギンと一緒にいるところ。
お母さんかな。もう体のサイズは、だいぶ大人に近づいているようだ。

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絶滅の危機にあるペンギン、日本では逆に増えすぎ問題 ペルーとチリの海岸を主な生息地とするこのペンギンは、フンボルト海流に乗って移動することから「フンボルトペンギン」の名がつけられた。

 死別しない限り、生涯同じ相手を伴侶とすることでも知られていて、相手を選ぶ決定権はメスにあるという。

 近年は人間による開発で棲み処を奪われ、その生息数が激減している。野生では2005年に1万羽にまで減少したとされており、レッドリストの中でも危険度の高い「危急」に分類されているそうだ。

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image credit:photoAC

 日本の気候がフンボルトペンギンの故郷に似ていることもあり、国内の動物園では逆に増えすぎが問題になっているんだとか。現在日本にはなんと1,800羽以上ものフンボルトペンギンが飼育されているらしい。

 冷凍精子を使った人工授精にも成功しているそうで、現在は日本の技術をチリなどの生息地に移植したり、孵卵器を送ったりして、その数を増やす試みが行われているそうだ。

 今回11羽のベビーたちが誕生したのは実にハッピーな話だが、野生でのフンボルトペンギンたちの数も、こんな調子で増えてくれるとさらに嬉しいんだけれど。[画像を見る] References:Chester Zoo Celebrates as 11 Adorable Endangered Penguin Chicks Hatch–the Most for a Decade / Zoo celebrates birth of endangered penguin chicks / written by ruichan/ edited by parumo

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