世界一クイックな窃盗犯、配達員が荷物を置いた瞬間に速攻盗み去る
 日本でもコロナ以来「置き配」が登場してはいるが、それでもやはり手渡しや宅配ロッカーでの受け取りの方が安心だろう。

 だがアメリカでは、玄関の前にぽーんと荷物を置いていく、文字通り置き配が一般的。当然ながら、無防備に置かれた荷物を狙う窃盗犯も跋扈している。

 荷物が配達されてからしばらくたって、周りに誰もいなくなってから頂戴していくのがセオリーだが、今回なんと配達員が荷物を置いた途端に横からかっさらっていく世界一クイックな窃盗犯が現れた。

玄関先に届いた荷物をその場で奪っていく窃盗犯 オハイオ州コロンバスにあるとあるお宅の防犯カメラ。やって来たのはFedExの配達員さんだ。

 配達員さんが家の敷地に入るのと同時に、青い乗用車が左からやって来て、家の前に停まったのに気づいただろうか。

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 その車から降りて来たのは、フードを被った男性。配達員さんが荷物を置いたと見るや、突然玄関ポーチへ走り込んできて...

 置かれたばかりの荷物を奪って、風のように去って行ってしまった。

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 ボーゼンと、男性の姿を見送って立ち尽くす配達員さん。

 外へ出てきたこの家の住人さんに、「荷物を盗まれちゃいました……」と告げるが、思わず笑いが出ちゃうほど事態を飲み込めていないようだ。

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「ポーチ・パイレーツ」が盗んで行ったのはAppleウォッチ この事件が起こったのは今月3日のこと。この家の住人のカイル・ドーシュさんは、注文したAppleウォッチが届くのを心待ちにしていたのだ。
白昼、私たちが家にいる間の出来事でした。彼は配達ドライバーがポーチを離れるのを待たずに、あっという間に飛び込んできて、走り去って行ったのです。

今でも信じられません。あまりにも現実味がなくて……
 玄関ポーチから荷物を奪っていく海賊みたいな奴ら、ということで、彼らは「ポーチパイレーツ」と呼ばれているんだそうだ。

 彼らのターゲットは、スマホやスマートウォッチといった、すぐに持ち去ることができて、転売して高く売れる品物だ。

 窃盗の一部始終の動画はこちら。 荷物を盗まれたことのある人の割合がエグい 地元メディアABC6のキャスターがXで行ったアンケートによると、これまでにポーチパイレーツの標的になったことがあると答えた人の数は、34.5%にも達しているそうだ。  また、2017年に実施された調査では、Amazonで注文された商品のうち、約31%が過去に置き配盗難の被害に遭っているのだとか。

 良心的な配達員たちなら、すぐに見つからないところへ置き配したり、上に何かを被せたりしてくれることもあるそうだが、大半は玄関先に放置していくだけ。

 こちらはAmazonの配達員を装った犯人が、荷物を届けに来たふりをして、玄関前にあった本物の荷物を盗んでいく様子をとらえた映像だ。

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 日本人から見ると、玄関前に放置するシステムは、窃盗犯に「どうぞ持って行ってください」と言っているようなものではないかと思ってしまったりもするわけなんだ。やはり手渡しが一番安全 余りの被害の多さに、警察でも注意喚起をしてはいる。具体的には、以下のような対策を推奨しているそうだ。
・置き配ではなく、配達時に手渡しして署名をもらう
・不在時は別の場所に届けてもらうようにする
・宅配ロッカーを利用する
・追跡番号を非公開にする
 最後の部分は、伝票に書いてある追跡番号にアクセスして、荷物がいつどこに届くのかを正確に把握して、先回りして待っている窃盗犯がいるためだそう。

 今回も配達と同時に盗まれたので、もしかするとこんな手を使っていたのかもしれない。

 日本には最近問題になっているとはいえ、再配達というサービスがある。だが海外では再配達に対応していないところも多く、せいぜい近所の家に預けるか、玄関に置き配してもらうかになってしまうらしい。

 今回盗まれたAppleウォッチの値段は約6万3,000円。カイルさんもあきらめきれず、「犯人逮捕に繋がれば」と、この防犯カメラの映像を公開することにしたそうだ。

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image credit:Pixabay犯人はすぐにネットで転売していた カイルさんのAppleウォッチは、意外とあっさり見つかることになった。盗まれた数時間後に、件のAppleウォッチがFacebookマーケットに約14万円で出品されているのが発見されたのだ。

 カイルさんの購入価格の倍以上の値段だが、出品されたAppleウォッチは既に売り切れとなっていた。

 出品者のプロフィール蘭には、「FedExで働いている」女性であるとの記載があったため、内部の社員やスタッフが、追跡番号などの情報を入手して犯行に及んだ可能性もある。
共犯者は(盗んだ直後に)自分の車で写真を撮り、出品者の女性がその写真を商品説明に掲載していました。彼らはあまり賢い連中ではなさそうです
 カイルさんはこのように語っているが、現在はまだ警察が捜査中で、犯人の特定には至っていない。

 幸い、盗まれたAppleウォッチはIMEI(識別番号)でブロックされ、カイルさんは新しい端末を入手できることになったそうだ。

追記:(2024/06/16)本文を一部訂正して再送します。
References:Video shows masked porch pirate swipe package in front of shocked FedEx driver: Watch / written by ruichan/ edited by parumo

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