大人のADHDの日常生活をサポートしてくれるAIロボットが開発される

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 オーストラリアのロボット工学会社は、大人のADHD(注意欠如・多動症)の日常をサポートしてくれる卓上型のAIロボットを開発した。

 「Stu」と呼ばれるそのロボットは、ADHDの人が苦手とするスケジュール管理や感情的なアシストを通じて、日常生活がスムーズに進むよう手助けしてくれる。

 これまでの支援ツールとは違い、Stuが実際のADHDの人たちと共同で開発されているところも大きなポイントだ。

 話しかけるだけで操作できるといったシンプルな設計は、彼らが求める本当のニーズを反映したもの。まさADHDの私、パルモが待ってたやつだ。日本語版の登場を待ち望んでいる。

大人のADHDは考えられている以上に多い

 発達障がいの1種である、ADHD(注意欠陥・多動症)は子供を対象とした研究が多かったため、子供の症状というイメージがあるが、実際には大人でも少なくはない。

 2023年の研究によると、大人のADHDは全体の3%、世界で推定1億8000万人の成人がこの症状を抱えているだろうことが明らかになったという。

 ADHDであっても、大人である以上責任を果たさねばならない。ADHDには進化上のメリットがあるなどいい面もあるのだが、やはり大人の責任を果たす上でのデメリットも大きい。

 人によってその症状の出方に個人差があるが、大人のADHDの特徴としては、「締め切りを守れない、仕事に圧倒されて何にも手がつかなくなる、約束をうっかり忘れてしまう、時間の管理が下手、やることリストが長くなりすぎて何をするべきかわからない、整理整頓が苦手」などがあげられる。

 「効率よく進めるために優先順位をつけるといい」とか「やることリストを作って、1つ1つクリアしていけばいい」などの助言はありがたいが、脳の前頭前野がうまく機能しないADHDの人にとってはそれが難しいのだ。

 結局、普通の人があたりまえのようにできることができず、自分はダメだと自己嫌悪のスパイラルに陥ってしまう。

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ADHDの人を支援してくれる卓上型AIロボット

 オーストラリア、モナシュ大学のプログラムから生まれたロボット工学会社「Nexa Robotics」は、こんなふうにADHDで日々苦労している大人のために、支援用の卓上AIロボット「Stu[https://web.archive.org/web/20240705130033/https://www.heystu.com.au/]」を開発している。

 Stuは、Eメールやカレンダーといったアプリと連携し、タスクの消化・スケジュールの管理・感情的なサポートを通じて、スケジュールや時間管理などを支援する。しかもその操作は、ただ話しかけるだけのシンプルなものだ。

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 Nexa Robotics社の創業者ザイド・アハメド氏は、ADHDの友達が日々苦労しているのを目の当たりにして、このアイデアを閃いたそう。

 「友達の管理を手伝っていましたが、いつも一緒にいるわけにはいきませんからね」と同氏はプレスリリースで語る。

 そこでアハメド氏がいくつかの調査を行ったところ、10人中9人までがADHD専用の支援ロボットがあればいいと思っていることが判明した。

 世界には3億人ものADHD患者がいるのだから、これを解決できれば大きなビジネスチャンスになる。

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ADHDの人に本当に必要なサポート

 じつはAIでADHDの人を支援しようというアイデア自体は、特に珍しくもない。

 たとえば、2020年の調査によるなら、すでにADHD向けスマホアプリが109種もあり[https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32283479/]、感覚や集中力のアシストといったさまざまな支援機能が用意されているという。

 だがそれが本当に便利なのかと言われると、それを裏付けるデータはほとんどなく、ADHDの人が求めるニーズを理解していないといった批判も多いようだ。

 一方Stuは、ADHDの人たちと一緒になって、彼らが何を求めているのか科学的に検証しながら開発が進められている。

 話しかけるだけで操作できるのも、日頃の管理をできるだけシンプルに行いたい彼らのニーズを反映したものだ。

 Stuを使うのにいちいちアプリを開く必要はないし、ブラウザのタブをクリックなんてこともいらない。

 またADHDの人は、視界にないものは意識から追い出してしまいがちだが、いつも机の上にいるStuならそんな心配もない。

 そんなStuは今、その実用性を試すテストを行なっている最中で、すでに試用希望者が600人以上集まっているそうだ。

 早く商品化が進んで日本語版が誕生することを私も願っている。動画を見た限りだと、ちょっと反応が遅いので、とりあえずつなぎの言葉を入れてくれたりなんかして、集中力を持続させる工夫とかしてくれたらいいな、とか思うわけなんだ。

References:Fastrack graduate develops robot to revolutionise ADHD management – Monash Business School[https://www.monash.edu/business/news/2024/fastrack-graduate-develops-robot-to-revolutionise-adhd-management] / ADHD robot coach works where apps and screens fail[https://newatlas.com/health-wellbeing/adhd-heystu-robot/] / written by hiroching / edited by / parumo

本記事は、海外の記事を参考にし、日本の読者向けに独自の考察を加えて再構成しています。

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